子どもがいる夫婦世帯の方々に、ご検討いただきたい保障(医療、死亡、老後の生活費等)について、整理しました。

子どもがいるご夫婦について、検討していただきたい項目を、以下にまとめました。

病気・ケガの治療費
  • 医療費は、年齢、家族構成などに関わりなく準備したいです。
  • 医療保険等で医療費を準備するなら、早く始めるほどおトクです。詳しくは医療保険は、早く入るほどオトク(別のページに移動)

  • 個人事業主・自営業者は、治療中の生活費の準備も要検討です。詳しくは治療中の生活費へ。

遺族に残すお金
  • 死後の整理資金(葬式代、遺品整理代等)は、年齢、家族構成などに関わりなく準備したいです。詳しくは死後の整理資金(別のページに移動)
  • 遺族の生活費として、配偶者の生活費に相当する金額を準備したいです。配偶者の収入や年齢によって異なります。

詳しくは遺族に残すお金へ。

老後の生活費
  • 個人事業主・自営業者は、年金額だけでは不十分なので、何らかの対策は必要になります。
  • 会社員・公務員は、まず公的年金の受給見込み額を確認しましょう。不十分なら、別の準備が必要です。

詳しくは老後の生活費(別のページに移動)

上の表について、順を追って説明していきます。

治療中の生活費を、保険などで準備する必要があるか、こちらの基準でチェックしてください。

病気・ケガで入院することになったら、まずは治療費用が気になります。
その次に、入院中の家族の生活費・教育費などの確保が、気にかかると思います。

世帯主が入院などで働けなくなるケースは、いろいろと考えられるので、対策しようにも、考えがまとまりにくいです。

そこで、頭を整理するために、以下の3つのパターンに分けて、対策を考えたいです。

パターン1:世帯主が1ヶ月働けない

厚生労働省『患者調査』によると、全年齢の平均入院日数は31.9日です。
そして、35〜64歳の平均入院日数は、それより1週間ほど短くて24.4日です。

下のグラフは、入院期間別の患者数の割合を表しています(全年齢)。厚生労働省『患者調査』(平成26年)をもとに作成しました。

入院期間別の患者数の割合

83.2%が29日以内に収まっています。高齢者を除くと、%の数値はもっと高くなりそうです。
いずれにしても・・・

入院患者の大半は、1ヶ月以内に退院しています。

というわけで、まずは、世帯主が1ヶ月間働けないときは、乗り切れるかを検討しましょう。
乗り切れそうになければ、早急に対策したいです。

パターン2:世帯主が4ヶ月働けない

上の円グラフだと、約17%は1ヶ月を超えて入院しています。無視するには、大きすぎます。

では、重症化して入院・療養が長引くとして、どのくらいの治療期間を想定すればよいでしょうか?

現実的と思えるのが4ヶ月までの入院・療養です。上のグラフによると、4ヶ月=120日間なら98%までカバーできます。

世帯主が4ヶ月間働けなくても、生活を維持できそうなら、ひとまず安心できそうです。

パターン3:障害者手帳・生活保護

入院が半年とか1年を超える病気・ケガの場合、退院=完治とは言えないことが多いようです。

たとえば、三大疾病の一つ、脳血管疾患の入院だと、この病気自体の治療は1〜2日で終わるものの、脳の損傷による後遺障害が発生した場合(言葉が出ないとか、体の一部が麻痺しているとか)、そこからの回復のために治療期間が長引くようです。

しかも、完治して退院できるとは限らないようです。施設や自宅で療養できる程度に回復したから退院、ということも少なくないようです。

こうなると、個人の努力だけで対策しようにも、限界があります。
障害者手帳、生活保護などの、公的な支援制度を軸にして対処するのが、実際的でしょう。


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治療中の生活費に対する公的な支援は、会社員・公務員か、個人事業主・自営業者かで、大きく異なります。

病気・ケガにより、仕事ができなくなったときに、公的な支援を受けることができます。
それで不足するようなら、各世帯でそれぞれ対策を練ることになります。

ところで、受けることのできる公的支援は、世帯主が会社員・公務員か、個人事業主・自営業者かで、大きく異なります。

会社員・公務員

会社員・公務員は「立場の弱い労働者」である、という発想のもとに、さまざまな社会保障制度が設けられています。
そして、そのための保険料を、勤務先や従業員自身が負担しています。

治療中の収入減少を補う制度として、以下の3つが代表的です。

労災保険(労働者災害補償保険)

