医療保険を検討するときに、必要十分な保障を、割安な保険料で準備するためのポイントを、説明します。

医療保険は、入院費用の保障を中心とした保険です。

そして、『病気・ケガのときに必要となるお金』でご説明したように、入院費用は、わたしたちが自己負担する医療費の一部に過ぎません。

ですから、預貯金等と医療保険をバランスよく組み合わせて、効率よく準備する必要があります。

そのために、知っておいていただきたいポイントを、整理しました。

このページでは、以下のことを、ご説明・ご案内しています。

また、以下のテーマは、それぞれのページで採り上げています。

個々の医療保険を検討する前の時点に、医療保険の保障期間保険料払込期間を決めましょう。

医療保険では、2つの期間を決める必要があります。

  • 保障を受ける期間(終身か定期か)
  • 保険料を払い込む期間(終身か有期か)

この組み合わせ方が、4通りあります。

保障も、保険料払込も、一生涯

保障も保険料払込も、終身(亡くなるまで)にわたって続くタイプです。

終身保障・終身払い

1回あたりの保険料は安くなります。ただし、老後になっても、保険料の払込は続きます。

保障は一生涯、保険料払込は一定期間

保障は、上と同じく、一生涯続きます。一方、保険料払込は、あらかじめは決められた期間(10年間とか、60歳までとか)で終ります。こういう保険料払い込み方法を、有期払込と呼ぶことがあります。

終身保障・有期払い

老後になる前に、保険料の払込が終わります。ただし、老後の分を先に払い込むので、1回あたりの保険料は高くなります。

保障も保険料払込も、一定期間だけ

保障も保険料払込も、あらかじめ決められた同一期間(10年間とか、60歳までとか)に限られるタイプです。定期型、定期タイプなどと呼ばれます。

定期保障・有期払い

保障の期間が短ければ短いほど、保険料は安くなります。

ただし、保障期間終了後に、新たに加入するときは、そのときの年齢で保険料が決まるので、値上がりします。また、健康状態などに問題があると、新たに加入できない危険があります。

だから、生涯の医療保障が欲しいなら、このタイプではなく、終身保障の医療保険を選びましょう。

保障も保険料払込も一定期間だけど、自動更新する

保障も保険料払込も、あらかじめ決められた同一期間(10年間とか、15年までとか)だけど、自動的に更新されるタイプです

定期保障・自動更新

たとえば、10年定期の医療保険に加入すると、10年後に満期が来ます。そのときに、こちらが拒否しなければ、同じ保障をさらに10年間続けることになります。これを、自動更新といいます。

無限に自動更新できるわけではありません。80歳まで、90歳まで、というように、更新の限度が決まっています。

自動更新では、健康状態の審査など、加入するときの面倒な手続きはありません。ただし、更新のときの年齢で、保険料が再計算されて、値上がりします。

そして、年齢が高くなるにつれて、更新での保険料の上がり方は大きくなります。

メディケア生命『メディフィット医療定期保険』の例をご覧いただきます。30歳の男性が、入院給付金日額10,000円で加入し、10年ごとに更新するときの、月々の負担額です。

年齢 保険料
30歳 1,780円
40歳 2,280円
50歳 3,780円
60歳 6,240円
70歳 10,710円

40歳の更新のときは、さほど高くなったと感じないかもしれまん。しかし、後になるほど、上がり方が激しくなります。

平均寿命で亡くなるとしたら、終身保障・有期払込タイプが、保険料累計額は最も低くなります。

上で、4つのタイプを説明しました。

4つとも保障内容に違いはなく、保障と保険料払込の期間が違いました。それぞれの長所・短所を、例をあげながら確認します。

平均寿命まで医療保険を続けたときの、保険料累計を比較

2015年の、日本人の女性の平均寿命は86.99歳でした。そこで、87歳まで医療保険を続けるとして、どのタイプの医療保険が、もっとも割安かを調べました。

住友生命の100%関連会社、メディケア生命の医療保険をモデルにして、保険料を比較します。
保障内容はシンプルに、入院給付金日額を10,000円として、特約は付加しません。

終身保障・終身払込タイプ

保障も保険料の払込も一生涯(ここでは87歳まで)続くタイプです。

終身保障・終身払い

このタイプは、保障期間=保険料払込期間の長さに、保険料累計が比例します。

加入
年齢
月々の
保険料
保険料累計
30歳 2,560円 1,751,040円
40歳 3,130円 1,765,320円
50歳 4,290円 1,904,760円

早く加入する方が、月々の保険料も、保険料累計も、安くなっています。

終身保障・有期払込タイプ

保障は一生涯、保険料払込期間は期間が決められているタイプです。

終身保障・有期払い

ここでは、60歳まで保険料を払い込むとして、見積もりしました。

加入
年齢
月々の
保険料
保険料累計
30歳 3,960円 1,425,600円
40歳 6,270円 1,504,800円
50歳 14,020円 1,682,400円

