学資保険など貯蓄型保険を使った、子どもの教育資金の準備について、ご案内します。

子どもの学費は、出産を控えていたり、乳幼児がいる家庭にとって、今後決まった時期に必ず発生する費用です。

お金を貯めるのに、そこそこ年数をかけられますが、そのかわり失敗できません。失敗したら、子どもの人生に関わります。

このページでは、学資保険など貯蓄型保険を使った、子どもの教育資金の準備について、ご説明・ご案内しています。

以下は、関連する事項について取り上げているページです。併せて閲覧いただければ幸いです。

学資保険など貯蓄型保険を使った、子どもの教育資金の準備について、ご案内します。

教育資金を準備することに特化した保険として、学資保険があります。

ただし、子どもの誕生から18年位でお金を貯められればよいので、他の貯蓄型保険でも、教育資金を準備できます。

貯蓄型保険の中で、学資保険が第一候補

多くの保険会社が販売している貯蓄型保険には、以下があります。

  • 低解約返戻金型終身保険
  • 個人年金保険
  • 養老保険
  • 超長期定期保険

数年前なら、これらの保険は、学資保険と同じくらい有用でした。

一時期、低解約返戻金型終身保険は、学資保険より魅力がありました。

しかし、2019年の段階では、教育資金のための保険として、第一候補は学資保険です。

というのは、長引く超低金利を受けて、生命保険会社は、年々貯蓄型保険の利回りを下げたり、あるいは販売を停止しています。

そんな中で、がんばって学資保険を温存している会社が多いです。

なぜなら、多くの生命保険会社が、若い世帯との接点として、学資保険を重視しているからです。

保険に詳しくない人には扱いにくいことも

学資保険以外は、教育資金の準備が本来の目的ではありません。

そういう保険で教育資金を準備するのは、本来の使い方ではないので、詳しくない人にはお勧めしにくいです。

低解約返戻金型終身保険や超長期定期保険は、解約して保険を現金化しますが、それをする時期によって、利回りが変動します。

加入した後で方針が変わったりすると、対応を誤って損をする危険があります。

個人年金保険でも、年金を受け取るタイミングが、学費を払い込むタイミングとズレるなど、トラブル危険があります。

自分自身が保険に詳しいか、将来に渡って相談できる専門家が身近にいる場合を除き、お勧めしにくいです。

よって、学資保険を第一候補としましょう。

もし、他の保険が気になるなら、保険の専門家に相談することをお勧めします。

学資保険の利回りは、安全堅実なお金の貯め方の中では、なかなか優秀です。

子ども向けの生命保険には、いくつか種類があります。学資保険は、教育費の準備を目的とした、貯蓄型保険です。

学資保険の仕組み

一定期間保険料を払い込むと、ある年齢になったら学資金がもらえます。この点では、どの保険会社の学資保険も、ほぼ同じです。

ただし、保険料の払い方や学資金の出方(タイミングとか配分とか)は、商品によって異なります。下図は、よくある2つのパターンです。

学資保険の仕組み例の図

2つの図のうち、上の方では、大学に進学する前年に、学資金全額が出ます。
大学に収める費用は、1年目がもっとも大きくなります。また、学費以外にもお金がかかりがちです。それを考えると、この方式は使いやすいです。
もしお金が余ったら、預貯金に入れておいて、必要なときに使えますし。

図の下の方は、大学在学中、学資金が分割されて出るタイプです。図は5回に分かれていますが、分割の回数はいろいろあります。
このタイプは、お金の使い方が制約されます。しかし、保険会社が資産運用できる期間が長くなるので、利回りは有利になります。

保険の利回りは、返戻率という独特の表し方

学資保険に限らず、貯蓄型保険では、利回りとか金利のかわりに、返戻率(戻り率)という考え方を使います。

よって、他の金融商品を比較するときには、学資保険の返戻率を利回りに変換しないと、優劣を判断できません。ここは面倒くださいです。

さらに、一つの学資保険でも、加入の条件(年齢、性別、学資金を受け取る時期、受け取る回数等)によって、返戻率は異なります。
つまり、見積もりをとらないと、正確な返戻率は分かりません。