業務上、通勤途上のケガ・病気に対して、治療費や生活費が出ます。
具体的な補償内容は、以下の4つです。

  • 療養費(医療費は全額無料)
  • 休業補償(平均賃金の8割給付)
  • 障害補償(障害の重さに応じて年金や一時金)
  • 遺族補償(葬祭料と、生活・子育てのための年金や一時金)

傷病手当金

健康保険など公的医療保険の一制度です。ただし、国民健康保険にはありません。

傷病手当金をもらえる条件
  • 労災保険の対象外の病気・ケガである。
  • 連続する3日間を含み、4日以上仕事に就けない。
  • 休業期間について、給与の支払いがない。
傷病手当金をもらえる期間

最長で、支給開始日から1年6ヵ月以内です。

1年6ヵ月分もらえる、という意味ではありません。
休んだり復帰したりを繰り返したとしても、支給開始日から1年6ヵ月を経過したら、傷病手当金の支給は終わります。

傷病手当金の金額

まず、過去1年間の標準報酬月額にもとに1日あたりの報酬を計算します。その3分の2に当たる金額を、休んだ日数分受け取ることができます。

障害年金

会社員・公務員は国民年金と厚生年金(または共済組合)に入っていると思います。

病気やケガによって、生活・仕事に支障があるような障害が遺ったら、国民年金から障害基礎年金、厚生年金から障害厚生年金が出ます。

障害基礎年金の窓口は住所地の市区町村役場、障害厚生年金の窓口は全国の年金事務所です。

年金を受け取るための条件・手続き・受取額などは、個別に異なるため、それぞれの窓口に問い合わせてください。

勤務先の福利厚生制度

勤務先によっては、傷病見舞金などを、独自に設けています。

詳しいことは、会社または組合等が提供するマニュアルなどを読むか、総務担当などに確認してください。

個人事業主・自営業者

個人事業主・自営業者に対する公的な支援は、乏しいです。

というより、働けなくなったときの対策も含めて、それぞれが判断し、手を打つことを期待されています。

当てにできそうな公的支援

十分ではないとしても、当てにできそうな公的支援はあります。

労災保険への特別加入

労災保険は、本来は会社員・公務員向けの制度ですが、個人事業主・自営業者でも、一定条件を充たすと加入できます。これを特別加入と呼びます。

窓口は、所轄の労働基準監督署になります。

障害年金

個人事業主・自営業者が、病気やケガによって生活や仕事などに支障が出るようになったら、国民年金から障害基礎年金が出ます。もちろん、国民年金の保険料を納めていることが条件です。

障害基礎年金の窓口は住所地の市区町村役場の年金事務所です。年金を受け取るための条件・手続き・受取額などは、個別に異なるため、窓口に問い合わせてください。

ちなみに、18歳未満の子ども一人いる親が、一人で日常生活に不自由する状態になって、月に10万円くらいの金額です。
おそらく、障害基礎年金だけでは生活できません。

自助努力による対策は必須

個人事業主・自営業者は、大なり小なり自分たちで対策を講じる必要があります。

家族の生活のためには、以下のような共済や保険会社の商品が、有力な選択肢となります。

  • 業種や地域の共済や組合が提供する、所得補償タイプの商品。
  • 損保会社が販売する所得補償保険。
  • 生保会社が販売する就業不能保険。

詳しくは仕事を休んでいる間の生活費をご覧ください。

これとは別に、事業の継続性を考えて、経営者が仕事を長期間休んでも事業が回るように、組織作りとか従業員の育成を図りたいです。


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遺族の生活費を準備する必要があるか、どのくらいの金額を準備するかは、世帯の状況で大きく異なります。

子育て世帯にとっては、万が一世帯主が亡くなったときの、遺族の生活費・養育費・教員費の確保が、重要な課題です。

遺族の生活費については、踏み込んで検討を

子育てをする世帯の世帯主というと、20〜50代くらいの方が多いでしょう。このくらいの年代の方が亡くなる危険性は、かなり低いです。

以下は、厚生労働省『人口動態統計』(平成28年)をもとにした、20〜60代の年代別死亡率のグラフです。

子育て世代の親の年代別死亡率のグラフ

ご覧のように、50代前半までは、ずっと0.5%未満です。対策をすべきか迷うくらい低い確率です。

しかし、たとえば0.1%は1,000人に1人の確率で、低いとは言え、まったく無視できるほどではありません。
そして、もし起こってしまったら、配偶者や子どもの人生が狂ってしまうかもしれません

