がん保険ならではの、注意していただきたいことがあります。経年劣化しやすい商品にひっかからないでください。

がん保険は、がんという特定の病気のための保険だけに、がん治療の実際に合わせて、作られています。

それ自体は良いことですが、行き過ぎると、思わぬ落とし穴があります。
詳しいことは、以下のように、ご説明・ご案内しています。

がんは医療技術の進歩が急速な分野です。それに合わせて、がん保険の内容も、頻繁に新しくなっています。

がん保険は、保険の分野の中でも、保障内容の改定が多く、商品による中身の差が大きなジャンルです。

がんの治療法の開発は活発

ところで、がんは、日本人の死因のトップです。
以下は、日本人の死因の割合です。(厚生労働省『人口動態調査』2016年)。

2016年の日本人の死因別割合円グラフ

29%ががんで亡くなっています。
これほどの病気だけに、医療技術の進歩は急速です。

医療技術の進歩は、通院の増加に表れている

医療の素人でも、がんの治療法の進化を実感できるのが、以下のグラフです。厚生労働省『患者調査』(平成26年)から抜き出しました。

がんの通院患者数と入院患者数の推移

『患者調査』は、3年ごとに実施されています。平成20年の調査で、通院患者数が入院患者数を上回り、その後は、着実に差を広げています。

それまで入院しなければできなかった治療が、通院でできるようになっています。医療技術の進歩の表れ、と言えそうです。

がん保険の保障内容は、頻繁に見直されている

がん保険は、がん専門の保険だけに、上のような変化の影響を受けやすいです。

それ以前に、高齢化の進展によって、がん保険を含めた医療系の保険のニーズが高まっています。それにこたえるために、保険会社は商品開発にしのぎを削っています。

こうした状況を背景に、現在の医療の実態を踏まえて、きめ細かな保障を備えたがん保険が、次々と世に送り出されています。

最新のきめ細かな保障には、危険が含まれている

保険会社が、競って魅力ある商品を開発するのはいいことです。しかし、行き過ぎると、副作用が発生します。

現在の医療にきめ細かく対応した保障は、今後さらに医療技術が発展して、新たな治療法が登場したときに、早々に劣化してしまいます。

実際に、そういうがん保険が複数販売されていて、けっこう売れているようです。

現在のがん保険の市場は、危険がいっぱいの状況です!

がんの対策には、年数が経過しても、劣化しにくい保険商品を選びましょう。

がんの治療法は、日進月歩で進化しています。それに合わせて、新しいがん保険が次々と投入されています。

こういう現状を知ってしまうと

がん保険の経年劣化は、避けられないのでは・・・?

と考えてしまうかもしれません。

がん保険は一生モノの保険

しかし、そういう考え方は、そもそもまちがっています。がん保険は、長く続ける可能性が高いので、一生役に立つことは、最低限求められる性能の一つです。

少なくとも、保障が一生続く終身保障タイプのがん保険で、経年劣化が目につくとしたら、欠陥品です。

がんは、高齢でかかりやすい病気の典型です。以下は、厚生労働省『患者調査』(平成26年)をもとに作成した、年代別のがん患者数のグラフです。

年代別のがん患者数のグラフ

30代から増え始めますが、特に60代以降の増え方が大きいです。
80代以降は、平均寿命を超えるため、患者数自体は減っていきます。

このような傾向があるので、20~30年で劣化するようながん保険は、必要最低限の性能すら満たしていません。

今の保険が古くなったら入り直す、という方針は破たんする

現在の保険が古くなったら、新たな保険に入り直せば良い、と思われるかもしれません。

しかし、うまくいくとは限りません。
なぜかと言うと・・・

  • 健康状態が悪くなって、加入できないかも。
  • 年齢が上がると、保険料も上がります。負担が大き過ぎて、加入できないかも。
  • 最新の保険に加入し直しても、いずれは時代遅れになってしまう。

