学資保険は、大きく3タイプに分けられます。タイプごとに、お勧めしたい商品をご案内します。

まず、学資保険を評価するときの、着眼点を確認します。

学資保険を評価する、2つの切り口

学資保険を選ぶときには、以下の2点が特に重要です。

  • 返戻率の高さ。
  • 学資金が出るタイミング。

返戻率は

銀行の預貯金の金利に当たるもので、利回りを表します。

この数字が100%を超えていることが最低条件で、大きければ大きいほど高利回りです。

ただし、一つの商品でも見積もり条件によって返戻率は変動します。そこが銀行預貯金の金利とは違います。

学資金の出るタイミングも

重要なポイントです。

幼稚園〜大学(人によっては大学院)のどのタイミングでお金を受け取りたいかによって、商品の選び方は大きく変わります。

一般的には、1年あたりの学費が最も大きくなり、かつ節約するのが難しい大学の学費を、初めに検討しましょう。

学資金の受け取り方は、大きく3タイプ

学資金の受け取り方は、それぞれの商品によって異なります。

とは言え、ある程度は分類できます。

大学入学前に、一括して受け取るタイプ

まず、もっともシンプルな、大学入学前(17歳または18歳)に、一括して学資金を受け取るタイプです。

学資保険の、大学入学前に学資金を一括受取するプラン

年単位の学費を見ると、大学入学前の支出(入学金+前期授業料)が最も高額になりやすいです。

学資金を数回に分けて受け取るプランにすると、1回あたりの受取額が少なくなる恐れがあります。

そのために、希望する大学に進めなくなるのは避けたいです。

1回あたりの受取額を大きくできないときは、大学入学前の一括受取をお勧めします。

もし余ったら、2年次以降の学費のために、貯蓄できます。

そういう意味で、学資金の使い方の自由度は、このタイプが最も高いです。

ただし、このタイプにすると、返戻率は低くなりやすいです。

実用性を取るか、返戻率を取るかの判断になります。

大学入学前〜在学中に分割して受け取るタイプ

こちらも、大学の学費に特化したタイプです。ただし、在学中に分割して受け取ります。

学資保険の、大学入学前〜在学中に受け取るプラン

図は、21歳までの計4回の受け取りですが、22歳に5回目が出る商品もあります。

逆に、大学入学前と20歳のときの2回受け取り、というのもあります。

ちなみに、返戻率は、お金を受け取る時期が遅くなるほど、高くなる性質があります。

よって、他の2つより、このタイプの返戻率が最も高くなります。

小・中・高・大の入学前に受け取るタイプ

小学校・中学校・高校・大学に入学前に、合計4回学資金を受け取ります。

学資保険の、小・中・高・大の入学前に受け取るプラン

商品によっては、大学入学後も、卒業まで毎年学資金が出ます。

逆に、小学校入学のときの学資金が省かれている(中・高・大のときに学資金が出る)ものもあります。

いずれにしても、こまめに学資金が出るので、使い勝手は良いです。

ただし、1回あたりの受取額が小さくなると、かえって実用性が下がるかもしれません。

なお、早くから学資金が支払われるので、返戻率は3タイプ中もっとも悪くなります。

大学進学前に学資金をそっくり受け取るなら
ソニー生命  学資保険II型

日本生命  ニッセイ学資保険(こども祝い金なし型)