学資保険と他の金融商品とを比べるときに、計算を誤って、損な選択をしたらマズいので、保険の専門家を活用したいです。

学資保険の利回りは、安全志向の貯蓄としては良好

では、現在販売されている学資保険の利回りがどの程度なのか、一例をご覧いただきます。

ソニー生命『学資保険II型』で、保険料と返戻率(利回り)をご覧いただきます。
0歳加入、18歳のときに学資金100万円をもらえます。契約者は父親の30歳という設定です。

保険料総額 935,280円
満期額資金 1,000,000円
返戻率 106.9%
年利 0.74%

なお、"年利"は、保険会社では計算してくれません。このサイトで計算しました。

18年間保険料を払い続けて、増えるのは65,000円程度。大したことないようですが、年利にすると0.74%になります。
上でご案内した積立定期預金、財形貯蓄、ネット銀行の定期預金より、ずっと高利回りです。

ちなみに、父親が25歳だとすると、返戻率は107.1%に、年利は0.76%になります。上に書いたように、ちょっと設定を変えると、保険の返戻率(利回り)は変動します。

なお、この見積もりは、便利だけど、返戻率はそんなに高くならないプランです。学資金を分割で受け取るようにすると、返戻率はもっと上がります。

掛け捨ての特約に注意

子どものための保険には、親が亡くなったときの養育費・教育費を準備する育英型、子どもが入院したときの医療費用を準備する医療型、というような保障型保険もあります。
これらは、掛け捨て保険です。貯蓄性はありません。

保障型保険には、それなりの存在意義はありますが、学資の準備には使えません。気をつけてください。

また、学資保険によっては、保障型の特約を用意しているものがあります。保障タイプの特約を付加すると、貯蓄としての利回りは低下するので、注意が必要です。

低解約返戻金型終身保険を使って、学資を準備できます。ただし、2019年現在、貯蓄としての魅力は低下しつつあります。

終身保険は死亡保険です、亡くなったら死亡保険金が出る、という保険です。もともとは、貯蓄のための保険ではありません。

ただし、いつかは必ず死亡保険金を受け取ることができるので、掛け捨て保険ではありません。それで、貯蓄的な性質があります。その性質をうまく活かすと、貯金がわりになります。

そんな終身保険の貯蓄性をパワーアップしたのが、低解約返戻金型終身保険です。
保険料払込期間終了後に解約すると、お金(解約返戻金)が増えてもどってきます。

終身保険を学資に使うときの注意点

学資のために、終身保険に契約する場合、意識したいことが3つあります。

  • 保険料払込期間を、18年以内(10歳、15歳、17歳、18歳など商品によって異なります)に指定する。
  • 被保険者(亡くなったら保険金が出る人)は、家族のうちの、もっとも返戻率が高くなる人にする。
  • 必ず低解約返戻金型終身保険を選び、返戻率を確認して判断する。

終身保険は、学資のため保険ではないので、加入するときに、子ども有無とか年齢は関係ありません。
18年以内に保険料の払込を終了し、解約したときに、少しでもおトクに解約返戻金を受け取れるような入り方をします。

夫婦二人(と子ども)の世帯なら、保険契約の名義は、以下のように指定します。

  • 契約者  ・・・ 父母のうち、実際に保険料を負担する人
  • 被保険者 ・・・ 父母のうち、見積もりをして、高利回りだった人
  • 受取人  ・・・ 契約者と同じ人

低解約返戻金型終身保険の利回りの例

では、現在販売されている低解約返戻金型終身保険の利回りがどの程度なのか、一例をご覧いただきます。

オリックス生命『終身保険ライズ』で、保険料と返戻率(利回り)をご覧いただきます。
保険料払込期間15年、死亡保険金300万円、被保険者が30歳男性の場合の、見積もり例です。

