掛け捨て保険と積立保険の仕組み、メリット・デメリット、注意点を、ご説明します。

このページでは、以下のことを、ご説明・ご案内しています。

保険は、掛け捨て保険と積立保険に分けられます。保険の種類によって、どちらであるかが、ほぼ決まります。

生命保険にはいろいろな分類のやり方があります。
その一つが、掛け捨て保険積立保険かという分け方です。

掛け捨て保険の特徴

掛け捨て保険の、主な特徴は、以下の2つです。

  • 保険を使わなければ、お金はもどってこない。
  • 途中で解約したら、戻ってくるお金がないか、少しだけ戻る(それまでに払った保険料より、はるかに少ない)。
  • 保険料は、積立保険より、大幅に安い。

積立保険の特徴

積立保険の特徴は、この正反対です。念のために箇条書きします。

  • いつかは必ず、金を受け取ることができる。
  • 途中で解約したら、ある程度まとまった金額がもどる。ときには、増えてもどる。
  • 保険料は、掛け捨て保険より、かなり高い。

保険の種類によって、掛け捨て保険か、積立保険かは、ある程度決まります。

生命保険には、死亡保険、医療保険、がん保険、学資保険、個人年金保険・・・など、いろんな種類があります。

それぞれの種類に、掛け捨て型と積立型の両方が提供されている、というわけではありません。
保険の種類によって、掛け捨て型か積立型かが、ある程度決まります。

掛け捨て保険になりやすい保険種類

以下の種類の保険商品は、特に断り書きが無ければ、掛け捨て保険です。

  • 医療保険
  • がん保険
  • 定期保険
  • 収入保障保険

これらに当てはまる保険商品でも、何年か毎に自動的にお金がもらえたり、満期にお金がもらえる特約が提供されていることがあります。

その特約だけなら、積立保険です。しかし、保険商品の本体(主契約)は、掛け捨てのままです。積立型に変化するわけではありません。

積立型になりやすい保険種類

以下の種類の保険商品は、特に断り書きが無ければ、積立保険です。

  • 終身保険
  • 個人年金保険
  • 学資保険
  • 養老保険
  • 生存給付金特約(健康祝金、満期祝金など)

この中で、終身保険は、他とタイプが異なります。
他の4つは、生きているうちに、お金を受け取ることが、本来の目的である保険種類です。

終身保険の、独特の性質

終身保険は、本来は死亡保険(保険契約の被保険者が亡くなったら、保険金をもらえる保険)です。

ただし、保険会社からすると、いつかは必ず死亡保険金を払わなければなりません。そのための準備のお金を、保険会社の中で、貯めています。

そのため、ある程度長く続けた終身保険を確約すると、保険会社に貯まっていた準備のお金が、解約返戻金としてもどってきます。
この仕組みのために、終身保険は、積立保険に分類されます。

ただ、もともと死亡保険なので、もどってくる解約返戻金が、払い込んだ保険料累計より増えているとは限りません。

終身保険を貯蓄として検討するなら、検討対象は低解約返戻金型終身保険になります。
低解約返戻金型終身保険は、貯蓄性が強化された終身保険です。

保険料払込期間より後に解約すると、保険料総額より、増えてお金がもどってきます。

掛け捨て保険の保険料は、損得にこだわるより、安心のための経費と、割り切りましょう。

掛け捨ての部分に注目すると、保険は損に見えるかもしれません。しかし、この仕組みだからこその、大きなメリットがあります。

掛け捨てが、保険本来の姿

保険は、同じ不安を持つ不特定多数の人たちが、少しずつお金(保険料)を出し合って、大きな不安に準備する、という仕組みです。

お金を出した人たちのうち、不安が現実になのはごく一部です。みんなが出し合ったお金が、保険金として、不安が現実化した人たちに配分されます。

保険の仕組み(イメージ図)

不安が現実にならなかった人たちにとっては、保険料は掛け捨てになってしまいます。しかし、大きな不安を軽減することはできました。
そういう人たちにとって、保険料は、安心して生活するための、必要経費だった、ということになります。

