入ってはいけない医療保険、警戒したほうが良い医療保険には、3つのタイプがあります。

この3つのタイプの、いずれかに当てはまる医療保険は、要注意です。

  • 保険料の設定が明らかに高い。
  • 保障内容が、自動的に変化する。
  • 必須で組み込まれている保障が過剰。

以下で、それぞれについて、具体的な商品の実名をまじえつつ説明します。

なお、医療保険以外の保険については、以下のページをご覧ください。

同じような保障内容でも、商品によって、保険料は大幅に違います。

保険は、同じような中身の商品でも、保険会社によって、価格設定は大きく異なります。注意が必要です。

保険料の設定が高い保険会社

医療保険の価格設定が高いのは、以下です。

  • 国内大手生保(日本生命、明治安田生命、第一生命、住友生命・・・)
  • JA共済

国内大手生保とは、会社名が漢字だけの保険会社(ただし楽天生命は例外)です。社名にひらがなが混ざっていたらセーフです。

具体的に、保険料の比較をご覧いただきます。
入院1日あたりに受け取ることのできる金額を10,000円としたときの、30歳女性の、月々の保険料です。

赤字が、避けたい保険会社・共済の代表です。全労済とアフラックは、比較用に掲載しています。

保険会社等 月々の保険料
日本生命 13,250円
住友生命 13,600円
JA共済 14,706円
全労済 7,000円
アフラック 3,790円

できるだけ保障内容をそろえましたが、各社とも他社にない特徴を出しているので、まったく同じではありません。

それにしても、一番下のアフラックと比べて、国内大手生保とJA共済は高すぎます!アフラックの4倍近くです。

全労済は『新総合医療共済(終身プラン)』の保険料(掛金)です。
国内大手生保やJA共済に比べると大幅に安いですが、それでもアフラックと比べると、倍近い金額です。

こんなに値段の差があるなんて、信じられません!

保険料が高くなるのは、高コストな経営体制のせい

これだけ保険料の設定に差がある理由は、おもに商品の販売体制の違いです。

日本生命や住友生命やJA共済は、商品を販売するために、日本全国に拠点を設置して、従業員に営業をさせています。

たとえば、2017年3月末時点で、日本生命の営業部は全国に1,537あり、営業職員(セールスレディ等)は50,904名います。
そうした営業組織を維持するためのコストは、わたしたちが負担する保険料に上乗せされます。

ちなみに、アフラックの日本国内の営業拠点数は85です。商品の販売は、提携している11,042店の代理店がおもに担っています。

もちろん、日本生命のような従業員が販売するやり方には、わたしたち消費者にとってのメリットが、あるにはあります。
しかし、これだけ保険料に差があると、そうしたメリットは吹き飛んでしまいます。

共済などでよく見かける、保障が自動的に先細って、消滅する保険は、後悔する危険があります。

保険料(掛金)は一定ですが、保障がだんだん薄くなって、やがて消滅してしまう医療保険があります。
医療保険というか、医療共済によくあるタイプです。

医療共済のイメージ

たいてい、図のように、60歳を過ぎてから、5~10年ごとに保障ががくんと減って、85歳で消滅してしまいます。

以下の商品が、このタイプに当てはまります。

  • 全労済『国民共済』
  • 都道府県民共済『入院保障型』『熟年入院型』

高齢になっても、医療費の自己負担が減るわけではない

健康保険などの公的医療保険では、70歳と75歳を過ぎると、医療費の自己負担割合は低くなります。3割⇒2割⇒1割と軽くなります。
加えて、高額療養費制度の自己負担限度額も低くなります。

だからといって、実際の医療費負担額が減少するわけではありません。
なぜなら、重い病気にかかる危険性は、年齢が上がるにつれて、飛躍的に高まるからです。

下のグラフは、1年間に入院した人が、同じ年代(5歳刻み)の中で何%いたかを表しています。厚生労働省『患者調査』(平成26年)をもとに、このサイトで作成しました。

年代別、入院する確率のグラフ

年齢が高くなるほど、入院のリスクは高くなっています。しかも、急激な高まり方です。

高齢になってから、医療保険が自動的に薄くなる保険(共済)は、非常に危険です。

特に女性の場合、平均寿命は約87歳ですから、その前に消滅してしまう医療保険(医療共済)は、危険極まりないです。

しっかりした医療保険に入り、負担になったら減額

上のような、保障が自動的に縮小し消滅する医療保険(医療共済)は、「安物買いの銭失い」です。

老後になって、小さくなった保障に愕然としながら、「掛金(保険料)が安いのだから、仕方がないか・・・」と愚痴ることになる危険性が大きいです。

その危険性をあらためて整理すると・・・

  • 健康保険など公的医療保険の自己負担割合が軽くなっても、医療機関に払う治療費用自体が減るわけではない。
  • この数年、公的医療保険の改定が毎年のように実施され、わたしたちの自己負担が増えている。
  • 女性の場合、平均寿命前に医療保障が消滅してしまう。
  • 高齢になって、他商品に入り直そうとしても、保険料は何倍にも高くなるし、健康状態によっては最悪加入を断られる。

