女性専用医療保険より、男女共通の医療保険で、手厚い保障にする方が、実用的です。

多くの保険会社が、女性専用の医療保険を販売しています。あるいは、男女共通の医療保険に、女性疾病特約を用意しています。

それらのほとんどは、"女性特有の病気"のときに入院給付金を増額する、という仕組みをとっています。
そして、男女共通の商品より、保険料がやや高くなっています。

こうした女性専用の医療保障を調べると、その大半は、医療の実態にあっていないようです。このサイトでは、男女共通の医療保険で、将来に備えることをお勧めします。

男性より女性の方が、将来に向けて、入院費用を準備する必要性は大きいです。統計をもとに、実際のところを確認しました。

男性専用の医療保険を見かけないのに、女性専用の医療保険が数多く販売されています。

それには、ちゃんとした理由があります。

女性は、男性より、生涯の医療費が大きくなりやすい

通院よりも、入院の方が、短期間にまとまった出費になりやすいです。
そして、統計によると、女性の方が、男性より入院費用がかかりやすいです。

厚生労働省『患者調査』(平成26年)から、男女別の、入院患者数と入院期間を、引用します。

入院患者数 入院期間
女性 715,100人 33.9日
男性 603,800人 29.8日

入院患者数は女性の方が多く、入院期間も女性の方が長いです。ということは、もちろん入院費用も、女性の方がかかるはずです。

女性の方が長命

女性の方が、将来の医療費がかかりやすいことの、もっとも大きな理由は、女性の方が長命であることでしょう。

厚生労働省の調査によると、2016年の男女の平均寿命は以下のようになりました。

  • 女性 ・・・ 87.14歳
  • 男性 ・・・ 80.98歳

女性の方が、平均で6年以上長生きします。その分、医療費がかかるのは、当然のことでしょう。

女性専用医療保険や、医療保険の女性疾病特約は、恐ろしい病気・ケガの多くをカバーできていません。安心からはほど遠いです。

女性がかかりやすくて、かつ警戒が必要な病気を調べました。

全国で患者数が1000人以上いて、女性の入院患者数が、男性の入院患者数の1.5倍以上である病気を、厚生労働省『患者調査』(平成26年)から抜き出しました。
そして、入院日数の長い順序に並べました。

  • 認知症(439.7日)
  • アルツハイマー病(300.8日)
  • パーキンソン病(168.1日)
  • くも膜下出血(140.5日)
  • 気分[感情]障害(113.3日)
  • 高血圧性疾患(80.5日)
  • 神経症性障害等(44.8日)
  • 骨折(43.4日)
  • 腰痛症及び坐骨神経痛(40.7日)
  • 骨の密度及び構造の障害(39.7日)
  • 肝硬変(38.6日)
  • 関節症(33.4日)
  • 貧血(23.2日)
  • 炎症性多発性関節障害(23日)
  • 糸球体疾患など(18.3日)
  • 子宮がん(13.7日)
  • 乳がん(12.5日)
  • 乳房及び女性生殖器の疾患(5.5日)
  • 白内障(3.9日)

健康保険などの高額療養費制度を使うと、1ヵ月あたりの医療費自己負担は、収入によって決まる限度額を超えません。
だから、高額な治療(ただし保険が適用される治療)でも、入院期間が短ければ、自己負担は意外と軽くなります。

つまり、わたしたちにとって、治療費が心配されるのは、入院が長引きがちな病気・ケガです。

女性専用の医療保障は、あまり頼りにならない

それでは、女性専用の医療保険や医療保険の女性疾病特約など、女性のための保障は、上で名前をあげた病気に、どのくらい対応しているのでしょうか?

代表として、アフラック、オリックス生命、日本生命の対応状況を下表にまとめました。この表も、入院日数の長い順に並べています。

保障される病気・ケガには〇印を記入しています。空欄は対象外です。

病名 アフラック オリックス
生命
日本生命
認知症
アルツハイマー病
パーキンソン病
くも膜下出血
気分[感情]障害
高血圧性疾患
神経症性障害等
骨折
腰痛症及び坐骨神経痛
骨の密度及び構造の障害
肝硬変
関節症
貧血
炎症性多発性関節障害
糸球体疾患など
子宮がん
乳がん
乳房及び女性生殖器の疾患
白内障

3社で、違いはあるものの、〇印は、表の下部、つまり、入院期間の短い病気に集中しています。

ちなみに、この統計では、すべての病気・ケガの平均入院日数は31.9日です。上表の〇印の病気は、すべてこれより短いです。

この表を見る限り、3社の女性専用医療保険や特約は

恐ろしい病気・ケガを放置し、それらより軽めの病気の保障を強化している

ということになります。

もちろん、〇印の病気だって、甘く見てはいけません。女性専用の保障がムダ、無意味と言うつもりはありません。
しかし、安心からはほど遠いです。

女性にお勧めしたい、医療保険を選ぶときの、検討の進め方と、重視したいポイントは、こちらです。

上の、女性が警戒したい病気を見る限り、女性特有の病気とは限りません。むしろ、そうでない病気の方が多いです。

ということは、医療保険を選ぶにあたって、特定の病気を重視するより、できるだけ幅広く保障に厚みを持たせたいです。

具体的には、次のような考え方で検討するのが、良さそうです。

  1. 男女共通の医療保険の加入を検討する。
  2. 標準の保障を確保して、まだ保険料を負担できるなら、入院給付金日額の増額を検討する。
  3. もっと保険料を負担できるなら、入院給付金の日数制限を延長する。
  4. 入院一時金、手術給付金など、支払い条件の広い特約を充実させる。

