学資保険の選び方、候補に加えていただきたい商品を、ご案内します

このページでは、以下のことを、ご説明・ご案内しています。

学資保険の比較では、返戻率(返還率)と、お金がもらえるタイミングの、2つが重要なポイントです。

学資保険を選ぶときには、以下の2点が、判断基準になります。

  • 返戻率(返還率、戻り率)の高さ。
  • お金(学資金)が出るタイミング。

返戻率は、保険独特の数字で、けっこうあやふや

保険による貯金では、銀行等のように金利は使いません。というか、使えません。

なぜなら、生命保険では、図のようなお金の増え方になるからです。

生命保険でのお金の増え方

同じペースで増えるのではなく、初めはゆっくりと増えて、後になるほど増え方が大きくなります。増えるペースが一定していないので、金利で表すことに、向いていません。

返戻率は、単純な数字

そこで、生命保険では、返戻率(返還率、戻り率)という数字を使って、利回りを表します。金利より、よっぽど簡単な計算で求まります。

戻ってくるお金の累計 ÷ 払う保険料の累計 = 返戻率

という式です。返戻率100%なら、保険料累計と学資金累計がぴったり同額です。

貯金として学資保険を使うので、返戻率が100%を超える商品に加入しなければなりません。

返戻率はけっこうあやふや

そんな返戻率ですが、単純な計算で求まるだけに、かなりあやふやな数字です。あやふやな理由は、以下の2つです。

  • 保険料払込期間の長短や、学資金の時期・回数が、反映されない。
  • 見積もりの条件を変えると、返戻率はコロコロと変動する。

同じ100万円を受け取るとしても、1回にまとめてもらうのと、10回に分けてもらうのとでは、もらう側にとっては全然違います。ところが、返戻率の計算では、同じ100万円として扱われます。

また、同じ学資保険に加入しても、親や子どもの年齢、学資金の金額、学資金を受け取る時期などを変えると、返戻率はコロコロと変動します。

つまり、一つの商品に一つの返戻率がある、というわけではありません。保険のプランの数だけ、返戻率は存在します。だから、他社の商品と返戻率を比べるときは、同一のプランで見積もり・比較しなければなりません。

お金が出るタイミング

特に教育費用がかかるのは、入学の年です。それも、一般的には、大学入学のタイミングです。つまり、子どもが17歳~18歳の頃。

よって、その頃に、まとまった金額の学資金がもらえると、便利です。

ただし、返戻率重視で見ると、学資金をまとめて受け取るより、分割で受け取る方が有利です。分割というのは、大学入学のタイミングに、学資金の初回分を受け取って、その後毎年受け取ります。

