日本人がかかりやすい病気の入院費用は、いくらくらいかかるのでしょうか。

厚生労働省『医療給付実態調査』(平成27年)で、日本人がかかりやすい病気の、入院費用を調べました。

上の厚生労働省の調査結果に載っているのは、医療費の実費です。わたしたちの自己負担額ではありません。
そこで、このサイト独自に、自己負担額を推計しました。

70歳未満の平均的な所得(標準報酬月額28万~50万円)の人が、それぞれの病気・ケガの平均的な期間入院して、高額療養費制度を活用したときの、自己負担額の概算です。
医療費の他に、食費(1食360円)と雑費(1日1,500円)も算入しています。

病名 入院日数 自己負担額
がん 20.82日 141,910円
糖尿病 35.6日 219,746円
高血圧性疾患 39.3日 245,194円
虚血性心疾患 10.65日 114,653円
脳血管疾患 67.3日 413,939円
肺炎 21.93日 141,006円
肝疾患 25.71日 151,730円
腎不全等 34.06日 217,018円
骨折 36.58日 251,292円
全体平均 30.4日 169,830円

下で説明するように、年齢や収入によって、この金額は変動します。

入院にかかる費用には、医療費食事・生活療養費入院雑費の3つがあります。

上の表の金額は、医療費(治療に直接かかる費用)、入院中の食費、その他の入院雑費の合計です。
それぞれの費用について、ご説明します。

高額療養費制度のおかげで、医療費の自己負担は抑えられる

健康保険などの公的医療制度に入っていると、医療費の自己負担は1~3割になります。

しかし、長期の入院になると、それでも負担額は大きくなってしまいます。
そんなときのために、健康保険など公的医療保険制度の中に高額療養費制度が設けられています。

この制度の仕組みは、下で詳しくご説明します。

入院中の食費

入院中の食費は、高額療養費制度とは別の形で、健康保険など公的医療保険制度の援助を受けることができます。

1食あたりの自己負担額が、所得に応じて決められています。

一食あたりの基本の料金 360円
住民税非課税世帯の人 210円
住民税非課税世帯で
低所得の高齢者
100円

上の金額で計算された食費を、病院・診療所の窓口で、支払います。

入院雑費

入院雑費というのは、日用品、衣料品、新聞・雑誌、通信料、交通費などです。

かかる金額は個人差が大きくなりそうです。
このページでは、裁判所基準(裁判をしたならば認められる基準)の、1日につき1,500円で計算しています。

それ以外にかかるかもしれない費用

治療にかかった費用の中には、健康保険など公的医療保険制度の対象外になるものがあります。保険外併用療養費と呼びます。

たとえば、次のようなものが当てはまります。

  • 先進医療の費用。
  • 未承認の薬品や医療機器による治療の費用。
  • 差額ベッドなど、快適な療養のための費用。
  • 予約料金や時間外診察代。
  • 大規模な病院での未紹介患者の初診料や、再診料。
  • 制限回数を超える治療費用や、180日を超える入院費用。

このうち、一番下の180日を超える入院について、補足説明します。
原則として、180日を超える入院費用については、患者の自己負担が15%割増されます。ただし、厚生労働省が決めている、重病の条件にあてはまれば、180日を超える入院でも、自己負担額はこれまで通りになります。

高額療養費制度は、長期入院の費用負担を、大幅に軽減してくれる、心強い味方です。

高額療養費制度の仕組みを簡単にご説明します。
ここでは、七大生活習慣病(がん・脳血管疾患・急性心筋梗塞・高血圧性疾患・糖尿病・慢性腎不全・肝疾患)の中で、もっとも入院期間が長くなりやすく、費用がかさみがちな脳血管疾患を例にします。

厚生労働省『医療給付実態調査』(平成27年)をもとに、70歳未満の平均的な収入の人が、脳血管疾患で入院したときの、医療費の自己負担を試算しました(食費、雑費を含みません)。

入院日数 67.3日
医療費(実費) 2,060,979円
自己負担分 3割負担 618,294円
高額療養費 240,304円

3割負担でも、ずいぶんと負担は軽くなります。それでも、60万円少々というのは重たい金額です。
高額療養費制度を利用すると、さらに負担が圧縮されます。2ヵ月以上の入院で、約24万円というのは、助かります。

なお、高額療養費の自己負担は、年齢と収入によって異なります。
仕組みはかなり複雑なので、いくつか例をご覧いただきます。上と同じ条件で、年齢と収入(標準報酬月額)を変更したときの自己負担額を、下表にしました。

70歳未満
83万円以上
573,804円
70歳未満
53万~79万円
409,084円
70歳未満の
28万~50万円
240,304円
70歳未満の
月額26万円以下
172,800円
70歳以上の
平均的な収入
172,800円

これらの金額は医療費だけです。これに、食費や入院雑費などがプラスされます。

医療保険のご検討には、専門家の知識・知恵・情報を活用しましょう。

上の試算結果は、医療保険に加入しなくても、支払えそうな金額かもしれません。預貯金等で費用をまかなえるなら、医療保険に加入する必要はありません。

しかし、七大生活習慣病のような病気は、無事に退院できても、高い確率で通院が続いたり、再発・転移を警戒しなければなりません。1回の入院で完治するとは言い切れない病気です。

そうしたことを頭において、対策をご検討下さい。

将来の医療費を検討されるのであれば、専門家の活用をお勧めします。
上で、入院費用や高額療養費制度について、簡単にご案内しました。ご検討にあたって、これらのポイントでまちがってしまうと、取り返しがつきません。医療保険とは、長い付き合いになります。
専門家の知識・知恵・情報を活用して、確実な数字を把握しておきたいです。

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統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

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