教育資金を貯めるのに向いている貯蓄方法と、そのメリット・デメリットをご案内します。

長引く低金利・マイナス金利政策のせいで、安全性の高いは金融商品の利回りはパッとしません。

魅力的な貯蓄手段が見当たらない現状です。

それでも、子どもは成長し、学費は確実に発生します。お給料などの収入だけでまかなえそうにないなら、何かの形で準備しなければなりません。

しかも、教育費用は、出ていく金額とその時期がある程度決まっています。

子どもの将来がかかっているので、失敗できません。

そこで、教育資金を貯める方法に求められる条件を、以下に整理しました。

  • 遅くとも、大学に進学する18歳までに、目標額を貯められる(収益性)。
  • 元本割れや目標未達にならない(確実性)。
  • お金を使う時期や金額を柔軟に調整できる(融通性)。

これらの条件を、ある程度満たせる貯蓄手段には、以下があります。

  • 普通預金
  • 定期預金
  • 積立預金
  • 財形貯蓄
  • つみたてNISA、ジュニアNISA
  • 個人向け国債
  • 貯蓄型の保険

それぞれについて、収益性(お金の貯まりやすさ)、確実性(元本割れや目標未達にならない)、融通性(時期や金額を調整できる)の3点から、メリット・デメリットを説明します。

普通預金

普通預金は、1円以上1円単位で預けることができ、満期がありません。お金の出し入れを自由にできます。そして、元本保証があります。

3つのチェックポイントのうち、確実性と融通性は満点です。

一方、2019年6月時点で、三大メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)やゆうちょ銀行の年利は0.001%です。

代表的なインターネットバンクも、過半数は0.001%です。

年利0.001%だと、毎月3万円ずつ積み立てても、18年間の利息はたった485円にしかなりません。

これだけ収益性が低いと、確実性と融通性が高くても、採用できません。

ただし、銀行によっては、もっと高い金利を設定しています。金利が高ければ、候補になります。

その場合でも、普通預金の金利は変動金利なので、突然下げられる恐れがあります。しっかりチェックしましょう。

  • 収益性 ■■■
  • 確実性 ■■■■
  • 融通性 ■■■■
  • 総 合 ■■■

定期預金

1年間、3年間というように、期間を決めて預け入れます。原則として、満期日までお金を引出せません。 元本保証はあります。

小額から預入できますが、満期を管理する手間を考えると、ある程度まとまった金額の預入に適しています。

つまり、お金をコツコツと積み立てることに向きません。

利回りは、一つの金融機関でも、預け入れる期間や金額によって異なります。

三大メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)やゆうちょ銀行の年利は0.01%です。

普通預金と比べると、良く見えますが、絶対的には低い水準です。

預入期間は、短くて1ヵ月、最長で10年です。期間中、金利は固定です。

現在は金利が低い時期なので、預け入れ期間を長くすると、長期間低い金利が固定されることになります。こまめに、有利な商品に乗り換えたいです。

特に、定期預金は、銀行により金利の差が大きいです。上のとおり、大手銀行の金利は低いですが、インターネットバンクなら、0.2%や0.3%というのもあります。上手に運用したいです。

そうなると、管理の負担がなおさら大きくなります。

  • 収益性 ■■■■
  • 確実性 ■■■■
  • 融通性 ■■■■
  • 総 合 ■■■

積立預金

コツコツと積み立てることに適した商品ですが、商品名も仕組みも、銀行によって、ちょっとずつ異なります。

たとえば、積立定期預金(みずほ銀行)、積立預金(三井住友銀行)、自動つみたて定期預金(三菱UFJ銀行)自動積立定期貯金(ゆうちょ銀行)などです。

その大半は、定期預金と同じ金利が適用されます(大手銀行なら0.01%)。

上で説明した普通預金と定期預金の両方のメリットを兼ね備えますが、定期保険としての性格は残っているので、お金の出し入れには制限があります。

満期前に解約するとペナルティ(中途解約利率)があります。

とは言え、それで赤字になることはありません。

ちなみに、三大メガバンク(三菱UFJ銀行、三井住友銀行、みずほ銀行)やゆうちょ銀行に、0.01%という定期預金の金利で預けると、月々3万円積み立てて、18年間の利息は5,778円です。