保険会社は、こうした仕組みを運営する、幹事とか事務局のような立場です。

保険だからできること、保険にしかできないこと

生命保険であれ、自動車保険であれ、火災保険であれ、健康保険であれ、保険はこのような仕組みになっています。

個人個人が、自分の財産を増やすために積み立てる、預貯金や投資とは、もともとの発想が違っています。

保険だったら、加入した直後から、死んだら3,000万円とか、入院1日あたり1万円とかの、高額の保障を受けることができます。

預貯金だと、お金が貯まるまでにそれなりに期間がかかります。投資だと、元本割れの危険があります。
また、お金を借りたら、後で返済しなければなりません。

保険には、こうしたリスクはありません。

掛け捨ての保険料は、安心のための必要経費

保険の仕組みは、上で説明した通りなので、加入にあたって、損か得かにこだわりすぎると、結論が出なくなってしまいます。

保険を使わずに終わったら、損に思えます。不幸にも保険を使ったら、ありがたみを感じます。
将来、何が起こるかはわからないので、加入する時点で、損か得かを決定することはできません。

将来の不安(入院とか、障害とか、死亡とか・・・)について考えて、保険以外の方法で対策するのが難しいなら、掛け捨てがもったいなくても、どこかで割り切らなければなりません。
保険とは、そういうものだと思います。

ただし、必要のない掛け捨て保険に加入するのは、保険料をゴミ箱に捨てるのと、同じになってしまいます。くれぐれも、慎重にご検討下さい。

掛け捨て保険にするか、積立保険にするか、迷いやすいのが、死亡保険を選ぶときです。

多くの場合、加入する保険の種類で、掛け捨て型なのか積立型なのかは、自ずと決まります。

ただし、死亡保険(保険契約の被保険者が亡くなったら、保険金をもらえる保険)は、掛け捨て型と積立型の両方のタイプがあるので、迷いやすいです。

死亡保険には、掛け捨て型と積立型がある

死亡保険を、掛け捨て型か積立型かで分類すると、以下のように分かれます。

保険の種類
掛け捨て型
  • 定期保険
  • 収入保障保険
積立型 終身保険

掛け捨て保険を嫌う方は、終身保険に魅力を感じるかもしれません。しかし、終身保険には、大きな壁があります。保険料が高いことです。

終身保険は、保険料が高くなる

たとえば、終身保険で、1,000万円の死亡保険金を準備するとします。メットライフ生命の終身保険『つづけトク終身』で、保険料を見積もりました。

男性が、死亡保険金1,000万円で、60歳まで毎月保険料を払い込む、という条件で加入するときの、見積もりです。

加入の年齢 月々の保険料
30歳 31,065円
40歳 46,165円
50歳 90,430円

保険料の払込は60歳までで、保障は一生続きますから、ある程度高くなるのはしかたがないとしても・・・高い保険料です。

定期保険は、保険料は安いが、保障は期間限定

次に、掛け捨て型の代表として、定期保険で、1,000万円の死亡保険金を準備するときの、保険料を見積もりました。

メットライフ生命の定期保険『スーパー割引定期保険』に、男性が、死亡保険金1,000万円で、60歳まで毎月保険料を払い込む、という条件で加入するときの、見積もりです。

