ネット生保の魅力は保険料の安さですが、デメリットもあります。納得して選びましょう。

ネット生保とは、インターネットで通販している生命保険会社です。

ネット生保の2つのタイプ

ネット生保は、大きく2つのタイプに分かれます。

  1. ネット通販のみで、保険商品を販売している。
  2. ネット通販の商品と、対面販売の商品の両方を販売している。

1のタイプの生命保険会社で、名前が知れているのは、次の会社です。

  • アクサダイレクト生命
  • ライフネット生命

もう一方の、ネット通販と対面販売の両方を取り扱っている生命保険会社は多いです。

1つの商品で、ネット通販できる保障プランと、対面でなければ販売できないプランが用意されていることもあります。

ネット生保の特徴

ネット生保の一般的な特徴をあげます。

  1. 保険料が安い。
  2. 商品の仕組みがシンプルで分かりやすい。逆に言うと、品ぞろえや機能は少ない。
  3. あらゆる手続きが、インターネットで完結する。逆に言うと、対面でのサービスを受けられない。
  4. 歴史が浅く、規模の小さい会社が多い。

1番目の〈保険料の安さ〉は、ネット生保の強みです。

2番目3番目は、メリットとデメリットの両面があります。どう感じるかは、人によります。

4番目は、実績が足りないという意味では弱みになります。ただし、その会社自体は若い会社でも、バックに大きな会社が付いていることもあります。

これらの点について、以下で詳しく説明しています。

ネット生保は販売のコストを抑えられるので、その分、保険料を安くできます。特に、ネット通販専業の会社は有利です。

日本生命や明治安田生命や第一生命のような伝統的な生保は、全国に販売拠点を設けて、そこに所属する従業員(セールテレディー)が商品を販売しています。

こうした販売体制を維持するには、けっこうなコストがかかります。それだけ、保険料が高くなります。

販売コストが低いので、保険料を下げられる

保険の自由化を機に、2000年前後に設立されたカタカナ生保・損保系生保は、自社で販売網を作るのではなく、保険ショップや金融機関などと代理店契約を結び、販売を委託しています。

保険ショップや金融機関は、複数の保険会社と代理店契約を結ぶので、保険会社1社あたりの販売コストを、低く抑えることができます。

一方、ネット通販専用商品は、ウェブサイトを通しての直接販売です。代理店に支払う販売手数料がかからないので、さらに保険料を安くできます。

ということは、販路をネット通販に絞っている生命保険会社が、もっとも保険料を安くできることになります。

実際、ネット販売専門の生命保険会社の保険料は、業界の中でも屈指の安さです。

ネット生保は安いけれど、もっとも安いとき限らない

ただし、いろいろ見積もりをすると、ネット通販専門の保険会社の商品が、もっとも安いとは限らないようです。

生命保険商品の中でも、もっともシンプルな定期保険の保険料例をご覧いただきます。

30歳の女性が、死亡保険金1,000万円、60歳までの保険期間・保険料払込という設定で、各社の定期保険に入ったときの、月々の保険料を、下表にまとめました。

オリックス生命は、ネット通販専用と対面販売用の、2商品を提供しています。また、メットライフ生命の定期保険は、加入者の喫煙有無や健康状態で、保険料が変動します。

保険会社 月々の保険料 備考
アクサダイレクト 1,490円 ネット専売生保
オリックス生命
「ブリッジ」
1,397円 ネット通販商品
オリックス生命
「ファインセーブ」
2,050円 対面販売商品
メットライフ生命
〈非喫煙優良体〉
1,380円 同上
メットライフ生命
〈非喫煙標準体〉
1,620円 同上
日本生命 初めの15年間2,240円、
その後3,810円
同上

