他の保険の医療特約ではなく、単体の医療保険に加入しましょう。医療の特約は、先々後悔する危険があります。

一般的な世帯で必要とされそうな保険を一つの商品にまとめた、パッケージ型の保険が、いろんな保険会社から販売されています。

そういう商品の仕組み図は、たいてい下の図のように、たくさんの長方形が縦に並んでいます。

日本生命「みらいのカタチ」の仕組み図

たいていのパッケージ型商品は、核となる主契約と、加入者の希望で付加できる特約からできています。
そして、医療特約をとてもよく見かけます。医療関係の保険は人気なので・・・

保険は、目的別に単体の商品に入るのが基本

パッケージ型の保険商品は、必要な保険がセットになっているので、加入するときは便利に見えます。

しかし、それぞれ目的が異なる保険を、一つの商品として持っていると、ゆくゆく不都合を招くことがあります。
というのは、パッケージ型の商品にはいろいろと制約があるからです。

どんな制約があるかは、商品によって異なりますが、よくある例をいくつかお示しします。

  • 医療特約を残して、その他の保障を止めることはできない。
  • 死亡保険などの主契約を解約すると、医療特約などの特約も消滅する。
  • パッケージ商品としての最低保険料(これ以上安くできないという金額)が決められていて、保障内容を希望通りに変更できない。
  • 医療特約が更新型になっていて、保険料がだんだん値上がりする上に、ある年齢になると消滅する。

特に、医療の保険は、一生使う可能性が高いです。将来、現時点では思いもよらないような、変更を加えたくなるかもしれません。

単体の医療保険に入っていたら、当然にできることが、医療特約であるために制限を受ける危険があります。

目的が異なる保険は、それぞれ単体の商品に加入するのが、原則です。

特に、医療保障は、他の保険の特約にされやすいので、要注意です。

医療保険は、できるだけ早く加入するのがおトクです。そして、別の商品に入り直すのは、できるだけ避けましょう。

健康に不安を感じ始めてから医療保険を検討するのは、危険です。

まず第一に、そう感じ始めた時点で、もう健康体ではないかもしれません。
健康状態に問題があると、最悪、保険会社から断られます。断られなくても、保険料が割り増しされる恐れがあります。

第二に、健康に不安を感じ始めるということは、それなりの年齢になっている可能性があります。
医療保険は、加入する年齢が高くなるほど、保険料の面で損になります

医療保険は、加入する年齢が高くなるほど損

アフラックの医療保険『ちゃんと応える医療保険EVER』を例に、年齢別の保険料をご覧ください。

高齢になるほど、月々の保険料も、保険料累計も増加

入院給付金10,000円と手術給付金だけの、シンプルな保障プランで、男性が終身保障・終身払込にしたときの、月々の保険料と、平均寿命(81歳)までの保険料累計です。

年齢 月々 保険料累計
30歳 2,850円 1,744,200円
40歳 3,760円 1,849,920円
50歳 5,650円 2,101,800円
60歳 8,720円 2,197,440円

加入年齢が若いほうが、保険料が安いことは、想像できると思います。
それだけでなく、生涯に払う保険料累計も、早く加入する方が安くなっています。

特に、40歳と50歳の保険料累計の差は大きいです。

早く加入すると、保障の期間は長くて、保険料は安くなるのですね!

女性は妊娠・出産しやすい年代でやや割高になる

上と同じ条件で、性別のみ女性に変えて、保険料を見積もりました。平均寿命は87歳で計算しています。

早く加入する方が、月々の保険料も、保険料累計も安くなる、という全体的な傾向は男性と同じです。
しかし、下表の30歳の保険料累計をご覧いただくと、35歳や40歳の累計より大きくなっています(赤い数字)。

年齢 月々 保険料累計
30歳 2,840円 1,942,560円
35歳 3,040円 1,896,960円
40歳 3,390円 1,911,960円
50歳 4,980円 2,211,120円
60歳 7,430円 2,407,320円

