お金の面で心配なのは、入院が長期化しやすい病気・ケガです。入院期間が1ヵ月を超えるものは要チェック。

お金の面で、意識しておきたい病気には、どんなものがあるのでしょうか。

まず気にすべきは、入院が1ヵ月を超えやすい病気

健康保険などの公的医療には、高額療養費制度があります。治療費用が高額になるとき、この制度を活用すると、1ヵ月あたりの自己負担は、年齢や収入に応じて決まる限度額を超えることはありません。

ということは、治療費用がいくら高額になっても、入院期間が短ければ、自己負担を低く抑えられます。
自己負担が大きな金額になるとしたら、入院が長期化した場合です。

高額療養費制度が月単位の仕組みになっている以上、入院期間が1ヵ月以内に収まるか、超えてしまうかが、分かれ目になりそうです。

日本人の入院日数の傾向

世間相場として、どのくらいの入院日数が多いのでしょうか?
厚生労働省『患者調査』(平成26年)から、入院期間ごとの患者数の割合を、グラフに表しました。

入院期間の分布のグラフ

このグラフによると、83.2%の患者は29日以内に退院しています。
引用したデータが、30日ではなく29日で区切っているので、中途半端ではありますが、80%以上は1ヵ月以内に退院できているようです。これは、安心できる材料です。

ただし、入院期間が30日を超える危険は、それなりにあります。油断はできません。

入院日数が1ヵ月を超える、日本人がかかりやすい病気を、ご案内します。

日本人が気にすべき病気として、いろいろな病名を耳にします。
ここでは、入院費用が大きくなりやすい=入院が長期化しやすい、という切り口で、注意したい病気を洗い出します。

厚生労働省『患者調査』(平成26年)から、調査時点での全国の入院患者数が1万人以上の病気の中で、入院期間が30日を超える病気を抜き出しました。

病名 入院日数
糖尿病 35.5日
血管性の認知症など 376.5日
薬物等使用による精神・行動の障害 98.9日
統合失調症など 546.1日
気分[感情]障害(躁うつ病など) 113.4日
パーキンソン病 143.1日
アルツハイマー病 266.3日
脳性麻痺など 350.6日
くも膜下出血 119.6日
脳内出血 127.4日
脳梗塞 90.6日
関節症 32.5日
脊椎障害 32.7日
腎不全 56.7日
骨折 37.9日
頭蓋内や内臓の損傷 34.5日

この表を見ながら気がついたことを、いくつか補足説明します。

三大疾病・七大生活習慣病の過半数は、入院が長期化しやすい病気ではない。

日本人が特に警戒すべき病気として、三大疾病(がん、脳血管疾患、心疾患)とか、七大生活習慣病(三大疾病 + 糖尿病、高血圧性疾患、肝疾患、腎疾患)の名前が、しばしばあがります。

これらの病気のうち、上表に登場している病気としていない病気があります。

三大疾病・七大生活習慣病のうち、入院が長期化しやすい病気

上表に名前があるのは、以下の病気です。

糖尿病 35.5日
脳血管疾患 くも膜下出血 119.6日
脳内出血 127.4日
脳梗塞 90.6日
腎不全 56.7日

このうち、脳血管疾患は、3つの病気が当てはまっており、そのどれもが3ヵ月以上となっています。

脳血管疾患は、病気の直接の原因はすぐに取り除くのですが、その後障害が残ることが多いようです。その治療やリハビリのために、長引きやすいようです。

三大疾病・七大生活習慣病のうち、入院が長期化しにくい病気

三大疾病・七大生活習慣病のうち、上の表に登場していないのが、次の4つの病気です。

  • がん
  • 高血圧性疾患
  • 心疾患
  • 肝疾患

これらの病気が、怖くないわけではありません。がんと心疾患は、日本人の死因の1位と2位です。高血圧性疾患や肝疾患は、三大疾病を含めて、いろいろな病気の引き金になります。

とは言え、これらの病気の対策として、入院保障を強化することが有効とは限りません。別の対策が必要になりそうです。

医療保険を含めて、個人の力では、入院費用を準備することが難しい病気があります。

上の表の中には、入院期間が半年を超えるような病気が、いくつかあります。

血管性の認知症など 376.5日
統合失調症など 546.1日
アルツハイマー病 266.3日
脳性麻痺など 350.6日

表の日数はあくまでも国民平均なので、もっと長くなる危険性がそれなりにあります。

これらは、入院が必要になるくらい症状が重くなると、預貯金や医療保険など、個人のがんばりだけで乗り切ることは難しい病気、と言えるかもしれません。

一部の医療保険には、1年間の入院に対策できるものがあります。しかし、大多数の医療保険では、これらの病気に対応しきれません。

社会福祉制度や公的支援制度が用意されているので、それらを含めて対処していく必要があります。


 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

  • FP(ファイナンシャル・プランナー)は、保険を含む、資産・家計・税務知識の公的資格保有者。
  • 保険商品知識中心の保険外交員、保険ショップ店員とは一味違います。
  • そんなFPが、相談だけなら無料で、コンサルティング(保険に加入する義務なし)。
  • 自宅など、指定の場所に駆けつけてくれます。