以下で、補足説明します。

まずは、あらゆる病気・ケガに、幅広く対応

もしかしたら、医療保険を検討するにあたって、気になる病気があるかもしれません。友だちが乳がんになったとか、血縁者に糖尿病が多いとか・・・

しかし、一生涯の保障として考えるなら、まずは、あらゆる病気・ケガに、幅広く対応できる保障を考えましょう。

そのためには、男女共通の医療保険で、主契約(必須の保障)にかたよりのない商品を選別します。

標準の保障内容で見積もりした結果、もっと保険料を負担できそうなら、以下のことをご検討下さい。

  • 入院給付金日額を大きくする(5,000円⇒10,000円など)。
  • 1入院あたりの、保障の日数制限を延長する(60日まで⇒120日までなど)
  • 手術給付金が厚い商品を選ぶ。または、入院一時金特約を付加する。

一番上の、入院給付金日額の増額が

もっともお勧めです。ただし、保険料の上がり方も、もっとも大きくなります。
1,000円刻みで指定できるとか、最高15,000円まで指定できるとか、商品によって異なります。

二番目の、保障の日数制限を延長は

保険料の増え方がもっとも緩(ゆる)やかです。
ただし、入院日数の全国平均は、年々短くなっています。ムダに終わる可能性は、他の2つより高いです。

手術給付金は

ほとんどの医療保険で、主契約に組み込まれています。病名に関係なく、手術を受けたら、一時金が出ます。入院しなくても、お金は出ます。

入院一時金特約は

原因の病気・ケガに関係なく、入院したら、一時金が出る特約です。今のところ、一部の商品で提供されている特約ですが、広がりを見せています。

2017年9月現在で、入院一時金がある商品は、以下の通りです。大半は特約ですが、主契約に組み込まれているものもあります。

  • 朝日生命 入院一時金(医療費充当給付金)
  • アフラック 入院一時金特約
  • FWD富士生命『医療ベスト・ゴールド』
  • チューリッヒ保険 入院一時金特約
  • ネオファースト生命 入院一時給付特約
  • メディケア生命 入院一時給付特約
  • 第一生命 入院一時給付金
  • 住友生命 入院保障充実特約

FWD富士生命『医療ベスト・ゴールド』は、主契約が入院一時金という、ユニークな医療保険です。

検討にあたって、候補に加えてほしい医療保険を、いくつかご案内します。

この医療保険がベスト、というような飛び抜けた商品はありません。ただし、あらかじめ候補から外しておきたい商品は、何パターンかあります。

候補から外しておきたい医療保険

次のものが当てはまります。

  • 国内大手生保(日本生命、明治安田生命、第一生命、住友生命など)の医療保険。
  • 主契約で、特定の疾病に手厚い医療保険。
  • 女性専用の医療保険。

国内大手生保を外す理由は

単純に保険料が高いからです。
国内大手生保は、自社の従業員である営業職員が販売を担当しています。そして、全国に販売拠点を設けています。
そうしたコストが保険料に反映されるため、どうしても割高になります。

主契約で、特定の疾病に手厚い医療保険

は、特定の病気にかたよらないで、幅広く保障を準備していたい、という考え方に合いません。主契約の中身は、加入者の希望では変更できません。

候補に加えていただきたい医療保険

上の条件に当てはまるものを除外すれば、後は、見積もりをしっかり比較して選んでいただければ、大きく失敗する恐れはありません。

が、保険料がお手頃で、保障プランの自由度が高い商品を、いくつか紹介します。

朝日生命
スマイルメディカルNEXT α
手術給付金が厚い上に、入院一時金が主契約に組み込まれています。そして、入院一時金は20万円まで指定できます。これだけでも、それなりに頼れます。
アフラック
ちゃんと応える医療保険EVER
主契約で、5日未満の短期入院に手厚くしています。そのわりに保険料は高くありません。長期入院に強い特約も用意されています。
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命
新・健康のお守り
保障の品ぞろえは標準的ですが、とても多機能で、保障プランの自由度も高いです。他社商品より、一段きめ細かく保障内容を決められます。
チューリッヒ生命
終身医療保険プレミアムDX
就業不能時の保障や、ストレス性疾病の保障など、他社に先んじて力を入れており、一味違う医療保険です。ただし、1入院30日まで保障のプランには要注意。
東京海上日動あんしん生命
メディカルキットNEO
仕事をしている人にとって役立つ機能が充実しています。ただし、保険料の安いシンプルなプランも可能で、柔軟性にすぐれています。
ネオファースト生命
ネオdeいりょう
入院一時金は20万円まで指定できます。非喫煙者は、保険料が安くなります。知名度は低いですが、第一生命の100%の系列会社です。
メディケア生命
メディフィットA
シンプルで割安なプランから、充実保障のプランまで、保障設計の自由度が高いです。住友生命の100%の系列会社です。

医療保険の検討・見直しは、保険の専門家を上手に活用しましょう。

医療保険は、原則として掛け捨ての保険です。掛け捨て保険は、保険を使わなければ、その分の保険料はもどってきません。

それだけに、ムダな保障や必要性の低い保障に保険料を払うのは、お金を捨てるのに近い行為です。
しっかりと検討して、保障内容を決めたいです。

適切に判断するためには、病気の実際(女性が注意すべき病気・ケガなど)を、ある程度は知っておきたいです。
また、健康保険や高額療養費制度など、公的な制度の知識も、欠かせません。
生保各社の商品を比較するには、商品知識もそれなりに必要になります。

一般の消費者にとっては、やや荷が重いかもしれません。医療保険は、長く続ける可能性が高いので、判断ミスは怖いです。

そこで、保険の専門家の活用をお勧めします。その具体的な方法は、以下でご案内しています。

を、ご覧ください。

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

  • FP(ファイナンシャル・プランナー)は、保険を含む、資産・家計・税務知識の公的資格保有者。
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