女性は、男性と違って、妊娠・出産しやすい年代があります。その時期は、何らかの病気になるリスクが高まります。

上の表で、30歳と35歳を見比べると、月々の保険料は30歳のほうが安くなっています。一方、保険料累計は30歳のほうが高額です。
30歳の保険料に、妊娠・出産によるリスクの分が、少しばかり上乗せされているようです。

ただし、今30歳の人が、医療保険への加入を35歳まで待つことは、お勧めできません。
待っている5年間に、何も起こらない保証はありません。少なくとも、保険会社は、少しリスクが高まる年頃と判断していますから・・・

いったん医療保険に加入したら、他の医療保険に極力入り直さない

上のように、医療保険は、早く加入する方がおトクです。

ということは、いったん医療保険に加入して、その後新しい医療保険に入り直すと、保険料の面では損になります。
月々の保険料も、生涯の保険料累計も大きくなります。

医療保険は、人気のある保険分野なので、保険各社は頻繁に商品を改定したり、新商品を投入します。
とは言え、何としても新商品に乗り換えたくなるような、革新的な改定は滅多にありません。冷静に判断してください。

そして、ぜひとも欲しい新しい保険が登場したら、今の保険をできるだけ残して、新機能だけの商品に新たに加入することを、検討してください。

医療保険では、保障の重複に注意が必要です。類似した保障内容の保険が、いくつもあります。

病気・ケガの治療のための保険は、生命保険会社、損害保険会社などの保険会社以外も扱っていて、いつのまにか重複して加入してしまう危険があります。

保険の重複

このタイプの保険はほとんど掛け捨て保険です。掛け捨て保険は、保険を使わなければ(治療して、保険金や給付金を受け取らなければ)、支払った保険料はもどってきません。掛け捨ての保険での保障の重複は、保険料を捨てるようなものです。

医療保険と生命保険の医療特約

迷わず、生命保険の医療特約を切り捨てて、医療保険を選んでください。
医療保険では、医療保障が主契約です。

医療特約の危険性は、上でご説明したとおりです。

医療保険がん保険

がん保険は、実際のがんの治療を踏まえて設計されています。医療保険では物足りないところまで、行き届いています。

しかし、その一方で、ほとんどの医療保険は、がんの治療までカバーしています。細かいところまでは行き届かないとしても、がんによる入院治療のかなりの部分を保障してくれます。

考えてみれば当然のことです。がんは、日本人の半分がかかり、死因の三分の一を占める国民病です。この国民病をカバーできていなければ、医療保険を名乗る資格はありません。

ただし、医療保険は入院治療の保障が中心です。ところが、がんの三大治療のうちの2つ、放射線治療と抗がん剤治療は、しばしば通院でおこなわれます。そういうところを保険で保障したければ、がん保険の出番になります。

というわけで、医療保険とがん保険の両方に加入する判断は十分にありえます。
ただし、両方を組み合わせるときは、それぞれの長所を活かし短所をつぶすように、心がけてください。

基本の考え方としては、入院治療の費用は医療保険で、入院治療以外に回す資金をがん保険で準備する、ということになります。

医療保険自動車保険

現在出回っている自動車保険の半分以上には、人身傷害保険(人身傷害補償保険)が標準で付いています。標準で付いているということは、取り外せません。

この人身傷害保険(人身傷害補償保険)は、自動車事故による損害を幅広く補償してくれます。その補償範囲の中には、ケガの治療費(入院を含む)、死んだり障害状態になったときの保険金も含まれています。
まともに医療保険と重複します。

こと自動車事故による死傷に限ると、医療保険より、人身傷害保険(人身傷害補償保険)の方が強力です。医療保険は入院費用中心ですが、人身傷害保険(人身傷害補償保険)は、入院の有無にこだわらず、損害を実費で補償してくれます。
とは言え、自動車保険の一環なので、交通事故以外では役に立ちません。

車によく乗る人は、ある程度の重複を承知の上で、医療保険と人身傷害保険(人身傷害補償保険)の両方に入る選択はありうるかもしれません。
しかし、ときどき車に乗るくらいで、安全運転を心がけているなら、重複を避ける意味で、人身傷害保険(人身傷害補償保険)が標準装備されていない自動車保険を探してください。
そのほうが、自動車保険の保険料は安くなりますし。

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

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