定期保険は、経営者・自営業者向きの生命保険です。

会社員・公務員などと経営者・自営業者では、必要保障額の変動の仕方が異なります。そのため、適している保険のタイプも異なります。

家庭内の保障だけなら収入保障保険

一般的な家庭の必要保障額(葬式代や死後の整理資金+遺族の生活費)は、図のように推移します。

子どもの養育費がかなりの部分を占めるので、子どもの成長とともに、だんだん減っていきます(もちろん、新しく子どもを授かったら、ドーンと増えます)。
よって、一般家庭向けの死亡保険としては、死亡保険金額が年々自動的に減っていく収入保障保険がピッタリです。

定期保険だと、年とともに保障が過剰になっていきます。そして、保険料も払い過ぎることになってしまいます。

経営者・自営業者の場合、事業の保障も必要

経営者や自営業者の場合でも、当然、家族のための保障を考えなければなりません。しかし、それだけでは不十分です。

世帯主=経営者が亡くなったら、その影響は家庭内にとどまりません。従業員や取引先にも影響します。
そのために、経営者・自営業者の必要保障額は、事業の状況(売り上げ、従業員数、借り入れ等)によって絶えず変化します。

よって、収入保障保険のような、保障がだんだん減っていく死亡保険では困ります。

残念ながら、図のように保険金額が自在に変化する保険はありません。となると、定期保険を選んで、保全の手続きを利用して、必要に応じて保障の大きさを見直すのが、現実的です。

特に個人事業主の方は、定期保険の死亡保険金額を、こまめにチェックしましょう。

定期保険の死亡保険金額は一定です。しかし、経営者・自営業者の必要保障額は絶えず変化します。長い時間のうちに、死亡保険金額と必要保障額がかけ離れてしまうかもしれません。
そうならないように、こまめにチェックしたいです。

ただし、以下の点にご留意ください。

保険金額を下げるのは簡単、上げるのは面倒

チェックした結果、定期保険の死亡保険金額を下げることは、簡単に出来ます。書類の手続きだけです。

逆に、死亡保険金額を上げるとなると、初めて保険に加入するのと同じ手間がかかります。しかも、健康状態によっては、保険会社から断られるかもしれません。

こまめなチェックは必要ですが、保険金額の上げ下げは、健康状態などを見ながら、慎重に判断してください。

定期保険は、法人には節税効果がある

法人の場合、定期保険の保険料は損金に算入できます。つまり、定期保険には節税効果があります。
仮に、定期保険の死亡保険金額が、必要保障額より多いとします。保障としてはムダです。しかし、その保険料の分の節税効果はあります。もうかっている法人にとっては、それなりのメリットがあります。

一方、個人事業主の場合、事業主本人の定期保険の保険料は、必要経費に算入できません。つまり、節税効果はありません。
よって、法人以上に、保障のムダが無いか、目を光らせてほしいです。

定期保険には、全期型更新型があります。具体的に商品を検討する前に、どちらのタイプにするかを決めましょう。

定期保険は、保障する期間が定められている死亡保険です。
ただし、期間の決め方には2通りあります。

  • 保障が終了する時期を、最初に加入する時点で決めるのが全期型
    途中で止めることはできるけれど、延長は原則としてできない。
  • 定期的(1年毎、10年毎など)に更新しながら、いらなくなるまで続けるのが更新型
    ただし、更新の限度がある(80歳までなど)。更新のときに、身体の診査や告知は不要。
定期保険の全期型と更新型

全期型更新型の、メリット・デメリット

全期型、更新型のメリット・デメリットを、表にまとめました。

全期型 更新型
メリット
  • 保険料が一定。
  • 長期間続けるときは、保険料総額は更新型より安い。
  • 当面の保険料を安くできる。
  • 保険を続ける期間を柔軟に決められる。
デメリット
  • 当面の保険料は、更新型より高い。
  • 保険を続ける期間を延ばすのは面倒。
  • 保険を更新するたびに、保険料は大幅に上がる。
  • 長期間続けるときは、保険料総額は全期型より高い。

全期型と更新型の保険料について、補足します。

全期型と更新型の定期保険に、同じ条件で同時に加入したとします。更新型の方を、更新しながら継続するとしたら、加入後の保険料は図のような関係になります。

全期型と更新型の保険料

更新しないか、1~2回の更新なら、更新型の方が保険料の総額は少なくてすみます。
3回、4回と更新を続けると、月々の保険料も、保険料の総額も、全期型より高くなってしまいます。

更新ごとに、そのときの年齢で保険料が決まります。保険料の上がり幅は、けっこう大きいです。
たとえば、オリックス生命の定期保険『ファインセーブ』の保険金3000万円10年更新タイプに、30歳男性が加入した場合・・・

30歳から10年間 4,920円
40歳から10年間 8,400円
50歳から10年間 17,340円
60歳から10年間 37,170円
70歳から10年間 94,170円