学資金の受け取り方のメリット、デメリット

お金を受け取る時期も、返戻率も、どちらも大事です、そのバランスのとり方が、判断のしどころです。

候補に加えていただきたい学資保険は、こちらの商品です。見積りをとって、比較してください。

学資保険は、子どものいる世帯が、初めて加入する保険になりやすいです。その点を重視して、保険会社によっては、他の商品より、利回りを高く設定しています。

少しでもおトクな商品を見つけてください。

以下、検討の候補に加えていただきたい商品を、順にご案内します。

ソニー生命『学資保険』

ソニー生命は、学資保険に力を入れている生命保険会社の一つです。それだけに、返戻率を期待できます。

同社の学資保険には、3つのタイプがあります。使い勝手を重視するか、返戻率を追求するか、加入者は、自分のニーズで選ぶことができます。

I型

I型は、下図のように、中学、高校、大学に進むタイミングで、学資金が出ます。

上の学校に進むタイミングで学資金が出ます。学資金が出るタイミングは、3タイプの中で、もっとも実用的です。

ただし、学資金の出る時期が早くなるほど、返戻率の点では不利になります。ソニー生命の3タイプの中では、返戻率は一番低いです。

もし返戻率を上げるなら、保険料の払込期間を短縮するのが、効果的です。

父親30歳、子ども0歳で、図のコースに加入するとします。保険料払込期間を10歳までとしたときと、18歳までとしたときの返戻率をご覧ください。

保険料 月々の保険料 返戻率
10歳まで 14,856円 107.7%
18歳まで 8,652円 102.7%

学資金の金額を変えないで、保険料払込期間を短縮したら、保険料は高くなります。ただし、返戻率も上がります。

負担にならない範囲で、保険料払込期間を設定しましょう。

II型

II型は、下図のように、大学に進むタイミングで、学資金が1回だけ出ます。

一般的には、大学進学時に、もっとも教育費用がかかります。その意味で、II型も実用性は高いです。

返戻率もなかなか良好です。III型よりは劣りますが、他社の学資保険と比べると、競争力は高いです。

II型も、保険料の払込期間を短縮することで、返戻率は向上します。I型と同じ見積もり条件で、返戻率を算出しました。

保険料 月々の保険料 返戻率
10歳まで 14,880円 112.0%
18歳まで 8,660円 106.9%

10歳までに払い込みを終えると、返戻率は110%を超えます。つまり、払い込んだ保険料に対し、1割以上増えて戻ってきます。このくらい増えると、貯蓄の実感を持ちやすいかもしれません。

III型

III型は、下図のように、大学進学時を含めて、在学中に毎年学資金が出ます。

学資保険では、学資金の受け取る時期を後ろにずらすほど、返戻率は良くなります。
22歳の学資金40万円は、教育費用としては活かせないかもしれませんが、これのおかげで、返戻率はいくらか上昇しています。

そんな小細工(?)もあって、III型の返戻率は、競争力が高くなっています。現時点で、もっとも返戻率が高い学資保険の一つでしょう。

III型も、他の2つのタイプと同じく、保険料払込期間による、返戻率の違いをご覧ください。

保険料 月々の保険料 返戻率
10歳まで 14,368円 115.9%
18歳まで 8,392円 110.3%

学資金としての使い勝手は、II型より劣ると思います。しかし、18歳までの保険料払い込みでも、返戻率が110%を超えるのは、かなり魅力的です。

日本生命『ニッセイ学資保険』

日本生命『ニッセイ学資保険』には、2つのタイプがあります。

どちらのタイプも、返戻率を高くするために、22歳(大学卒業時)にも学資金が出る仕組みをとっています。教育費用に充(あ)てるとしたら、やや使いにくいです。

こども祝い金あり型

こども祝い金というのは、小学校、中学校、高校に進学するときに出る、一時金です。

下図は、100万円コースのイメージ図です。ご覧のように、節目節目で学資金が出るので、便利です。

ただし、早い段階から学資金が出るプランは、返戻率の点では、やや不利になります。

返戻率を上げるなら、保険料払込期間を短縮するのが効果的です。ただし、これをやると、月々の保険料もけっこう大きくなります。

保険料の負担感を上げないで、返戻率を上げる方法に、年払いがあります。保険料の払い込みを、毎月ではなく、年1回にします。その方が、払い込む保険料の総額は、少し安くなり、返戻率も少し上がります。

保険料 保険料総額 返戻率
月払い 3,520,800円 102.2%
年払い 3,506,760円 102.6%

年払いの保険料を12で割ると、月払いの保険料より、少し安くなります。
初回の保険料には負担感があるかもですが、次の年からは、計画的に準備すれば、月払いより軽くなります。

こども祝い金なし型

学資金が、大学入学以降に、5回出るタイプです。こども祝い金あり型と違って、18歳より前には、お金が出ません。

一般的には、大学進学のときに、もっとも教育費負担が大きくなるので、これはこれで合理的です。そして、返戻率は、こども祝い金あり型より、若干高くなります。

下図は、100万円コースのイメージ図です。

上と同じく、月払いと年払いの保険料をご覧ください。

保険料 保険料総額 返戻率
月払い 2,883,600円 104.0%
年払い 2,872,080円 104.4%

フコク生命『みらいのつばさ』

フコク生命『みらいのつばさ』には、2つのタイプがあります。

どちらのタイプも、返戻率を高くするために、22歳(大学卒業時)の受取額が大きくなっています。教育費用に充(あ)てるとしたら、やや使いにくいです。

S(ステップ)型

S(ステップ)型は、下図のように、節目節目で学資金(フコク生命では祝金)が出ます。下図は、受取額210万円コースのイメージ図です。

フコク生命は、学資金のことを祝金と呼んでいます。だからなのか、成人や卒業のときも祝金が出ます(商品の正式名は学資保険ですが・・・)。

こまめにお金が出るのはうれしいですが、これだと返戻率は高くなりにくいです。だから、卒業する22歳の祝金を、もっとも高額にしているのでしょう。教育費用には使えませんが・・・