保険料総額 2,373,840円
15年後に解約 2,406,360円
(返戻率101.3%)
(年利0.18%)
20年後に解約 2,476,020円
(返戻率104.3%)

"年利"は、保険会社では計算してくれません。このサイトで計算しました。

保険料払込期間が終了した直後の、15年後の解約だと、返戻率101.3%です。年利に置き換えると0.18%です。
銀行の積立預金や財形貯蓄などに比べると優秀ですが、上の学資保険と比べてかなり低いです。

学資のために終身保険を使うときの返戻率

ちなみに、図のように、保険料払込期間が終わっても、すぐに解約しないで放置しておくと、解約返戻金は少しずつ増加します。

上表では、5年放置して、20年後に解約したときの、解約返戻金と返戻率を、参考に載せています。
解約して、現金(解約返戻金)を受け取る時期を、自由に選べるところは、終身保険の魅力かもしれません。

ここ2年くらいで、低解約返戻金型終身保険の魅力は低下

少し前までは、低解約返戻金型終身保険の利回りは、学資保険に勝るとも劣らない水準にありました。

しかし、2016年に日本銀行がマイナス金利政策を始めて以降、どんどん低解約返戻金型終身保険の利回りは低下しています。
それどころか、販売停止になる商品が相次いでいます。

という事情があるので、現時点では、学資保険の検討をお勧めします。

学資保険でも、利回りの低下や販売停止が無いわけではありません。
しかし、学資保険は、世帯が初めて加入する保険になることが多いです。そこで保険会社は、厳しい運用環境にもかかわらず、高めの利回りでがんばっています。

安全確実に教育費用を貯めるなら、学資保険がもっとも優れていますね。

生命保険のメリットは、税制の優遇があることです。低金利時代なので、節税効果はバカにできません。

生命保険料控除をご存知だと思います。学資保険や終身保険は生命保険ですから、生命保険料控除を受けることができます。

実質的な保険料は、少し安くなる

所得税や住民税を算出するときに、1年間の所得がもとになります。
所得が大きいほど、負担する税額も大きくなります。ということは、所得を下げられたら、節税になります。

所得は、収入から必要経費を除いた残りです。何が必要経費にあたるかは、決められています。
そして、生命保険料は、法律で、必要経費と認められています。

たとえば、所得税の税率10%(課税所得が195~300万円)の人が、年に60,000円の生命保険料を支払ったとします。
このとき、生命保険料控除のおかげで、所得から35,000円を減らすことができます(途中の計算は省略してます)。

ということは、税率10%なので、所得税として納める金額を、3,500円ほど下げることができます。
保険料は60,000円だけど、3,500円ほど税金が安くなるので、実質的な負担は56,500円くらいになります。

塵も積もれば山となる

上で例としてご覧いただいた、ソニー生命『学資保険II型』の見積もりを使って、節税の効果を確認します。
ここでも、所得税の税率10%(課税所得が195~300万円)の人を想定して、試算します。

保険料総額
節税前 935,280円
節税後 875,898円
返戻率
節税前 106.9%
節税後 114.1%
年利
節税前 0.74%
節税後 1.44%

細かくなりすぎるので、途中の計算は省いています。

生命保険料控除のおかげで、保険料負担は、実質的に1ヵ月あたり275円くらい安くなります。
たった275円ですが、18年間にわたって、毎月積みあがっていくので、最終的には、利回りを大きく押し上げます。

上表の節税後の利回り 1.44%は、イマドキの安全志向の運用方法としては、飛び抜けて良い数字です。

生命保険による貯蓄には、2つのリスクがあります。念のために、貯蓄方法を分散したいです。

学資保険は、もともとの利回りが有利な上に、生命保険料控除が使えます。元本保証のある貯蓄手段の中では、優れています。
教育費の全額を、学資保険で準備したくなるかもしれません。