新しいものが出たら入り直す、という方針は、破たんする危険が大きいです。

年月の経過とともに、劣化する危険が高くて、お勧めできないがん保険は、こちらです。

経年劣化しやすいがん保険の特徴は、細かくはなりますが、はっきりしています。

経年劣化しやすいがん保険の特徴

以下の2点が、特に重要です。いずれかに当てはまるがん保険は、リスクが大きいです。

  • 主契約の支払条件に、具体的に治療法が指定されている。
  • 主契約の支払条件に、日数(入院日数など)が具体的に指定されている。

特約は、付加しなければ避けられます。加入後に外すこともできます。
一方、主契約は必須の保障ですから、逃げようがありません。注意深く確認してください。

なお、ここでの治療法というのは、「○○療法」と呼ばれるくらいの、具体的なものです。「入院」とか「手術」のような幅広いものは、当てはまりません。

経年劣化の条件に当てはまるがん保険

では、2017年11月現在販売されているがん保険から、上の条件に当てはまる商品名を、知っている範囲で列記します。

  • アフラック『新・生きるためのがん保険Days』
  • チューリッヒ生命『終身ガン保険プレミアム』
  • メットライフ生命『ガードエックス』

以上のがん保険は・・・

加入してから20年後、30年後になって、後悔するリスクが大きいです。お勧めできません。

経年劣化しにくいがん保険は、こちらです。検討の候補に加えてください。

現在販売されているがん保険の中から、経年劣化の危険性が低い商品をご案内します。

FWD富士生命『新がんベスト・ゴールドα』

この商品の主契約は、悪性新生物診断給付金だけです。これは、がんと診断されたときに出る一時金です。

一時金の金額は、50~300万円の範囲で指定できます。主契約はこれだけというシンプルさ。

ただし、特約は7つ用意されていて、先進医療、女性特有のがん、上皮内がん、疼痛緩和(痛みを和らげる)など、いろいろなニーズに応えられるようになっています。

なお、FWDはアジア系の外資系保険グループです。アフターフォローなどは未知数です。

オリックス生命『Believe(ビリーブ)』

標準的のがん保険です。以下のような保障が主契約に組み込まれています。

  • 初回診断一時金
  • 治療給付金
  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 退院一時金

治療給付金は、入院が支払条件です。通院治療には使えませんが、比較的ゆるやかなので、役に立ちそうです。

手術給付金は、対象となる手術が具体的に指定されており、将来に不安があります。

特約で、がん通院特約が用意されていますが、こちらは支払条件が細かく指定されています。その中には、治療法も指定されています。

ここにあげた中で、経年劣化のリスクは最も高いです。

損保ジャパン日本興亜ひまわり生命『勇気のお守り』

標準的かがん保険です。以下のような保障が主契約に組み込まれています。

  • 診断一時金
  • 入院給付金
  • 手術給付金
  • 外来治療給付金

診断一時金は、2回目以降、再発のときも「診断確定」で一時金が出ます。他社より支払条件は広いです。

手術給付金は、対象となる手術が具体的に指定されており、将来に不安があります。

外来治療給付金は、通院の保障です。一部の支払条件に治療法の指定はあるものの、全体としては柔軟生が高くて、将来の新しい治療法にも対処できそうです。

東京海上日動あんしん生命『がん支援保険NEO』

標準的のがん保険です。主契約の保障は、以下の通りスッキリとしています。

  • 入院給付金
  • 診断給付金

診断給付金は、回数無制限(ただし、2年に1回まで)の診断一時金です。

入院給付金も、診断給付金も、支払条件はゆるやかなので、主契約の経年劣化はほとんどないでしょう。

がん保険の検討・見直しは、保険の専門家を上手に活用しましょう。

がん保険自体は、わりと単純な仕組みです。しかし、検討し始めると、上で説明したように、長く続けるための入り方とか、がん保険以外のこととか、考えることはいろいろあります。

また、がんの治療の実態についても、ある程度知っておきたいです。

幅広く検討し、判断を下さなければなりません。迷ってしまいそうです。
迷うだけならまだしも、判断ミスをすると、ダメージは大きくなります。がん保険は、長く続ける可能性が高い保険ですから。

保険の専門家の活用をお勧めします。その具体的な方法は、以下でご案内しています。

を、ご覧ください。

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

  • FP(ファイナンシャル・プランナー)は、保険を含む、資産・家計・税務知識の公的資格保有者。
  • 保険商品知識中心の保険外交員、保険ショップ店員とは一味違います。
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