死亡保険には、いくつか種類があります。おもな死亡保険と、その中から一般的な世帯におすすめする保険を、ご案内します。

人が亡くなると、概ね以下のような費用が発生します。

  • 死後の整理のための資金(葬式代、お墓代、遺品の片付け代、相続対策など)
  • 遺族の生活費・養育費

詳しいことは、死んだときに必要になる金額で説明しています。

ところで、死後にお金を残すための死亡保険には、いくつも種類があります。

おもな死亡保険とその特徴

一般的な世帯におすすめする死亡保険は、終身保険収入保障保険です。

とは言え、世帯の状況や保険に入る目的によっては、他の死亡保険のほうがふさわしいかもしれません。
そこで、おもな死亡保険(商品ではなく、保険の種類)を、ご案内します。

保険の種類 保険の期間 主な目的・特徴
終身保険 生涯
  • 死後の整理資金の準備に最適。
  • 貯蓄性の高い商品もある
  • 死亡保険金あたりの保険料は高い。
定期保険 期間限定
  • 保険金額が一定のタイプ、自動的に増減するタイプがある。
  • 死亡保険金あたりの保険料は安い。
  • 期間の限られた死亡保障に向いている。
  • 更新できるタイプもあるが、更新限度がある。
  • 掛け捨て保険。
収入保障保険 期間限定
  • 定期保険を、一般的な世帯向けに最適化した保険。
  • 亡くなる時期が後になるほど、死亡保険金は減る。
  • 死亡保険金あたりの保険料は安い。
  • 掛け捨て保険。
  • おもにカタカナ生保・損保系生保が販売。
組み立て型保険 保障内容による
  • 終身保険、定期保険、医療保険などを、組み合わせられる。
  • 独自の仕組みを持つ商品が多いので、他社とは比較しにくい。
  • おもに伝統的な国内生保が販売しており、保険料は割高。
養老保険 期間限定
  • 保険終了時(満期)に生きていたら、亡くなったときと同額の保険金が出る。
  • 貯蓄型保険。
  • 死亡保険金あたりの保険料は高い。

上にも書きましたが、一般的な世帯におすすめするのは、終身保険収入保障保険です。
世帯の事情によっては、収入保障保険を定期保険に置き換えます。

「組み立て型保険」をお勧めしないのは

その仕組みに懸念があるというより、現実に販売されているこのタイプの商品に、問題点がいくつもあるからです。
詳しくは入ってはいけない生命保険で説明しています。

「養老保険」は

死亡保障もできますが、もともと貯蓄型の保険なので、目的が違います。
そして、必要十分な死亡保障を、この保険で準備しようとすると、保険料が高くなりすぎます。

かと言って、長く続く低金利・マイナス金利のせいで、貯蓄としての魅力もこのところパッとしません。

必要な死亡保障額は、世帯によって異なります。そして、年齢とともに変化します。まずは、現時点での必要保障額を知ることから。

必要保障額(遺族に残さなければならない金額)は、世帯によって異なります。とは言え、家族構成が同じなら、その変化の仕方は、似通っています。
子どもが二人のサラリーマン世帯なら、おおよそ図のように変化します。

必要保障額の推移

やはり、子どもの存在が大きいです。子どもが経済的に自立するまでの、生活費・養育費の確保が主眼となります。
配偶者については、仕事の有無や、仕事がある場合の収入によります。

そのときどきに、必要な保障額を貯蓄や保険で準備しておく必要があります。
必要保障額は図のように毎年変化します。だから、保険も毎年見直しても良いです。毎年は無理でも、結婚、子どもの誕生、住宅購入など、大きな節目では見直したいです。