それでも、返戻率は十分に高いとは言えません。もっと上げるために、保険料払込期間を、できるだけ短縮したいです。

父親30歳、子ども0歳で、上の210万円コースに加入するとします。保険料払込期間を11歳まで、14歳まで、17歳までとしたときの、それぞれの返戻率をご覧ください。

保険料 月々の保険料 返戻率
11歳まで 15,186円 104.7%
14歳まで 12,131円 103.0%
17歳まで 10,170円 101.2%

17歳までの保険料払込でも、100%を超えています。でも、ギリギリという印象です。月々の保険料が負担にならない範囲で、保険料払込期間を短縮したいです。

J(ジャンプ)型

J(ジャンプ)型は、下図のように、祝金が、大学入学時と卒業時の、2回になっています。下図は受取額200万円コースのイメージです。

上のS(ステップ)型より、こちらのタイプの方が、返戻率は高くなりやすいです。ただ、教育資金と考えると、大学卒業時に、大学入学時と同額というのは、使い勝手の面で微妙です。

もちろん、保険料払込期間を短くする方が、より返戻率は高くなります。

保険料 月々の保険料 返戻率
11歳まで 14,354円 105.6%
14歳まで 11,467円 103.8%
17歳まで 9,614円 102.0%

低解約返戻金型終身保険個人年金保険も、学資の準備に使えます。

学資保険以外にも、学資の準備に使える、貯蓄型の生命保険があります。

とは言っても、現在は低金利、マイナス金利の時代なので、検討に値する保険の種類は限られます。現時点で、検討に加えられそうなのは、以下の2つです。

低解約返戻金型終身保険

終身保険自体は、死亡保障のための保険です。しかし、貯蓄性があります。

終身保険は、一生涯保障が続くので、いつかは必ず死亡保険金を受け取ることができます。掛け捨てではありません。

そのために、保険会社では、将来の保険金の支払いに向けて、社内でお金を積み立てています。 解約すると、積み立てられていたお金が、解約返戻金としてもどってきます。
ただし、たいていは、払い込んだ保険料の総計より、解約返戻金の方が少なくなります。

そんな終身保険の貯蓄性を改造して、お金が増えて戻って来るように強化されたのが、低解約返戻金型終身保険です。

低解約返戻金型終身保険の仕組み

低解約返戻金型終身保険は、簡単に言うと、保険料払込期間中の解約返戻金を低く抑えるかわりに、保険料払込期間経過後の返戻率を向上させています。

よって、次の留意点があります。

  • 保険料払込期間中に解約すると、解約返戻金は少ない(赤字になる)。
  • トクするには、保険料払込期間後に解約する(終身払込は使えない)。
  • 解約として解約返戻金を受け取ると、死亡保障は消滅する。

低解約返戻金型終身保険のメリット

下図は、30歳男性が、オリックス生命『終身保険ライズ』に加入したときの、解約返戻金と返戻率です。

低解約返戻金型終身保険の仕組み

図の例だと、保険料を15年間払い込んで、すぐに解約すると、返戻率は101.3%です。

解約しないで放置しておくと、解約返戻金は少しずつ増えます。仮に5年間放置して、20年後に解約すると、返戻率はこ104.6%に上がります。

学資保険と比べたときのメリットは、次のようになります。

  • 契約者や被保険者を両親にすると、子どもの有無や年齢に関係なく加入できる。
  • お金を受け取る時期(=解約のタイミング)を、加入後に、自由に決められる。一部だけ解約することも可能。
  • 保険料払込期間中に、親(=被保険者)が亡くなると、死亡保険金が出る。