発生する確率は低くても、結果の重大さを考えると、何らかの対策をしたいです。

遺族の生活費の、必要額は刻々と変化する

遺族の生活費を検討するにあたって、留意しておきたいのは、保険で準備したい金額が、刻々と変化することです。

遺族の生活のために必要な金額は、遺族の人数と年齢でだいたい決まります。子どもができて扶養家族が増えたら、必要保障額は増えます。

そして、家族構成に変化がなければ、原則として、必要保障額は以下の2つのゴールに向かって年々減少します。

  • 子どもが経済的に自立する(子どもの養育費・教育費が不要になる)。
  • 配偶者の、老齢年金の受給が始まる(年金で生活費をまかなえる)。

よって、世帯の必要保障額の変化は、概ね下図のようになります(子どもが二人の例)。

死亡保険の必要保障額の推移

住宅購入で必要保障額が減っているのは、住宅ローンを組むときに団体信用生命保険に加入するからです。個人の保険で住居費に備える必要が無くなるからです。

このように、必要保障額は刻々と変化するので・・・

保険に加入した後も、保険の中身が現実と合致しているか、時々チェックしたいです。

しかし、毎年のように保険をチェックするのは手間です。
そこで、死亡保険金が自動的に減っていく収入保障保険をお勧めします。詳しくは収入保障保険の選び方をご覧ください。

保険を検討する前に、遺族年金の年金額を調べる

ところで、公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金)の加入者が亡くなると、遺族年金をもらうことができます。

遺族年金を受け取ってもなお不足する生活費を、生命保険などで埋め合わせることになります。
よって、検討の初めの段階で、遺族年金の年金額を、把握しておきたいです。

ところで、会社員・公務員か、個人事業主・自営業者かによって、もらえる年金額に大きな差があります。
下表に、子どもがいる世帯の、年金受給について、まとめました。

個人事業主・自営業者

受給条件 もらえる年金の種類
18歳未満の子がいる 遺族基礎年金
18歳以上の子がいる 寡婦年金または死亡一時金
子が18歳以上で、65歳以上の配偶者 老齢基礎年金

会社員・公務員

受給条件 もらえる年金の種類
18歳未満の子がいる 遺族基礎年金と遺族厚生年金
子が18歳以上で、40歳未満の配偶者 遺族厚生年金
子が18歳以上で、40〜65歳の配偶者 遺族厚生年金+中高年齢寡婦加算
子が18歳以上で、65歳以上の配偶者 老齢基礎年金+遺族厚生年金

子どもがいない配偶者は、遺族基礎年金をもらうことができません。そのため、上表に、遺族基礎年金の文字はありません。

個人事業主・自営業者の配偶者は

遺族基礎年金の見込額は、毎年郵送されてくる「ねんきん定期便」で確認できます。また、日本年金機構のねんきんネットも利用できます(要登録)。

なお、遺族基礎年金は、子どもが18歳になったら打ち切られます。その後の生活費を確保する必要があります。

寡婦年金または死亡一時金の金額は、保険料を納めた期間によります。
とは言え、寡婦年金をもらえるのは、60〜65歳の5年間だけです。死亡一時金は文字通り一時金で、最大でも32万円です。それだけでは生活できません。

会社員・公務員の世帯は

遺族基礎年金・遺族厚生年金の見込額は、毎年郵送されてくる「ねんきん定期便」で確認できます。また、日本年金機構のねんきんネットも利用できます(要登録)。

なお、遺族基礎年金は子どもが18歳になったら打ち切られますが、遺族厚生年金は生涯続きます。

年金などの受取額を確認し、それだけで不安なら、保険の活用を含めて、対策を講じましょう。
なお、遺族年金については死んだときに必要になる金額でも触れています。

個人事業主・自営業者は、自助努力が必須

個人事業主・自営業者の世帯は、公的な支援だけでは、あきらかに心細いです。対策を講じたいです。

と言っても、対策そのものはシンプルです。共済や保険会社が販売する、死亡保険(生命共済)が役に立ちます。選択に困るほど、たくさんの商品が販売されています。

やっかいなのは(?)、必要保障額の見積もりが、会社員・公務員よりずっと複雑になる点です。
というのは、経営者が亡くなったら、遺族の生活だけでなく、事業の継続(または廃業)のことも考慮しなければなりません。

事業を継続するなら、体制を移行したり立て直すための費用がかかるかもしれません。
廃業するにしても、従業員の退職金や後片付けの費用が発生するかもしれません。

法人・事業者向けの保険に詳しい専門家のアドバイスを受けながら、検討したいです。
保険の専門家の活用については、生命保険を選ぶ最善の方法で説明しています。


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 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。