加入の年齢 月々の保険料
30歳 3,840円
40歳 4,920円
50歳 6,710円

定期保険は、保険料の払込が終わる60歳までしか保障がありません。だから、終身保険より安くなるのは当然です。
それでも、保険料の差は大きいです。

1,000万円の死亡保障の料金として見比べると、定期保険の保険料は、はるかに安いです。

終身保険と定期保険の組み合わせが現実的

保険料の払い損が発生しにくいのは終身保険です。しかし、必要な保障額のすべてを終身保険でカバーしようとすると、保険料の負担が過大になりやすいです。

いくら損をしにくくても、毎回の保険料を支払えなければ、、お話になりません。

そこで、現実的な解決策として、終身保険と定期保険の組み合わせることが、多いです。

必要な死亡保険金額は、世帯の状況に応じて、どんどん変化します。夫婦+子どもの一般的な世帯だと、だいたい下図のように移り変わります。

世界の必要保障額の推移

遺族のために残したい金額は、図のように、子どもの年齢や住居の状況に、大きく左右されます。

そこで、生涯必要となる保障を終身保険で確保し、期間限定で必要な保障を、定期保険のような掛け捨ての保険で確保するのが、一般的な考え方です。

終身保険と定期保険の組み合わせ

更新型の掛け捨て保険は、要注意

掛け捨ての保険は、保険料の安さが魅力です。
ただし、保障の期間が限定されています。そのため、当初の予定が狂って、保障される期間を変更したくなったら、困りそうです。

そんな心配に応えるために、更新型の掛け捨て保険が、あります。

更新型の保険のイメージ

たとえば、10年更新型だと、10年ごとに、保障を更新することができます。
書類の手続きだけで更新できて、お手軽です。

ただし、けっこう重大な注意点が2つあります。

  • 保険料は、更新のたびに、そのときの年齢で再設定される。
  • 更新は無制限ではない。最長〇〇歳まで、というような上限がある。

ちなみに、更新での保険料の上がり方は、けっこう激しいです。しかも、年齢が高くなるほど、激しさを増します。

更新型と全期型の保険料

たいていは、2回くらい更新すると、保険料が変わらないタイプの保険と同じような金額か、もっと高くなってしまいます。

長く続ける可能性が高いときは、保険料が変わらないタイプの保険を、お勧めします。

健康祝金のような、積立型の特約に、安易に飛びつくのは危険です。慎重に検討しましょう。

掛け捨て保険を嫌う人が多いのか、掛け捨て保険に、積立型の特約が用意されている例を、いくつも目にします。

たとえば、メットライフ生命の医療保険『フレキシィS』は、掛け捨て保険ですが、健康祝金特則を付加すると、5年ごとに10万円を受け取ることができます。

この健康祝金は、5年間に、継続10日以上の入院給付金を受け取らなかった人がもらえます。

入院しなければ、けっこうおトク

35歳の女性が、『フレキシィS』に加入したときの、保険料と、受け取る健康祝金を試算しました。
平均寿命の87歳まで、保険を継続するという想定(保険料払込も、健康祝金の受取も、87歳まで続ける)での見積もりです。

健康祝金の保険料月額 1,310円
健康祝金の保険料累計 817,440円
健康祝金の受取累計 100万円
年利回り 約0.91%

52年間に、合計して約82万円払い込んで、健康祝金を10回、合計100万円受け取ります。

年利回りは約0.91%で、定期預金のような安全性の高い預貯金に比べると、はるかに有利です。

10日以上の入院を2回すると、赤字になる

5年間の間に、10日以上の入院をして、保険からお金をもらうと、その5年分の健康祝金10万円は、もらえません。

上の例の場合、10日以上の入院を、5年超の間をあけて、2回すると、健康祝金の累計は、100万円から80万円に減ります。
80万円だと、保険料累計より少なくなって、赤字になります。

35歳から87歳までの52年間に、10日以上の入院をまったくしないとは考えにくいです。そもそも、そういう自信があるなら、医療保険は必要ありませんし・・・

つまり、一見有利に見える健康祝金特則も、入院回数によっては、損になる危険性があります。
損か得は、後になってみないと分からない・・・ということになりそうです。

積立型の特約を付けても、保険全体としては、掛け捨て

上では、健康祝金特則の収支をご覧いただきました。ついでに、この特則を含めた、医療保険全体としての、保険料累計もご覧いただきます。

上と同じ見積もり条件で、入院給付金日額10,000円のシンプルコースに加入したときの、見積金額です。下表の( )の金額は、健康祝金の保険料です。

医療保険の保険料 4,717円
(1,310円)
保険料累計 2,943,408円
(817,440円)
健康祝金の受取累計 最大100万円

健康祝金を満額受け取れるとしても、医療保険全体で見ると、保険料の方が、はるかに大きいです。

健康祝金のような、積立型の特約に、安易に飛びつくのは危険ですね・・・

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

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