ひとり親の世帯で、ご検討いただきたい生命保険と、その重要度は以下のとおりです。

ひとり親の世帯で、検討していただきたい項目を、以下にまとめました。

病気・ケガの治療費
遺族に残すお金
  • 死後の整理資金(葬式代、遺品整理代等)は、年齢、家族構成などに関わりなく準備したいです。詳しくは死後の整理資金(別のページに移動)

  • 遺族の生活費として、子どもの養育費・教育費に相当する金額を準備したいです。詳しくは子どもの養育費・教育費を残すへ。

老後の生活費
  • 個人事業主・自営業者は、年金額だけでは不十分なので、何らかの対策は必要になります。
  • 会社員・公務員は、まず公的年金の受給見込み額を確認しましょう。不十分なら、別の準備が必要です。

詳しくは老後の生活費(別のページに移動)

以下でいくつか補足説明します。

医療費の助成制度を活用しつつ、老後まで視野に入れて、医療費を準備しましょう。

各市区町村では、ひとり親家庭への支援の一環として、医療費の助成制度を設けています。

当面はこうした制度を有効活用しつつも、老後まで視野に入れて医療費を確保したいです。

ひとり親家庭等医療費等助成制度

この制度は市区町村で設けられており、仕組みはどこも似通っています。
とはいえ、各市区町村の裁量も認められており、助成の対象範囲や手続きなどに、細かな違いがあります。

だいたいの市区町村に共通しそうな重要ポイントを、いくつかご案内します。

助成される金額

健康保険など公的医療保険の自己負担分が助成の対象です。
と言っても、全額が助成されるとは限りません。市区町村によって、助成の範囲は異なります。

助成される条件

助成を受けるには、いくつかの条件をクリアしなければなりません。

18歳以下の児童がいる家庭

18歳以下の児童がいる、ひとり親世帯が、助成の対象です。
より具体的には、18歳の誕生日を迎えた後、初めて迎える3月31日までが、助成される期間です。

所得制限

扶養家族の人数に応じて、所得制限が設けられています。所得がそれより多いと、助成の対象外になります。

他の助成制度との掛け持ち

他の助成制度(生活保護、児童福祉施設、里親制度など)を利用していると、ひとり親家庭等医療費等助成制度の対象外になることがあります。

これも、市区町村によって異なるので、申請窓口に確認してください。

老後の医療費は、できるだけ早く準備したい

ひとり親家庭等医療費等助成制度を利用すれば、当面の医療費負担は、かなり軽減されます。

しかし、子どもが19歳になった後は、この制度を利用できません。
つまり、重い病気への不安が高まる老後の医療費は、別の方法で準備しなければなりません

ところで、もし医療保険やがん保険に入るなら、子どもが19歳になってからではなく、できるだけ早い時期に加入するほうが、保険料面ではオトクです。

詳しくは医療保険は、早く入るほどオトクへ。

もし親が長期入院することになったとき、子どもの生活拠点をどうするか、というところから検討したいです。

親が入院するとき、生活費を心配する以前に、子どもをそのまま自宅で生活させるのか、どこかにあずけるのか、という問題が生じます。

入院するとき、子どもをどうするか

実際には、入院する期間や、子どもの年齢などによって、判断は異なります。
ただ、もしものときの準備としては、入院が長期にわたるケースを想定しておきたいです。

具体的な検討にあたっては、4ヵ月間入院すると仮定して、対応を練ってください。
というのは、統計によると、ほとんどの入院は、4ヵ月以内に収まるからです。

下図は、厚生労働省『患者調査』(平成26年)をもとに作成した、入院期間別の患者数の割合のグラフです。

入院期間別、患者数の割合のグラフ

これによると、83.2%が29日以内に収まっています。つまり、1ヵ月の入院に耐えられれば、通常は乗り切れそうです

とはいえ、通常より長引くことだって、無くはありません。
そこで、あらためて上のグラフを見ると、98%が4ヵ月=120日以内に収まっています。つまり・・・

4ヵ月間の入院に対応できるようにしておけば、ほとんどの場合に乗り切れます。

子どもをあずかるサービス

子どもを一人暮らしさせるのが不安なときに、子どもをあずかってくれるサービスは、いくつかあります。

ショートステイ

地方自治体(市区町村)によるサービスです。費用や受け入れ条件(子どもの年齢など)は、地方自治体によって異なるので、ご確認ください。

多くの地方自治体が、このサービスを提供しています。ただし、1回につき7日以内なので、長期入院での利用には向きません

乳児院・児童養護施設

どちらも児童福祉法にもとづく機関です。地方自治体(都道府県、政令指定都市)とか児童相談所が窓口になります。

乳児院と児童養護施設との大きな違いは、あずかる子どもの年齢ですが、境界となる年齢は明確ではありません。
どちらを利用するかは、自治体の相談窓口か児童相談所の指示に従うことになります。