上の終身保障・終身払込タイプと比べると、月々の保険料は高くなっていますが、保険料累計は、有期払込タイプの方が20~30万円も安くなりました。

定期保障・自動更新タイプは、87歳までカバーできない

保障期間はあらかじめ決められているけれど、自動的に更新できるタイプです。

定期保障・自動更新

メディケア生命の医療保険メディフィット・シリーズの定期タイプは、10年満期です。そして、満期が来るたびに10年ずつ更新して、最長80歳まで延長できます。

つまり、平均寿命の87歳までの保障を準備できません。

参考でに、40歳に加入して、80歳まで続けたときの保険料は下表のようになります。

保障期間 月々の
保険料
40~50歳 2,170円
50~60歳 3,670円
60~70歳 6,130円
70~80歳 10,600円
保険料累計 2,708,400円

40代、50代の保険料は、上でご覧いただいた終身保障の医療保険より、ずいぶん安いです。

しかし、10年ごとに保険料が上がるので、80歳までの保険料累計は、約270万円になりました。終身保障・有期払込タイプと比べると、100万円以上も高くなりました。

長く続けるつもりの保険なら、終身保障タイプの方が、大幅に割安です。

終身保障で、終身払込か有期払込かは、月々の保険料負担や、将来の見通しによって、使い分けましょう。

医療保険を一生涯続けるつもりなら、有期払込がお勧めです。

月々の保険料は他のタイプより高くなるものの、保険料累計は安くなりますし、老後に保険料を払い込む必要が無くなります。

月々の保険料によっては、終身払込を選ぶことも

しかし、現実的に、終身払込を選ぶことは、少なくありません。

たとえば、40代以降に医療保険に加入するとなると、有期払込は、月々の保険料が大きくなります。
上の保険料比較のから、有期払込と終身払込の、月々の保険料をあらためてご覧いただきます。

加入
年齢
有期払込 終身払込
30歳 3,960円 2,560円
40歳 6,270円 3,130円
50歳 14,020円 4,290円

有期払込の方が、かなり高いですし、年齢が高くなるにつれて、その差は大きく広がります。

有期払込にこだわって、負担できるところまで保障を小さくする(たとえば入院給付金日額を下げるとか)くらいなら、終身払込を選んだ方が、賢い選択かもしれません。

医療保険を、いつまで続けるかわからないときは、終身払込

医療保険は、基本的には入院保険です。そして、入院する危険性は、高齢になってから急速に高くなります。

図は、それぞれの年齢層に占める、入院患者の割合を表しています。厚生労働省『医療保険に関する基礎資料』(平成26年)をもとに作成しました。

年齢層別の入院患者の割合

このグラフからわかるように、50代後半くらいから、入院患者の割合が急速に高まっています。
こういう実態を見ると、解約は慎重に判断したいです。

とは言え、加入時点で、いつまで続けるかわからない、というケースは、いろいろとありそうです。
たとえば、加入の理由が、妊娠・出産への不安だとか。あるいは、知り合いの保険の営業職員に頼まれて、渋々加入するとか・・・

理由はともあれ、先々に解約する可能性がけっこうあるときは、有期払込の方が損になるかもしれません。

たとえば、30歳の女性が医療保険に加入して、その後解約すると仮定して、それまでに払い込む保険料累計を、有期払込と終身払込で、比較します。入院給付金日額など、見積もり条件は、上と同じです。

解約する
年齢
有期払込
保険料累計
終身払込
保険料累計
50歳 950,400円 614,400円
60歳 1,425,600円 921,600円
70歳 1,425,600円 1,228,800円
76歳 1,425,600円 1,413,120円
77歳 1,425,600円 1,443,840円

有期払込は、60歳まで払い込むものとして計算したので、60歳以降の保険料累計は、同じ金額です。

上表では、76歳までに解約したら、終身払込の方が、保険料累計は少なくなっています。

平均寿命くらいまで続けるなら、有期払込の方が安上がりでしたが、77歳より前の時点で止めるとしたら、逆の結果になりました。

よって、いつまで続けるかわからないまま、医療保険に加入するときは、とりあえず終身払込にする方が、安全そうです。

医療保険を正しく選ぶには、いくつもの専門知識が必要です。保険の専門家を活用して、適切な判断を!

このページでは、保障期間と保険料払込期間について説明しましたが、これだけでもいろいろと選択肢があって、迷いそうです。

しかし、ここでとり上げたことは、医療保険に加入するときに、しなければならない判断の一つでしかありません。

他にも、健康保険の制度内容(特に、高額療養費制度の取り扱い)、入院治療の実態(入院の費用とか期間とか)、老後の生活設計など、いろんな知識が必要になります。もちろん、医療保険の商品知識も欲しいです。

医療保険は、いったん加入すると、十数年、あるいは数十年継続するかもしれません。加入のときに判断を誤ると、取り返しがつかなくなります。

そこで、保険や家計の専門家の活用をお勧めします。専門家に一つ一つ確認しながら、まちがいの無い選択をしましょう。

しかし、どうすればそんな専門家に相談できるのでしょうか!?

意外と簡単に、しかも無料で、家計の専門家に相談する方法があります。
詳しいことは

を、ご覧ください。

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

  • FP(ファイナンシャル・プランナー)は、保険を含む、資産・家計・税務知識の公的資格保有者。
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