1年あたりの学費では、大学が高くなりやすいです。特に、大学入学前が、もっとも高額になります。

毎年の学費に加えて、入学金も納入しなければなりません。

また、自宅から通えない大学に進むときは、生活面での出費もかさみます。

大学進学にかかる費用を、できるだけ学資保険でカバーしたいなら、大学入学直前(17歳または18歳)に、学資金を一括して受け取りましょう。

受け取ったお金を自由に使える点では、他のタイプより優れています。

ただし、返戻率は低くなりやすいです。

保険料払込期間を短縮すると、返戻率がアップします。

10歳や15歳までに保険料払込を終えることも、ご検討ください。

ソニー生命『学資保険』II型

ソニー生命『学資保険』II型は、下図のように、大学に進むタイミングで、学資金が1回だけ出ます。

学資保険は、保険料の払込期間を短縮することで、返戻率を向上させられます。

父親30歳・子ども0歳のときの、保険料払込期間「10歳まで」と「18歳まで」の返戻率を、それぞれ算出しました。

保険料 保険料総額 返戻率
10歳まで 1,908,000円 約104.8%
18歳まで 1,961,280円 約101.9%

このように、保険料払込期間を短縮したら、返戻率は上がります。ただし、保険料が高くなります。

負担にならない範囲で、保険料払込期間を短く設定しましょう。

日本生命『ニッセイ学資保険』こども祝い金なし型

この学資保険には、大学入学前に、一括して受け取るプランは用意されていません。

そこで、「こども祝い金なし型」を選び、1回めの学資金を受け取るとき(17歳または18歳の契約応答日)に、学資保険を解約します。

解約すると、その時点で貯まっている全額が戻ります(解約返戻金)。

その金額は、満期(22歳)まで続けた場合の受取総額より、若干少なくなります。

たとえば、22歳までに合計300万円受け取る予定だったのが、18歳のときに解約すると、298万円くらいになります。

それでも、返戻率は102%前後になります(18歳まで保険料を払い込むとき)。

保険料払込期間を短くすると(5年とか10年)、返戻率はさらに高くなります。

正式なプランではありませんが、日本生命に問い合わせれば、返戻率はわかります(見積もり条件や解約時期などによって異なります)。

いずれにしても、上のソニー生命に匹敵する利回りを期待できます。

この方法を選択するときは、以下のことにご注意ください。

  • 「こども祝い金なし型」を選んでください。
  • 解約のタイミングは、保険料払い込期間が終わった後です。

ところで、解約して返戻金を受け取る方法は、他社の学資保険でも使えます。ただし、もともとの利回りが悪い商品だと、元本割れする危険があります。

大学進学時と在学中に、分割して学資金を受け取るなら
ソニー生命  学資保険III型

日本生命  ニッセイ学資保険(こども祝い金なし型)

フコク生命  みらいのつばさ(J[ジャンプ]型)

明治安田生命  つみたて学資

大学の学費は、通常年に2回、春と秋に納入します。

それに合わせて、大学在学中に、毎年学資金が出るプランです。

このプランのメリットは、返戻率が、他のタイプより高くなりやすい点です。

ただし、学資金を数回に分けて受け取るので、1回あたりの金額が小さくなりやすいです。

一方、大学の学費負担は、一般的には入学前〜1年次がもっとも大きくなります(入学金があるので)。そのため、初回の学資金が足りない危険があります。

その危険があるときは、大学入学時に一括して受け取るタイプの方が無難です。

ソニー生命『学資保険』III型

下図のように(学資金40万円のプラン)、大学進学時を含めて、在学中に毎年学資金が出ます。

実用性の面で気になるのは、5回めの学資金です。

受取時期が遅いので、5回めは学費には使えない可能性が高いです。

なぜ5回目があるかというと、返戻率を少しでも高く見せるためでしょう。

学資金の受け取る時期を後ろにずらすほど、返戻率は高くなります。

保険料払込期間による、返戻率の違いをご覧ください。

保険料 保険料総額 返戻率
10歳まで 1,864,800円 約107.2%
18歳まで 1,925,856円 約103.8%

日本生命『ニッセイ学資保険』こども祝い金なし型

こちらも、大学進学時を含めて、在学中に毎年学資金が出ます(学資金100万円のプラン)。

初回が倍額になっているのは、実用的です。

初回の金額を大きくすると、返戻率は少し下がりますが、日本生命は、学資保険としての使いやすさを優先しています。

それでいて、ソニー生命並の返戻率を確保しているのは好印象です。

こちらも、保険料払込期間による、返戻率の違いをご覧ください。

保険料 保険料総額 返戻率
10歳まで 2,798,400円 約107.2%
18歳まで 2,883,600円 約104.0%

フコク生命『みらいのつばさ』J(ジャンプ)型

J(ジャンプ)型は、下図のように、大学入学時と卒業時の2回、祝金(=学資金)が出ます。下図は受取額200万円コースのイメージです。

利用する上で気になるのは、2回目に受け取るのが22歳ある点です。

2回の祝い金のうちの1回が、大学の学費の4分の3以上を払い終えたタイミングで出るのは、どうなのでしょう?