それはそれで"アリ"だと思います。ただし、生命保険による貯蓄にもリスクがあります。それを踏まえて、判断してください。

保険料払込期間の途中で解約すると、損になる

生命保険のお金の増え方には特徴があります。

生命保険の貯蓄の増え方

図のように、加入してからけっこう長い期間は赤字が続きます。この期間中に解約すると、損になります。
そして、この赤字の期間は、保険料払込期間にほぼ一致します。

つまり、いったん始めたら、よほどのことが無い限り、保険料払込期間が終わるまでは解約できない、ということになります。

こういうプレッシャーは、貯金が苦手な人にとっては、プラスになるかもしれません。
とは言え、保険料は無理のない金額に設定しておきたいです。たとえ、学資金の金額が物足りなくても。

いわゆるインフレリスク

生命保険で貯蓄をするときに、インフレリスクが付いて回ります。

生命保険商品の利回りは、原則として固定金利です。"変額~"とか"積立利率変動型~"というような名称の商品を除くと、加入した時点で利回りが、契約消滅まで固定されます。

そのおかげで、約束された学資金は、確実にもらうことができます。

反面、加入後に物価や学費が上昇して、学資保険から出る金額では不十分になっても、保険の内容は変更できません。

また、上で説明したように、生命保険を途中で止めるのは損なので、他の運用方法に切りかえると、高い確率で赤字になります。

これが、保険のインフレリスクです。

もちろん、インフレリスクは、学資保険にもあります。

余裕があれば、現在の学費の2割増しくらい

インフレの現状を踏まえて、その対策を説明します。

総務省統計局『消費者物価指数』をもとに、2000年の物価を100としたときの、2018年までの物価の移り変わりを、グラフに表しました。。

近年の消費者物価の推移

2013年以降は、物価が上昇しています。つまり、インフレ傾向です。

ただ、それより前は増えたり減ったりの繰り返しです。

これを見る限り、インフレリスクに備える必要はありそうですが、どの程度覚悟すればよいか、見当がつきません。

次に、大学の学費の推移を、文部科学省の統計データから抜き出して、グラフにしました。

大学の学費の推移

国立大学の学費は、2003年以降据え置かれています。公立大学は、毎年変動していますが、水準は国立大学に近いです。

一方、私立大学の学費は増加基調です。消費者物価指数の動きと関係なく、ジワジワと上がっています。

少子化が叫ばれていますが、大学生の人数と大学の数は、2005年頃までは増加の一途をたどり、2010年以降は現状維持が続いています。

国民の大学進学への意欲の高さを背景にして、世の中の物価の動きとは、異なる動きになっているようです。

グラフのペースが、これからも続くとしたら、

私立大学の学費は、現在の2割増くらいを想定したいです。

元本保証のない投資には慎重に

学資保険のインフレリスク対策として、株式投資や投資信託などを勧める専門家がいます。

確かにこれらの投資は、インフレに強いですが、そもそも元本保証がありません。赤字になる危険があります。

教育資金の準備には、ある程度の年数をかけられます。途中、投資の成績が悪い時期があっても、挽回できる時間的猶予があります。

投資の経験者にとっては、株式投資や投資信託も選択肢に入るかもしれません。

しかし、投資の素人だと、損をしたまま終わるかもしれません。失敗できる余裕のある人が、自己責任でやってください。

学資保険の検討では、保険の専門家を、うまく活用しましょう。

学資保険そのものは、そこまで複雑ではありません。しかし、損得を判断したり、他と比較するときに、返戻率という生命保険独特の考え方を、使いこなさなければなりません。

この返戻率は、単一の商品であっても、見積の条件を何か変えると、コロコロと変動するのでやっかいです。
そのうえ、他の金融商品と比較するには、返戻率を金利に変換しなければなりません。

また、資産運用のリスク分散を考えると、学資保険と他の金融商品との組み合わせを検討したいです。
それには、かなり幅広い知識が要求されます。

ご検討にあたっては、家計と保険の専門家の活用をお勧めします。
家計と保険の専門家と聞いても、親しみがないかもしれません。意外と簡単に、しかも無料で、専門家に相談する方法があります。

詳しいことは

を、ご覧ください。

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