詳しくは死んだときに必要になる金額で説明しています。

終身保険と、収入保障保険(または定期保険)を、上手に使い分けましょう。

終身保険は損をしない保険

終身保険のメリットは以下の2つです。

  • 保険金を、いつかは必ず受け取ることができる。
  • 適切な商品を選べば、保険料払込期間終了後に解約すると、支払った金額以上のお金が戻ってくる。

要するに、お金の計算だけで見ると、損をすることのない生命保険です。

終身保険は保険料が高い

上の通りなので、死んだときの準備はすべて終身保険にしたいくらいです。
しかし、それは現実的ではありません。なぜなら、終身保険は保険料が高いから。

例をあげて比較すると・・・

試算の条件 月々の保険料
定期保険 死亡保障 : 1,000万円
保障期間 : 35-60歳
支払期間 : 35-60歳
2,040円
終身保険 死亡保障 : 1,000万円
保障期間 : 終身
支払期間 : 35-60歳
24,680円

メットライフ生命の保険での比較ですが(2016年12月時点)、10倍以上の差です。

保障が60歳で終わる定期保険に比べて、保障が一生続く終身保険の方が保険料が高くなるのは当然のことです。
とは言え、25年間にわたって毎月支払う保険料が、10倍以上違いのは大きいことです。

一生涯必要な保障額を終身保険で

というわけで、現実的には、終身保険と、収入保障保険または定期保険を組み合わせて使います。

生命保険の役割分担

一生涯にわたって必要な保障額(葬式代、死後の整理資金など)に限って終身保険を使い、それ以外の、特定の期間(子どもが自立するまで・・・等)だけ必要な保障額については、定期保険収入保障保険のような、保険料の安い保険を使いましょう。

終身保険についての詳しいことは終身保険の選び方をご覧ください。

サラリーマン世帯は収入保障保険。経営者・個人事業主は定期保険をおすすめします。

収入保障保険、定期保険はどちらも掛け捨ての保険です。つまり、契約で決められた一定の期間だけ保障する保険です。その期間が終わると、保険契約は消滅します。
2つの保険の、根本的な違いは保障額が変化するかしないかです。

収入保障保険と定期保険

定期保険は、加入者が手続きをしない限り、保障額が一定です。収入保障保険は、年々保障額が減っていきます。減っていく分、収入保障保険の方が、保険料を安くおさえることができます。だからといって、保障額が自動的に減ってはマズイ人が収入保障保険を選んではいけません。

収入保障保険と定期保険のどちらを選ぶかは、原則として、保険に加入する人(被保険者)の職業で判断します。

サラリーマン、OLには収入保障保険

このページの冒頭にあるのと同じ、一般家庭の必要保障額の変化を表したグラフです。

必要保障額の推移

多少凸凹はあるものの、子どもの誕生で大きく増えて、その後は子どもの成長にあわせて、だんだん減っていきます。

つまり、子どもの養育費の増減が、家計の負担にそのままつながるような世帯では、保障額が自動的に減っていく収入保障保険の方が、合理的な選択になります。

掛け捨て保険は、保険を使わなければ、保険会社に払い込んだ保険料はもどってきません。だからこそ、必要以上に大きな保険に入って、高い保険料を払うことは、まったくのムダになってしまいます。

終身保険についての詳しいことは収入保障保険の選び方をご覧ください。

経営者・自営業者には、収入保障保険より定期保険

自動的に保障額が減ってくのが収入保障保険の特長です。
逆に言うと、保障額が自動的に減って欲しくない人には、収入保障保険は向きません。

その代表が、経営者、自営業者です。そういう人たちにもしものことがあると、家族だけでなく、企業や従業員の生活にも影響が出ます。
必要な保障額を決めるときに、事業の動向も考えなければなりません。

よって、定期保険を選んで、面倒でも、定期的に保障額を見直すのが合理的です。

経営者・自営業者が亡くなったときのための、遺族の生活費の確保は当然必要です。それに加えて、事業を継続をする場合の運転資金、あるいは事業をたたむ場合の整理費用なども必要になります。

経営者・自営業者の必要保障額は、経理知識と法人・事業主の保険に詳しい専門家に相談して判断してください。

定期保険についての詳しいことは定期保険の選び方をご覧ください。


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 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。