治療のために働けなくなっても、会社員は労災保険、健康保険、厚生年金に守られます。

会社員は、労災保険、健康保険、厚生年金によって、自営業者より手厚い公的保障を受けることができます。

病気・ケガの原因が、業務上なのか、業務外なのかによって、取り扱いが異なるので、別々に説明します。

業務上の原因による病気・ケガ

会社員の、業務上の原因による病気・ケガのときは、労災保険から手厚く保障されます。

労災保険には、以下のような給付があります。

病気・ケガの治療費用 療養(補償)給付(治療費全額)
治療・療養中の生活費 休業(補償)給付(賃金の80%くらい)
治療が長引いたとき 休業(補償)給付⇒傷病補償年金(年金額は症状の重さによる)
治療後に障害が残ったとき 療養(補償)給付⇒障害(補償)給付

ご覧のように、労災保険はとても手厚くなっています。自助努力無しでも最低限の生活を送れるかもしれません(お給料によります)。

業務外の原因による病気・ケガ

業務外の原因のときは、労災保険は使えません。そのかわりに、以下のような公的な保障を活用できます。

病気・ケガの治療費用 健康保険
治療・療養中の生活費 健康保険から傷病手当金(賃金の75%くらいを、最長1年6ヵ月)
治療が長引いたとき なし
治療後に障害が残ったとき 厚生年金より障害年金(障害基礎年金+障害厚生年金)
要介護状態になったとき 40歳以降は介護保険による介護サービス利用支援あり

障害基礎年金の年金額は、障害の重さによって、975,100円または780,100円です(平成27年4月分以降)。障害厚生年金の年金額は、厚生年金に加入していた期間などによって変わるので、一概には言えません。

労災保険と比べると、健康保険の傷病手当金は見劣りがありますが、それでもそこそこ手厚いです。賃金の75%前後という金額については、もともとの賃金の水準によっては、物足りなくなるかもしれません。

傷病手当金は、最長1年6ヵ月と期間を区切られています。通常の入院治療の期間としては十分に長いです。
しかし、 一部の長期化しやすい病気(統合失調症など)、あるいは治癒後に障害が残るようなケース(脳卒中、ケガなど)は心配です。

また、障害年金の年金額は、生活資金としてギリギリの金額であることが多いようです。

介護保険は、老化を主とした制度なので、年齢や要介護の原因によっては、支援を受けられません。

勤務先の福利厚生制度を確認

会社によっては、傷病見舞金などの制度を設けています。多くの会社では、金額としては期待しにくいようですが・・・

自営業者への公的な支援制度は手薄です。まさかのときの資金確保も、事業経営のひとつと考えて、自分たちで準備する必要があります。

上の会社員などとくらべて、自営業者などに対する、公的な支援制度は手薄です。そのかわりに、保険料や掛け金を負担する義務もありません。

自営業者は、生活費の稼ぎ方のみならず、まさかのときの資金確保も、自由な裁量に委ねられている、ということになります。

社会保障の面で、自営業者への支援は、かなり手薄

自営業者には、原則として労災保険はありません(ただし、特別加入制度というのがあって、いくつかの条件をクリアできれば、労災保険に入ることができます)。
また、自営業者が加入する国民健康保険には、傷病手当金の仕組みはありません。

病気・ケガの入院中の生活費の確保は、自分たちで対策しなけれはなりません。

病気・ケガの治療費用 国民健康保険
治療・療養中の生活費 なし
治療が長引いたとき なし
治療後に障害が残ったとき 国民年金より障害年金(障害基礎年金)
要介護状態になったとき 40歳以降は介護保険による介護サービス利用支援あり

障害基礎年金の年金額は、障害の重さによって、975,100円または780,100円です(平成27年4月分以降)。

なお、介護保険は、老化による介護を支援する制度です。よって、老化とは異なる原因で要介護状態になったときは、支援を受けられません。

いずれにしても、これらの制度だけで、療養生活のもろもろの費用をまかなうのは無理があります。自助努力することが、前提になります。

治療等による前線離脱は、自営業者が抱えるリスクのひとつに過ぎない

会社員と比べると、自営業者への支援は薄く、不公平に感じられるかもしれません。

しかし、自営業者はもともといろいろなリスクと向き合っています。事業環境の激変、取引先の不調、従業員の離反などなど。
経営者自身の体調不良による前線離脱も、そうしたリスクの一つということでしょう。

このことを事業リスクの一つとして織り込んでいなくて、それが現実になったときに行き詰まることのないように、準備しておきたいです。



 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

  • FP(ファイナンシャル・プランナー)は、保険を含む、資産・家計・税務知識の公的資格保有者。
  • 保険商品知識中心の保険外交員、保険ショップ店員とは一味違います。
  • そんなFPが、相談だけなら無料で、コンサルティング(保険に加入する義務なし)。
  • 自宅など、指定の場所に駆けつけてくれます。