一度にまとまった出費が発生しやすいのは、入院の危険性が高い病気です。特に、入院が長期化しやすい病気です。

病気によって、お金のかかり方は色々です。
1回あたりの治療費は安いけれど、治療が生涯続くような病気は、治療費を合計すると、高額になるでしょう。

でも、お金の面でより心配なのは、一度にまとまった出費になりやすい病気でしょう。そうなりやすいのは、入院が長期化しやすい病気・ケガです。

まずその理由を、以下でご説明します。

高額療養費制度の仕組み

高額療養費制度の仕組みのせいで、高価な薬や機器よりも、入院期間が自己負担額に大きく影響します。
ちなみに、高額療養費制度は、健康保険など公的医療保険の制度なので、誰でも利用できます。

図は、かなり簡略化した、高額療養費制度の仕組みです。

高額療養費を左右するのは入院期間

高額療養費制度では、それぞれの人(世帯)の収入によって、1ヵ月あたりの自己負担の上限が決められています。

よって、いくら高価な薬や機器を使う治療を受けても、入院期間が1ヵ月以内なら、1ヵ月の上限を超える金額を負担することはありません。
逆に、医療費の安い治療を受けたとしても、2ヵ月入院したら、2ヵ月分の負担になってしまいます。

このように、高額療養費制度の下では、受ける治療が高価であることより、入院期間の長さ方が、自己負担額に大きく影響します。

食費と雑費も、入院期間に左右される

入院中の食費は、高額療養費制度とは別の形で、健康保険など公的医療保険制度の援助を受けることができます。

1食あたりの自己負担額が、所得に応じて決められています。

一食あたりの基本の料金 360円
住民税非課税世帯の人 210円
住民税非課税世帯で
低所得の高齢者
100円

入院雑費というのは、日用品、衣料品、新聞・雑誌、通信料、交通費などです。これらは、全額自腹になります。
ちなみに、裁判所基準(裁判をしたならば認められる基準)では、1日につき1,500円となっています。

一食360円としたら、1日三食で1,080円になります。これに入院雑費1,500円を加えると、1日あたり2,580円になります。
仮に30日分としたら、77,400円になります。入院が長引くほど、重みが増します。

お金がかかりやすい病気、つまり入院が長期化しやすい病気を、厚生労働省の統計で調べました。

厚生労働省の『患者調査』と『医療給付実態調査』から(いずれも平成26年のデータ)、入院患者数が全国で1万人以上いる病気の中から、医療費が高額になりやすいものを、抜き出しました。

病名
1位 統合失調症、妄想性障害等
2位 認知症
3位 脳性麻痺、片麻痺、対麻痺等
4位 アルツハイマー病
5位 パーキンソン病
6位 脳内出血
7位 くも膜下出血
8位 気分[感情]障害
9位 脳梗塞
10位 薬物等による障害
11位 腎不全
12位 関節症
13位 骨折
14位 脊椎症等の脊椎障害

この表を見て、気がついたことを、いくつかご説明します。

入院期間が1年を超える病気

平均の入院期間が1年に近いか、それを超えるような病気が、3つあります。

統合失調症、妄想性障害等 546.1日
認知症 376.5日
性麻痺、片麻痺、対麻痺等 350.6日

これらの病気に、医療保険や預貯金など自助努力で対策するのは困難です。残念ながら、販売されている医療保険のほとんどは、こうした病気に十分に対応できません。

特に不安を感じるのが、「統合失調症、妄想性障害等」です。入院患者数(推計)は約166万人に上ります。これは、がんや脳卒中の入院患者数を上回る数字です。

不幸にも、こういう病気になってしまったら、国や地方自治体の社会福祉制度などを使って、乗り切ることになります。

三大疾病では脳卒中がランクイン

日本人がかかりやすい重病としては、三大疾病(がん、心疾患、脳卒中)が有名です。

上の表にランクインしている三大疾病は、脳卒中だけです。脳内出血、くも膜下出血、脳梗塞は、いずれも脳卒中の一種です。

がんの平均入院日数は19.9日、心疾患の平均入院日数は20.3日です。これは、全病気・ケガの平均31.9日より、かなり短い日数です。

生死にかかわりやすい病気は、長期戦になりがちです。また、亡くなったときの準備も考えておきたいです。

上の表に名前が無くても、お金の面で準備をしておきたい病気があります。

それは、生死にかかわりやすい病気です。
これらの病気は、長期戦になる可能性が高いです。いったんは退院できたとしても、完治したわけではなく、引き続き通院にて症状を抑えたり、再発に備えることになるかもしれません。そうなったら、出費が続きます。

また、結果として亡くなるかもしれないので、そのための準備も考えておきたいです。

日本人の主な死因と死亡者数

総務省『人口動態調査』(平成27年)から、日本人の主な死因を引用します。

年間の死亡者数が1万人を超える死因とその死亡者数のグラフです。全体のバランスをご覧いただくために、病気に限定せず、事故や自殺も含めました。

日本人の主な死因・死亡者数のグラフ

トップのがん(悪性新生物)は、年間死亡者数の約28.7%でした。3人に1人より、やや少なくなっています。

お金の面で、気になる病気

上のグラフでは、死者数が10万人を超えている、上位の4つの病気が目につきます。
三大疾病(がん、心疾患、脳血管疾患(脳卒中を含む))と肺炎の、4つの病気です。

ちなみに、肺炎は2011年に脳血管疾患を抜いて以来、3位を保っています。肺炎による死亡者の約97%が65歳以上です。

医療保険のご検討には、専門家の知識・知恵・情報を活用しましょう。

医療保険の保障は、三大疾病や七大生活習慣病にかたよっています。広告やパンフレットでも、これらの病気をクローズアップしがちです。
しかし、治療費という切り口で見直すと、同じくらい心配になる病気はいくつもあります。

そういう現状を考えると、三大疾病、七大生活習慣病に限定された保障や特約に保険料を使うより・・・

  • 入院1回あたりで保障される入院日数を、長くする(60日⇒120日)。
  • 入院給付金日額を増額する。

とした方が、幅広く対応できます。より安心できそうです。

ところで、将来の医療費を検討されるのであれば、専門家の活用をお勧めします。
上で、入院費用や高額療養費制度について、簡単にご案内しました。ご検討にあたって、これらのポイントでまちがってしまうと、取り返しがつきません。医療保険とは、長い付き合いになります。
専門家の知識・知恵・情報を活用して、確実な数字を把握しておきたいです。

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統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

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