全国に自社の販売拠点を抱える日本生命の保険料は、やはり高いです。保険期間の後半で保険料が値上がりする仕組みですが、前半の段階で、すでに最高値です。

もっとも安くなったのは、対面販売のメットライフ生命でした。ただし、この値段で加入するには、同社の非喫煙優良体の基準を、クリアしなければなりませんが・・・

ネット販売専門のアクサダイレクト生命は、けっこう安いものの、上表では3位の安さにとどまっています。他のカタカナ生保・損保系生保と混線状態です。

保険料の安さを重視するなら、伝統的な生命保険会社は外せそうです。しかし、そこから先は、実際に見積もりをとって、比較しながら検討を進める方が安全です。

ネット生保の商品はシンプルで分かりやすいです。逆に言うと、品ぞろえは限られるし、多様なニーズに応えきれないことも・・・

ネット通販専用の保険商品は、加入者がウェブサイトの説明を読んで判断しながら、保障プランを決めて、加入手続きします。

ウェブサイトの作り方も、商品も分かりやすい

専門知識がないと判断できないような、複雑な商品やプランは、ネット通販専用商品に向きません。

加入者が独力で手続終了までたどり着けないようでは、商売として成立しません。

そのため、ネット通販専門の保険会社は、ウェブサイトのわかりやすさに気を使っています。

また、わかりやすくするために、商品の仕組みをシンプルにし、誤解が生じない保障プランに絞り込んでいます。

品ぞろえは限られるし、多様なニーズに弱い

わかりやすさに徹すると、複雑なもの、リスクがあるものを排除することになります。

その結果、ネット通販専用の商品は、選択の幅が狭くなり、多様なニーズには弱いです。

たとえば、東京海上日動あんしん生命は、医療保険『メディカルKit NEO』に、ネット通販用プランを用意しています。

このプランと、対面販売用の標準プランでは、下表のような違いがあります。○は選択可能、×は選択不可です。

保障・特約 対面プラン 通販プラン
入院給付金 60日型、120日型、360日型 60日型
手術給付金 手術の種類により4段階 入院か外来かの2段階
初期入院保障特則 ×
3大疾病入院支払日数無制限特約 ×
通院給付金
先進医療給付金
特定治療支援特約 ×
重度5疾病・障害・重度介護保障特約 ×
5疾病就業不能特約 ×
女性疾病保障特約
がん診断特約 ×
悪性新生物初回診断特約 ×
がん通院特約 ×
抗がん剤治療特約 ×
介護保障特約 ×
特定損傷一時金特約 ×

対面販売用の『メディカルKit NEO』は、多機能・高機能です。細かく設定できる上に、特約のラインナップが充実しています。

一方の通販用プランは、機能が切り詰められています。〈特定治療支援特約〉とか〈5疾病就業不能特約〉のような、他社と差別化できる特約が、あっさり切り捨てられています。

また、抗がん剤治療など、通院でおこなえるがんの治療には、やや手薄です。

行き届いた保障を望むなら、対面販売用

上でご覧頂いたネット通販用のプランでも、入院するときには、かなり頼りになります。

しかし、期待していたのに保険からお金が出ないとか、お金は出たけど足りないということも、起きやすいです。

治療にかかった費用を、多少なりとも保険で穴埋めできれば良し、というつもりで加入するなら良いです。

しかし、治療にかかった費用のすべてか大半を保険でカバーしたい、ということなら、ちょっと無理です。

そういう方々は、対面販売用の商品やプランを検討しましょう。

ネット生保は、歴史が浅く規模の小さい会社が多いです。

保険に加入するということは、保障というサービスを受ける会員になるようなものです。それも、生命保険会社の商品は、長く続けるものが多いので、長期会員とか、終身会員です。

となると、商品内容だけでなく、生命保険会社の将来性とかサービスの品質なども気になります。

ネット生保のほとんどは、保険の自由化を機に、2000年前後に設立されました。よって、歴史が浅く、実績の乏しい会社が多いです。果たして一生涯のパートナーとして付き合っていけるのか、気になるところです。

現時点で、将来に不安を感じさせるネット生保はありません。しかし、先々何があるかわかりません。

もし心配なら、国内の大手企業グループに連なるネット生保をお勧めします。経営が傾いても、バックアップを期待できます。また、外資系のように、撤退する危険も低いです。

この条件に当てはまる、ネット通販をやっている生命保険会社には、以下があります。

  • オリックス生命(オリックス・グループ)
  • 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命(SOMPOグループ)
  • 東京海上日動あんしん生命(東京海上グループ)
  • ネオファースト生命(第一生命グループ)
  • メディケア生命(住友生命グループ)

ネットで保険に入るとしても、専門家の意見を聞いておきたいです。

ネット生保が販売する、シンプルな保険商品にも魅力はあります。

最低限の機能に絞り込まれていて、使う可能性の低い特約は排除されているので、コストパフォーマンスは優れています。

しかし、カバーできないケースがいろいろあります。

たとえば、がん一つとっても、医療技術の進歩にともない、入院しなくてもできる治療法が増えています。そして、今後はもっと増えそうです。

ネット生保のシンプルな医療保険では、対応できないことがありますし、これからも徐々に増えそうです。

よって、保険料の安さだけで選ぶと、後々、お金が出なくてがっかりしたり、自己負担が多くて不満を覚えるかも知れません。

そうなってから、他社の手厚い保険に入り直そうとしても、年齢が上がって、保険料はグッと高くなります。

最悪、健康状態などに問題があって、入り直せない危険もあります。

今ネット生保に興味があるとしても、いきなり飛びつくのではなく、まずは保険の専門家に相談して、いろいろな保険商品や保険の入り方を知りましょう。

ネット生保のデメリットを納得した上で、それでも魅力を感じるなら、ネット生保に加入しましょう。

ところで、意外と簡単に、しかも無料で保険の専門家に相談できる方法があります。

詳しいことは

を、ご覧ください。

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