社会福祉制度の一環なので、子どもの養育費用は公費でまかなわれますが、親の収入により費用負担を求められることがあります。

ただし、乳児院の全国に136ヵ所、児童養護施設は全国に603ヵ所と(いずれも平成28年時点)、施設数が限られています。
そのため、あずける期間中は、自宅から離れた地域で暮らす可能性が高いです。保育園・幼稚園・小学校も、他に移ることになります。

里親

乳児院・児童養護施設と同じく児童福祉法にもとづく制度です。窓口になってくれる機関や、費用の取り扱いも、乳児院・児童養護施設と同じです。

あずかってくれる里親は、研修を受けて正式に登録されているご家庭です。

里親には、子どもを引き取って育てる、というイメージがあるかもしれません。
実際には、親の長期入院などで一時的にあずかってくれるサービスもあります。

たまたま自宅近くに里親が見つかれば、子どもの生活環境の変化を少なくできます
ただし、特定のご家庭にあずかってもらうので、子どもとの相性は心配になります

保険等を検討する前に、公的支援をチェック

生命保険などへの加入を検討する前に、利用できる公的支援制度を、チェックしておきましょう。
利用できる公的支援は、職業によって異なります。

会社員・公務員の場合

社会保障制度(労災保険、傷病手当金、障害年金等)による手厚い支援を受けることができます。また、勤務先によっては、傷病見舞金などを設けています。
社会保障を確認した上で、それでも不十分なときに、生命保険などの活用を検討しましょう。

個人事業主・自営業者に対する

社会保障制度の支援は、会社員・公務員に比べて手薄です。

労災保険は原則としてありません(特別加入の途はあります)。傷病手当金もありません。
障害年金は利用できますが、障害基礎年金のみなので、会社員・公務員より、かなり薄いです。

個人事業主・自営業者の方々は、自分たちでの対策が必要になりそうです。
詳しくは仕事を休んでいる間の生活費をご覧ください。


 関連するページ

万が一亡くなるときは、子どもが安心して目標に向き合える、環境と資金を残してあげたいです。

ひとり親が亡くなる場面を考えると、お金の心配をする以前に、親権や養育者・環境のことが気になります。

親が亡くなった後の、子どもの養育環境

近親者などの中に、後を任せられる人がいたら、あらかじめ相談しておきたいです。

その人自身が養育できなくて、児童養護施設などに入るとしても、信頼できる人に未成年後見人(法律的な代理人)になってもらいたいです。
遺言で未成年後見人を指定することができます。

ちなみに、2017年4月から、児童養護施設に、22歳までいられるようになっています(正確には22歳の年度末まで)。
施設を出て、一人暮らしを始めても、22歳まではいくつかの支援制度を利用できます。

遺族年金の年金額の目安

公的年金(国民年金、厚生年金、共済年金)の加入者が亡くなると、その遺族は遺族年金をもらうことができます。

ひとり親世帯の子どもも、もらうことができます。ただし、18歳未満の子どもに限られます。

遺族年金の種類や年金額の目安を死んだときに必要になる金額にまとめています。ご覧ください。

22歳までの養育費・教育費

上でご案内した公的制度や、勤務先の死亡退職金・弔慰金などで、子どものために十分な金額を確保できなければ、生命保険を検討しましょう。

残す金額(=必要保障額)を算出するにあたっては、家計のプロに相談して、まちがいのない見積もりをしましょう。


 関連するページ

生命保険を検討するにあたっては、保険の専門家に相談しましょう。

生命保険(医療系の保険を含む)は、金融商品として、複雑な仕組みを持っています。

さらに、その要否や保障プランを決めるに際して、社会保障制度や、生活にかかる費用の世間相場や、競合する保険以外の金融商品など、幅広い知識が必要になります。

しかも、死亡保険にしろ、医療保険にしろ、老後の生活費の保険にしろ、いったん始めたら数十年続ける可能性があります。
開始時点で選択を間違えると、ダメージは大きくなります。

検討にあたっては、保険の専門家の活用をお勧めします。

それでは、どうすれば保険の専門家に相談できるのでしようか!?
意外と簡単に、しかも無料で、保険のプロに相談する方法があります。
詳しいことは

を、ご覧ください。

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。