加入する商品、年齢、性別などによりますが、25年くらいが分かれ目になるかと思います。それより長く続ける見通しなら、全期型をオススメします。

オススメする定期保険の、保険料を比べてみました。男性と女性で、異なる傾向が見られました。

健康体割引がある定期保険はこちらの2つ。ただし、女性には微妙

健康体割引のある定期保険の定番は、チューリッヒ生命とメットライフ生命の2社です。
男女別に、割引後の保険料をご覧いただきましょう(2016年12月)。

男性では、健康体割引の効果が歴然

まず、男性の保険料です。
比較していただくために、健康体割引が無い定期保険でもっとも割安なメディケア生命の定期保険の保険料も載せています。

30歳男性 40歳男性 50歳男性
チューリッヒ生命
『定期保険プレミアム』
1,050円 1,720円 3,940円
メットライフ生命
『スーパー割引定期保険』
1,140円 1,800円 3,860円
メディケア生命
『メディフィット定期』
1,214円 2,351円 5,361円

年齢が上がるほど、健康体割引の効果が見て取れます。

女性では、健康体割引は微妙

次に、女性の保険料です。
比較していただくために、健康体割引が無い定期保険でもっとも割安なメディケア生命の定期保険の保険料も載せています。

30歳女性 40歳女性 50歳女性
チューリッヒ生命
『定期保険プレミアム』
990円 1,550円 2,350円
メットライフ生命
『スーパー割引定期保険』
1,060円 1,560円 2,630円
メディケア生命
『メディフィット定期』
876円 1,530円 2,883円

なんと、健康体割引をしても、30歳と40歳では、メディケア生命の方が安いという結果に。

チューリッヒ生命の健康体割引の条件は、かなり厳しい

健康体割引がある2社では、チューリッヒ生命の方がメットライフ生命より、保険料は低く設定されています。

一見して、チューリッヒ生命の方が割安なようです。しかし、調べてみると、健康体割引を認める条件は、チューリッヒ生命の方が厳しいです。

チューリッヒ生命
『定期保険プレミアム』
  • 過去2年以内の喫煙無し。
  • 最高血圧135以下
  • 最低血圧85以下
  • BMI 18.5以上25未満
メットライフ生命
『スーパー割引定期保険』
  • 過去1年以内の喫煙無し。
  • 最高血圧120以下
  • 最低血圧80以下

チューリッヒ生命の方は、喫煙の条件がゆるく、BMIは条件に入っていません。しかし、血圧の基準が厳しく、中年以上の過半数はクリアできそうもありません。

割引のない定期保険は、こちらの3つ

割引のない定期保険のうち、保険料が安い3つの商品をご紹介します。
なお、チューリッヒ生命とメットライフ生命の定期保険の、標準(割引無し)の保険料も載せています。

男女別に、割引後の保険料をご覧いただきましょう(2016年12月)。

定期保険の保険料比較(男性)

まず、男性の保険料です。なお、割引制度のある2社については、参考までに( )に割引後の保険料を併記しています。

30歳男性 40歳男性 50歳男性
メディケア生命
『メディフィット定期』
1,214円 2,351円 5,361円
アクサダイレクト生命
『カチッと定期2』
1,240円 2,380円 5,290円
オリックス生命
『ブリッジ』
1,310円 2,414円 5,297円
チューリッヒ生命
『定期保険プレミアム』
1,500円
(1,050円)
2,740円
(1,720円)
5,920円
(3,940円)
メットライフ生命
『スーパー割引定期保険』
2,290円
(1,140円)
3,560円
(1,800円)
6,710円
(3,860円)

メットライフ生命『スーパー割引定期保険』は、割引が無くなると保険料は倍増です。保険料は高いと感じられます。

定期保険の保険料比較(女性)

次に、女性の保険料です。なお、割引制度のある2社については、参考までに( )に割引後の保険料を併記しています。

30歳女性 40歳女性 50歳女性
メディケア生命
『メディフィット定期』
876円 1,530円 2,883円
アクサダイレクト生命
『カチッと定期2』
900円 1,570円 2,920円
オリックス生命
『ブリッジ』
970円 1,607円 2,909円
チューリッヒ生命
『定期保険プレミアム』
1,170円
(990円)
1,910円
(1,550円)
3,440円
(2,350円)
メットライフ生命
『スーパー割引定期保険』
1,920円
(1,060円)
2,650円
(1,560円)
4,020円
(2,630円)

上で指摘したメディケア生命の安さはもちろんですが、全体的に、男性と比べて割引制度のありがたみが乏しく感じられます。

生命保険のことは、保険のプロに相談しましょう。

このサイトでは、見積もり例や統計データなどを活用し、具体的にイメージしていただけるように努めています。それでも、どうしても一般論にとどまってしまいます。
ご自分の検討をされるときは、ご自身の立場や条件で、具体的な見通しを立ててください。

と言っても、保険の素人が、自分で調べながら、一つ一つ見積書・設計書を集めるのは大変です。また、うまく比較できないかもしれません。
保険のプロの活用をオススメします。

保険のプロにはいろいろありますが、
相談相手として選ぶべきは、上に名前をあげた保険商品を一通り取り扱っている保険のプロ
です。
そうでないと、ご自分の条件で、主要な保険商品を比較できなくなってしまいます。

では、どうすれば、そういう保険のプロに相談できるのでしょうか?
意外と簡単に、しかも無料でできてしまいます。詳しいことは

を、ご覧ください。

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

  • FP(ファイナンシャル・プランナー)は、保険を含む、資産・家計・税務知識の公的資格保有者。
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