というわけで、目先の掛金(保険料)の安さに流されないで、老後もしっかり保障してくれる医療保険に加入しましょう。

そして、もし先々保険料が負担になるようなら、保障を小さくする手続き(契約内容変更の手続き)によって、負担を軽減ましょう

必須の保障が、他社より多く組み込まれている商品は、一応注意しましょう。

上の2つに比べると、危険性はグッと低くなります。
候補に加えても問題ありませんが、ムダな入り方をしないように、保障内容を注意深く検討してください。

主契約(必須の保障)は、厳選されるべき

主契約というのは、保険の基本の部分です。そこに組み込まれている保障は、加入者の判断で付けたり外したりできません。
だから、本来、主契約には、誰にとっても必要であろう保障だけが、組み込まれているべきです

そして、もし保険各社が、主契約を、誰にとっても必要な保障だけに絞っていたら、どの医療保険の主契約も、似たりよったりになるはずです

逆に言うと・・・

他社商品より、あきらかに主契約が厚い商品は、ムダが含まれている危険があります。

もうけ優先か、消費者への提案か

医療保険は、原則掛け捨て保険です。医療保険に加入したけど、使わない保障があったら、それの保険料の一部は、保険会社のもうけになります。

つまり、できるだけ保障を厚くして売るほうが、保険会社はもうかります
だから、金もうけ優先の保険会社は、主契約を厚くしがちです。

ただし、主契約が厚めの商品を販売している保険会社が、すべて金もうけ優先とは限りません。

保険会社は、他社との差別化のために、消費者への提案兼アピールとして、主契約に独自の機能を持たせることがあります
それまで「もうけ主義」と言うのは、保険会社にとって酷でしょう。

とは言え、消費者が「もうけ主義」か「消費者への提案」かを見分けるのは難しいでしょうし、どちらにせよ・・・

主契約に他社とは異なる機能があったら、しっかり吟味するしかありません。

一応、気をつけていただきたい商品

ここでは、「もうけ主義」か「消費者への提案」か区別しないで、とにかく主契約が厚めの医療保険をご案内します。
だから、良心的(?)な商品も含まれています。

なお、上でご案内した、保険料の高い国内大手生保や保障が消滅する共済の商品は、あらかじめ省いています。

保険会社 主契約の特徴
アフラック 4日以内の入院でも、一律5日分の入院給付金。
オリックス生命 三大疾病(がん・心疾患・脳血管疾患)による入院は、支払日数無制限。その他の七大生活習慣病による入院は120日まで。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 先進医療の保障を標準装備。最低保険料の設定が高い。
三井住友海上あいおい生命 三大疾病による入院は支払限度日数無制限。4日以内の入院でも、一律5日分の入院給付金。また、集中治療給付金。

上表の機能を過剰と判断するか、気配りと感じるかは、人それぞれでしょう。

たとえば、4日以内の短期入院で、5日分の入院給付金を出す商品が複数あります。

この短期入院の保障は、緊急性は低いです。というのは、そもそも短期入院は費用が高くなりにくいからです。
しかし、入院患者に占める短期入院の割合は高いです。よって、この保障の恩恵を受けられる人は、けっこう多くなりそうです。

短期入院の保障が過剰かどうかの結論は、人によって異なりそうです。どちらが正解というのではなく、それぞれの方々が、納得して選ぶことが大切と思います。

医療保険のご検討には、専門家の知識・知恵・情報を活用しましょう。

医療保険は、いったん加入すると、何十年も保険料を払い続ける可能性があります。まちがいのない選び方をしていただきたいです。

そのために、保険の専門家の活用をお勧めします。

適切に検討するためには、商品知識、入院費用や高額療養費制度の知識が必要になります。また、老後の医療保障は、老後の生活資金を踏まえて検討したいです。

これらのことを、一般消費者が的確に判断するのは難しいです。専門家の知識・知恵・情報を上手に活用しましょう。

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統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

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