遺族の生活費は、必要保障額の大部分を占めます。専門家と対話しながら、納得できる金額を導き出しましょう。

葬式代や死後の整理資金に比べて、遺族の生活費として準備したい金額は、世帯の状況によって(家族構成、収入と支出、貯蓄額、子どもの人数、加入している公的年金、勤務先の死亡退職金、持ち家か賃貸かなど)、大きく異なります。

そのうえ、生活の変化とともにどんどん変わります。
標準的には、必要保障額(葬式代や死後の整理資金+遺族の生活費)は下の図のように推移します。

必要保障額の推移

いずれにしても、世帯ごとに、タイミングを見て個別に計算する必要があります。

ネットの必要保障額シミュレーションは、決め手にはできない

最近は、ネット上で必要保障額を簡単に試算できるようになっています。
確かに、短時間の入力で金額はでます。そのひとつひとつは、よく出来ていると思います。

しかし、必要保障額の計算には、本来専門知識が必要です。知識がないまま、わかる範囲の入力で、必要保障額シミュレーションをおこなっても、信頼できる計算結果にはなりません。

試しに、同じ条件を指定して(年齢、家族構成、収支など)、3つの必要保障額シミュレーションで、必要保障額を調べたところ・・・

日本生命の必要保障額シミュレーション 9,719万円
JA共済の必要保障額シミュレーション 7,322万円
オリックス生命の必要保障額シミュレーション 5,174万円

なんと2,000万円単位の金額差でした!

必要保障額は、できれば専門家と対面で

ネットやマネー雑誌でシミュレーションをやると、こうなってしまいます。そして、やっかいなのは、どれもそれなりに正しいところです。

どのサービスも、手軽に使えるように、素人が判断しにくいことを、自動で処理しています。その処理のひとつひとつは正しくても、そこに保険会社や共済の"考え方"が入り込みます。
そういうものが積み重なって、大きな金額の差となってしまいます。

必要保障額は、生命保険に加入するときの保険金額に直接つながります。ここで失敗したら、すべてが台無しになってしまいます。

本来複雑なことなので、無理に簡単に済まそうとせず、専門家と対面で相談しながら、納得できる金額を導き出しましょう。

保険の専門家に相談する

生命保険のことを検討する前に、もしものときに、受け取ることのできる遺族年金の年金額を調べましょう。

生命保険などに加入して、遺族の生活費を準備するとき、死亡保険金額(収入保障保険なら年金額)の設定がポイントになります。

これを正しく判断するためには、公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金)の中の、遺族年金について、知っておく必要があります。
遺族年金で不足する金額を、生命保険などを使って、自分たちで用意することになります。

年金額のめやすは、生命保険文化センターの試算を引用させてもらいました。

自営業者など国民年金の世帯

自営業者などの、国民年金に加入している世帯の、遺族年金の概要をご説明します。
子どもがいるかいないかで、受け取る内容が大きく変わるので、分けてご説明します。

子どもがいる世帯

世帯主が亡くなったときにもらえるのは、遺族基礎年金です。 子どもの人数と年齢によって、年金額は変動します。

子どもが18歳になると、遺族基礎年金の対象から外されます。子ども全員が18歳以上になったらむ、年金は無くなります。

18歳未満の子 遺族基礎年金
1人 年額1,004,600円(月額83,716円)
2人 年額1,229,100円(月額102,425円)
3人 年額1,303,900円(月額108,658円)

妻の年齢ではなく、18歳未満の子どもの数で、年金額は決まります。

妻が65歳によると、老齢基礎年金(=通常の老齢年金)をもらえるようになります。ただし、遺族基礎年金が残っているときは、どちらかを選択しなければなりません。

遺族年金だけで生活するのは難しそうです。不足する分を、自分たちで準備しなければなりません。

子どもがいない世帯

残念ながら、子どもがいないと、 遺族基礎年金は出ません。
残された配偶者が65歳になったら、老齢基礎年金(=ご自分の老齢年金)をもらえます。

つまり、残された配偶者の生活費として、年金を当てにできない、ということです。

会社員など厚生年金の世帯

会社員などの、厚生年金に加入している世帯の、遺族年金の概要をご説明します。
子どもがいるかいないかで、受け取る内容が大きく変わるので、分けてご説明します。

子どもがいる世帯

18歳未満の子どもがいるときは、その人数に応じて、遺族基礎年金が出ます。さらに、遺族厚生年金の金額が上乗せされます。
逆に、子どもが18歳になると、年金額は減少します。

年金額の目安は(遺族が妻のとき)下のとおりです。金額は平均標準報酬月額、加入期間、賞与の金額などによって変わります。

18歳未満の子 遺族基礎年金+遺族厚生年金
1人 年額1,565,700円(月額130,475円)
2人 年額1,790,200円(月額149,183円)
3人 年額1,865,000円(月額155,416円)

妻が65歳によると、老齢年金をもらえるようになります。ただし、遺族年金が残っているときは、どちらかを選択しなければなりません。

遺族年金だけで生活するのは、心細いです。不足する分を、自分たちで準備しなければなりません。

子どもがいない世帯

子どもがいないと遺族基礎年金は出ません。よって、遺族厚生年金のみを受け取ることになります。

年金額の目安は(遺族が妻のとき)下のとおりです。金額は平均標準報酬月額、加入期間、賞与の金額などによって変わります。

妻の年齢 遺族基礎年金 遺族厚生年金
30歳未満 なし 年額561,100円(月額46,758円)を5年間
40歳未満 なし 年額561,100円(月額46,758円)を一生涯
40~64歳 なし 年額1,146,200円(月額95,516円)
(中高齢寡婦加算を含む)を一生涯
65歳以降 年額780,100円(月額65,008円)
(妻の老齢基礎年金)を一生涯
年額1,341,200円(月額111,766円)
(妻の老齢基礎年金を含む)を一生涯

遺族年金だけで生活するのは難しいでしょう。不足する分を、自分たちで準備しなければなりません。

会社員なら、勤め先の死亡退職金弔慰金もチェック

世帯主が会社員であれば、勤め先の死亡退職金や弔慰金もチェックしましょう。

住友生命『企業の福利厚生制度に関するアンケート』の調査結果(平成23年2月)によると、94.8%の企業に弔慰金制度があり、支給額の平均は、

  • 勤続15年 ・・・ 358万円
  • 勤続25年 ・・・ 418万円

また、同調査結果によると、78.1%の企業に死亡退職金があり、支給額の平均は、

  • 勤続15年 ・・・ 452万円
  • 勤続25年 ・・・ 901万円

これらの数値は、生命保険会社の質問に回答した企業の平均です。福利厚生に前向きな企業の割合が、世間相場より高い可能性はあります。

とは言え、ぜひ確認してください。

家計の専門家にとって、必要保障額の見積もりは、やりなれた仕事です。アッという間に、あなたの数字をはじき出してくれるはずです。

検討すべきポイントの洗い出し、活用できる公的制度の知識、必要保障額などあなたの数字の算出などは、専門家を活用した方が、速くて正確です。

というか、これらのポイントでまちがってしまうと、取り返しがつきません。
医療保険とは長い付き合いになります。専門家の知識・知恵・情報を活用して、確実な数字を把握しておきたいです。

しかし、 どうすれば家計の専門家に相談できるのでしょうか!?

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 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

  • FP(ファイナンシャル・プランナー)は、保険を含む、資産・家計・税務知識の公的資格保有者。
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