収益性は、普通預金よりはマシですが、良くはありません。

  • 収益性 ■■■■
  • 確実性 ■■■■
  • 融通性 ■■■
  • 総 合 ■■■■

財形貯蓄

企業によっては、従業員の資産形成を支援するために、財形貯蓄制度を設けています。

申し込むと、給与から毎月一定額が天引きされ、財形貯蓄を受託している金融機関に払い込まれます。

この制度には「一般財形貯蓄」「財形年金貯蓄」「財形住宅貯蓄」の3つがあります。

「財形年金貯蓄」と「財形住宅貯蓄」には、利息が非課税になる特典がありますが、教育資金の準備には使えません。

教育資金に使えるのは「一般財形貯蓄」です。これには、非課税の特典はありません。

「一般財形貯蓄」は、上の「積立預金」と似ています。定期預金の金利が適用されるところも同じです。

違う点は、以下です。

  • 積立は給与天引き。
  • 原則3年以上の期間、定期的に積み立てなければならない。
  • 貯蓄開始から1年経過した後は、払い出し自由。

細かな使い勝手では、「積立預金」より融通が効きそうです。

とは言え、全体的な評価は「積立預金」と同じです。

  • 収益性 ■■■■
  • 確実性 ■■■■
  • 融通性 ■■■
  • 総 合 ■■■■

つみたてNISA、ジュニアNISA

ここまでにご案内した貯蓄手段は、低金利にもかかわらず、その利益に対して約20%の税金がかかります。

ところが、NISAを活用すると、この税金が免除されます。

NISAとは

NISAとは、少額投資非課税制度の略称です。つまり、商品名ではなく、税制優遇制度です。

ただし、NISAの適用を受けるには、所定の条件を充たす必要があります。

名称にNISAの文字が入った金融商品なら、こうした条件を充たせます。

証券会社、信託銀行など、多くの金融機関が取り扱っています。

ところで、NISAは成年・未成年にかかわらず、一人一口座(=一人一契約)と決まっています。

20歳以上の大人が積み立てるときは「つみたてNISA」、19歳までの子どものために積み立てるときは「ジュニアNISA」になります。

2つのNISA

「ジュニアNISA」は、子どものための投資用ですが、実際に管理するのは親(=親権者)です。

大人用の「つみたてNISA」が毎年40万円まで非課税になるのに対して、「ジュニアNISA」は毎年80万円まで非課税です。

そのかわり、子どもが18歳になるまでは、原則お金を受け取れません。

大きな金額を貯めたいときは「ジュニアNISA」が有利です。しかし、「ジュニアNISA」は融通性が低いです(教育資金にしか使えない)。

教育資金に使うかもしれないし、用途を変更するかもしれないときは、「つみたてNISA」の方が融通は効きます。

NISAは元本保証なし

教育資金を貯めるなら、安全確実な手段を選びたいです。

ところが、NISAの投資対象は、金融機関によって異なりますが、だいたいは投資信託や株式です。つまり、元本割れのリスクがあります。

リスクのある金融商品は、教育資金を準備するのに、本来は適しません。

投資に自信と情熱のある人が、後悔するかもしれないことを承知の上で選ぶ手段です。

  • 収益性 ■■■■
  • 確実性 ■■■
  • 融通性 ■■■
  • 総 合 ■■■

個人向け国債

国債とは、国が発行する債券(=借用証書)です。

つまり、国債を買うということは、国にお金を貸すことになります。そして、証拠として国債という借用証書を受け取ります。

半年ごとに利子をもらえて、年0.05%の金利が最低保証されています。