純粋に返戻率だけを比べると、学資保険を超える魅力は感じられないかもしれません。

ただし、学資金受取の時期・金額など、ガッチリと決められている学資保険に比べて、終身保険は柔軟性が広く、使い道が幅広いです。

個人年金保険

個人年金保険は、老後の生活資金のための保険、というイメージが強いと思います。

しかし、教育費用の準備に使うこともできます。

個人年金保険の活用例

図は、個人年金保険で教育資金を準備する、活用例の一つです。

個人年金保険で学資を準備する

この図では、子どもが12歳のときから年金を受け取るようになっていますが、もちろん、年金開始年齢を後ろにずらすことはできます。

被保険者は、両親のいずれかでも子どもでも、家族の中でもっとも利回りの高い人を指定します。
ただし、商品によって、加入できる年齢や、年金開始年齢に制限があります。それによっては、教育資金の準備に使えないかもしれません。

年金の受取方法は、保険会社によって異なりますが、たいていは、5回(5年)、10回(10年)、10年保証期間付き終身(亡くなるまで)のいずれかです。

年金なので、受取額は毎年同額です。大きな教育資金が必要な年には、一部または全部を解約して、残金をまとめて受け取るなど、工夫できます。

個人年金保険の、利回りを上げる方法

個人年金保険は、2017年現在では、返戻率で、学資保険や低解約返戻金型終身保険より不利です。
加えて、教育資金の準備に個人年金保険を使う場合、確定申告で、個人年金保険料控除を受けることができません。この点でも不利です。

ただし、返戻率を向上させる方法はあります。図のように、保険料払込期間と年金開始との間に、据え置き期間を設定します。

個人年金保険の据え置き期間

保険会社は、据え置き期間中に、資産運用できるので、返戻率はその分良くなります。

現時点でおススメできるのは、学資保険か、低解約返戻金型終身保険です。

保険を使った教育資金の準備方法を、いろいろとご案内しましたが、現時点で、有力な選択肢になりそうなのは、学資保険と低解約返戻金型終身保険です。

学資保険は、教育資金の準備が本来の役割なので、使いやすいです。利回りも、安全志向の貯蓄としては良好です。

低解約返戻金型終身保険は、加入してからの選択肢の多さが魅力です。また、子どもが経済的に自立するまでに、親が亡くなったときの備えも、同時にできます。

個人年金保険は、一応ご案内しましたが、使う上でいくつか制約がありますし、利回りもやや見劣りします。今回は、お勧めから外します。

候補に加えたい保険商品

学資保険については、上で3つの商品をご案内しました。

  • ソニー生命『学資保険』
  • 日本生命『ニッセイの学資保険』
  • フコク生命『みらいのつばさ』

低解約返戻金型終身保険は、このところ販売停止や保険料値上げが続いており、お勧めできるのは1商品だけです。

  • オリックス生命『終身保険ライズ』

関心をお持ちなら、検討をお早めに

2016年の、日本銀行のマイナス金利政策以来、保険料の値上げ(=返戻率の低下)が相次いでいます。

近いところでは、2017年4月に、複数の生命保険会社が、保険料改定をいっせいに実施しています。この流れは、まだおさまりそうにありません。

保険料改定は、だいたい1~2ヵ月前に予告されます。ある日突然値上げ、ということはめったにありません。

とは言え、生命保険の検討、商品選びにもそれなりの期間が必要になります。それを考えると、すでに関心をお持ちであれば、検討に早めに着手しましょう。

生命保険による教育資金の準備には、保険の専門家を活用

学資保険では、3つの商品をお勧めしましたが、それぞれ2~3タイプに分かれるので、実質的には7商品くらいのボリュームです。

一方、低解約返戻金型終身保険は、死亡保険を貯金に使うので、誤解や思い込みが心配です。

また、保険では、返戻率という数字を用いますが、銀行など他の金融機関の商品と比べるときは、これを金利に変換しなければなりません。

スムーズにそしてまちがいなく検討を進めるために、保険の専門家を上手に活用したいです。

生命保険のことは、保険のプロに相談しましょう。

保険の素人が、自分で調べながら、一つ一つ見積書・設計書を集めるのは大変です。また、うまく比較できないかもしれません。
保険のプロの活用をオススメします。

保険のプロにはいろいろありますが、
相談相手として選ぶべきは、上に名前をあげた保険商品を一通り取り扱っている保険のプロ
です。
そうでないと、ご自分の条件で、主要な保険商品を比較できなくなってしまいます。

では、どうすれば、そういう保険のプロに相談できるのでしょうか?
意外と簡単に、しかも無料でできてしまいます。詳しいことは

を、ご覧ください。

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

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