学資保険としての使い勝手は微妙です。

保険料払込期間による、返戻率の違いをご覧ください(受取額200万円)。

保険料 保険料総額 返戻率
11歳まで 1,894,728円 105.5%
14歳まで 1,926,456円 103.8%
17歳まで 1,961,256円 101.9%

「17歳まで」の返戻率は低いです。

明治安田生命『つみたて学資』

下図のように、大学入学時から21歳まで、年1回のペースで合計4回学資金が出ます。

利用する上で気になるのは、学資金が4回とも同額である点です。

大学の学費は、入学前がもっとも高くなります。学資金の設定を低くすると、初回に不足する恐れがあります。

保険料払込期間ごとの返戻率を、ご覧ください。

保険料 保険料総額 返戻率
1回払 2,749,776円 109.0%
10歳まで 2,836,800円 105.7%
15歳まで 2,879,100円 104.1%

なお、こちらの商品では、18歳までの保険料払込は取り扱っていません。最長で15歳までです。

小学校・中学校・高校・大学の入学前に受け取るなら
ソニー生命  学資保険I型

日本生命  ニッセイ学資保険(こども祝い金あり型)

フコク生命  みらいのつばさ(J[ジャンプ]型)

大学より前のタイミング(中学進学、高校進学など)で学資金が出るタイプです。

現在、公立学校なら、高校までは学費が無償化されています。

学資保険で、中学や高校の学費まで準備するかは、判断が分かれると思います。

なおこのタイプは、早い時点からお金が出る分、利回りの面では不利になります。

他のタイプと比べて、返戻率は最も低くなります。

保険料の一括払い(=全期前納)や、10歳や15歳までに保険料払込を終えることも、ご検討ください。

ソニー生命『学資保険』I型

中学校、高校、大学入学前に学資金が出ます(小学校は出ません)。

下図は、満期学資金を120万円としたときの、学資金の金額とタイミングです。

子どもが10歳までに保険料払込を終えるときの、月払いと年払いの保険料をご覧ください。

保険料 1回あたり
の保険料
返戻率
月払 15,732円 約101.7%
年払 187,368円 約102.4%

返戻率は、保険料払込の回数が少ないほど、高くなります。

月払より半年払のほうが、半年払より年払の方が、返戻率は高いです。

日本生命『ニッセイ学資保険』こども祝い金あり型

小学校、中学校、高校入学前に「こども祝い金」が出ます。

その後、大学進学時を含めて、在学中に計5回「学資金」が出ます。

下図は、学資金100万円での、子ども祝い金と学資金です。

初回が倍額になっているのは、実用的です。

18歳まで保険料を払い込むときの、月払いと年払いの保険料をご覧ください。

保険料 1回あたり
の保険料
返戻率
月払 16,300円 約102.2%
年払 194,820円 約102.6%

こちらも、年払のほうが、返戻率は高くなりました。

ただし、ソニー生命と比べて、返戻率の差は小さいです。

フコク生命『みらいのつばさ』S(ステップ)型

S(ステップ)型は、下図のように、合計7回祝金が出ます。下図は受取額210万円コースのイメージです。

幼稚園入園時(3歳)にもお金が出るのは、この商品・プランの長所です。他ではあまり見かけません。

逆にひっかかるのは、最後の祝金がもっとも高額である点です。

大学の学費の4分の3以上を払い終えたタイミングで最高額というのは、実用面では微妙です。

もちろん、保険料払込期間を短くする方が、より返戻率は高くなります(受取額210万円)。

保険料 保険料総額 返戻率
11歳まで 2,004,552円 104.7%
14歳まで 2,038,008円 103.0%
17歳まで 2,074,680円 101.2%

学資保険は、慣れていないと判断ミスの恐れがあります。保険の専門家を活用しましょう。

上でいくつも例をご覧いただきましたが、保険の利回りは、返戻率という数字で表します。

返戻率は簡単な計算で求められます。銀行預金の金利を算出するよりよほど簡単です。

しかし、返戻率にはやっかいな点があります。

返戻率は、単一の商品であっても、見積の条件を何か変えると、コロコロと変動します。

一つの商品に複数のプランが用意されており、それぞれ返戻率は異なります。しかも、個々のプランで、保険料払込期間など設定を変えると、返戻率も変わります。

また、銀行預金など他の金融商品と比較するには、返戻率を利回りに変換しなければなりません。

このように、学資保険の検討にあたっては、誤解や判断ミスが心配されます。

いったん加入したら、20年前後続ける保険なので、万全を期したいです。

というわけで、ご検討にあたっては、保険の専門家の活用をお勧めします。

意外と簡単に、しかも無料で、中立性の高い保険の専門家に相談できる方法があります。

詳しいことは

を、ご覧ください。

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統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。