ちなみに、利息に対して、所得税はかかります。

満期は、3年、5年、10年のいずれかですが、債権が発行されてから1年経過したら、いつでも現金化できます。

もっとも、満期前に換金すると、解約手数料として、直前2回分の利子が差し引かれます。

定期預金と同じく、自動的にコツコツと積み立てられないのが弱点です。

もっとも、1万円から毎月購入でき、ほとんどの金融機関でオンライントレード(インターネット)を利用できます。

相当な手間ですが、頑張ればコツコツと積み立てられます。

  • 収益性 ■■■■
  • 確実性 ■■■■
  • 融通性 ■■■■
  • 総 合 ■■■

最低保証の0.05%は、他の貯蓄手段に比べると魅力的です。

ただ、冷静に考えると、絶対的な利回りとしては低水準です。

貯蓄型の保険

教育費用のための保険として、学資保険があります。

ただし、18年位でお金を貯められればよいので、他の貯蓄型保険でも、教育資金を準備できます。低解約返戻金型終身保険、個人年金保険、養老保険が考えられます。

もっとも、養老保険は利回りを期待しにくいです。

また、低解約返戻金型終身保険や個人年金保険で教育資金を準備するのは、本来の使い方ではないので、詳しくない人にはお勧めしにくいです。

生命保険会社は、若い世帯との接点として、学資保険を重視しています。商品数も多いし、利回りもそこそこ頑張っています。

よって、学資保険を第一候補としましょう。

もし、他の保険が気になるなら、保険の専門家に相談することをお勧めします。

学資保険の利回りは、安全な貯蓄としては良好

例として、ソニー生命の『学資保険(無配当)II型』の利回りをご案内します。

保険の利回りは、一つの商品でも、見積もりの条件設定によって変動します。そこがやっかいです。

子どもが0歳のときに加入、18歳まで保険料を月々29,964円払い込んで、払込終了したときに一括で学資金660万円を受け取るプランです。

学資保険のイメージ図

これを、年利回りに換算すると、約0.22%になります。

0.22%という数字自体は大きくありませんが、ここまでにご案内した金融商品の中では、抜群に高いです。

上にも書きましたが、保険料や学資金を変えただけで、利回りは変動します。

保険以外の金融商品と比較するときは、保険の専門家に相談しましょう。

融通の利かなさをどう評価するか

学資保険に限らず、保険でお金を貯めるときに、必ずあるリスクがともないます。

貯蓄型保険をいったん始めると、途中で解約したら、赤字になる可能性が高いです。

預貯金の場合、預けたお金は個別に管理・運用されます。だから、途中で止めても、それまでに払い込んだ分とその利息相当額は戻ります。

一方の保険は、同じ不安を抱える人たちがお金を出し合い、助け合う仕組みです。集められた保険料は、学資金の受取年齢に達した人に回されます。

そういう仕組みなので、学資金を受け取る順番が来る前に解約すると、もらえる金額は大きく目減りします。

ということは、保険はいったん始めると止めにくい、もっと有利な貯蓄方法が登場しても、乗り換えにくい金融商品です。

学資保険は固定金利です。今入ると、現在の低い金利がずっと続きます。

そこが気にかかると、保険を選びにくいです。

  • 収益性 ■■■
  • 確実性 ■■■■
  • 融通性 ■■■
  • 総 合 ■■■

ちなみに、高齢化社会はまだまだ進展し、2040年ころにピークを迎えるようです。その後、高齢者の数は減少に転じますが、2050年になっても、現在(2019年)と同程度のようです。

少子高齢化という社会の構造そのものは、まだまだ続くどころか、一層進展します。

もちろん、それだけで金利が決まるわけではありませんが、子どもが大学に進学するまでの20年くらいで、金利が大きく好転する心配(?)をすべきか悩ましいです。

積立預金、個人向け国債、学資保険を組み合わせて、それぞれの長所を活かしましょう。

ここまで、堅実な貯蓄方法をひとつひとつチェックしましたが、残念ながら、「これだけやっていればOK!」と言える方法はありませんでした。

こういうときは、複数の方法を組み合わせて、お互いの弱点を補い、長所を活かす使い方をしましょう。

貯蓄方法の組み合わせ方

とりあえず、上でご案内した方法のうち、明らかな長所があった、3つの方法が候補です。

  • 積立預金
  • 個人向け国債
  • 学資保険

これらの全部または2つを組み合わせたいです。

管理の手間をかけられない人は

個人向け国債を外して、積立預金と学資保険を組み合わせましょう。

たとえば、学資保険で、必要最小限の学資(たとえば、国公立大学の学費250〜300万円くらい)を確保します。

そして、その保険料以外に使えるお金を、積立預金で運用しながら、利回りの良い金融商品の登場に備えます。

管理の手間暇をかけられる人は

個人向け国債と学資保険を組み合わせてはどうでしょうか。

投資に興味がわけば、NISAという選択肢も加わります。

ただし、NISAのような元本割れリスクのある商品に投資するときは、戻ってこなくてもあきらめられる金額に自制しましょう。

いずれの方法をとるにせよ、

金利が低いときに、まとまった金額を貯めるには、時間をかけるしかありません。少しでも早く始めましょう!

世間では、50%前後の世帯が学資保険を利用

他の人たちがどうしているのかを知ることも、ヒントになります。

ソニー生命は、毎年『子どもの教育資金に関する調査』を実施・公表しています。

その2019年版から、過去3年間のアンケート集計結果を引用します。

グラフの数字は%です。ただし、複数回答可のアンケートなので、合計すると100%を超えます。

教育資金を準備する方法の、アンケート集計結果

過去3年で数字の変動はありますが、全体的な傾向は変わっていません。

2019年を見ると、「銀行預金」が54.3%、「学資保険」が50.8%と、この2つが突出しています。

この2つを合計するだけで100%を超えるので、複数の方法を組み合わせる人が多いのでしょう。

残念ながら、この調査では、銀行預金の内訳(普通預金、定期預金、積立預金etc)まではわかりません。

ところで、50%以上が学資保険を利用しているのは、多く感じます。

もしかしら、生命保険会社の調査なので、保険に関心の高い回答者が多かったのかもしれません。

とは言え、『子どもの教育資金に関する調査』は、毎年実施されている公正で規模の大きな調査です。

結果の信頼性は高いと思われます。

教育資金の準備に、学資保険を使う人は、とても多いのですね!

学資保険のような貯蓄型の保険を、保険以外の貯蓄商品と比べるときは、保険の専門家を上手に活用しましょう。

学資保険、個人年金保険、低解約返戻金型終身保険など、貯蓄型の保険は何種類かあります。

パンフレットや保険会社のウェブサイトでは、各商品の利回りを説明するときに、返戻率(または払戻率)というような、他の金融商品にはない、特有の言葉を使います。

返戻率そのものは、難しい考え方ではありません。

貯蓄型保険同士を比較するときは、この数字の大きい方を選びましょう。

ところが、保険以外の貯蓄性の金融商品と比べるときは、事情が異なります。

両方を比較するには、保険の返戻率を、銀行などで使われる金利に変換しなければなりません。

保険の返戻率は、単一商品でも、見積もり条件や保障プランによって変動します。このことも、比較するときにはやっかいです。

間違いのない選択をするには、保険の専門家の活用が必須です。

保険の専門家にはいろいろありますが、商品比較するときにもっとも役に立つのは、おもな保険商品を一通り取り扱っている保険の専門家です。

では、どうすれば、そういう保険の専門家に相談できるのでしょうか?

意外と簡単に、しかも無料でできてしまいます。詳しいことは

を、ご覧ください。

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