メットライフ生命『ガードエックス』
メットライフ生命のがん保険『ガードエックス』を、このサイトの視点で、徹底分析しました。
メットライフ生命のがん保険『ガードエックス』は、売れているがん保険の一つです。
そんな『ガードエックス』を、このサイトの視点で客観的に分析しました。
メットライフ生命は、日本において、医療・介護関連の保険を多く販売している保険会社です。

メットライフは、アメリカ合衆国最大の生命保険会社です。
そのメットライフの、日本法人がメットライフ生命です。
メットライフ生命は、医療・介護関連の保険(特約を含む)の分野では、日本で多くの売り上げを誇っています。
2016年度の、医療・介護関連保険の売上高(新契約年換算保険料)のトップ10は次の通りでした。
1位 | アフラック | 667億円 |
---|---|---|
2位 | エヌエヌ生命 | 495億円 |
3位 | 第一生命 | 475億円 |
4位 | メットライフ | 440億円 |
5位 | かんぽ生命 | 411億円 |
6位 | 日本生命 | 411億円 |
7位 | 住友生命 | 359億円 |
8位 | 明治安田生命 | 326億円 |
9位 | 東京海上日動あんしん生命 | 219億円 |
10位 | アクサ生命 | 177億円 |
メットライフ生命は、4位につけています。多くの人に支持されています。
『ガードエックス』は、優れた点がいくつもあります。ただし、20年、30年と、長く続けるには、不安を感じます。
メットライフ生命のがん保険が、『ガードエックス』です。

『ガードエックス』の長所、短所を整理すると、以下のようになります。
『ガードエックス』の長所

- 単独で加入するも良し、他の保険と組み合わせるも良しの、柔軟性の高さ。
- 最新のがん治療に対応。
- がんの通院治療も、幅広く保障。
『ガードエックス』の短所

いくつもの長所を持つ『ガードエックス』ですが、大きな弱点があります。
20年、30年と、長く続けるには、不安を感じる保障内容です。
『ガードエックス』は、現在のがんの治療法に、きめ細かく対応しています。それは、裏を返すと、将来がん治療のトレンドが変化すると、時代に遅れになりやすい、ということです。
がんは、年齢が高くなるほど、かかる確率がどんどん高くなります。長く続けたい保険です。
そんながん保険にとって、この弱点は、見過ごせません。
『ガードエックス』の主契約は、その支払い条件に治療法が指定されているため、経年劣化する危険が大きいです。
『ガードエックス』のどこに不安があるかというと、主契約である治療一時金の、支払条件が治療法になっている点です。
『ガードエックス』の主契約は、治療一時金
保険商品は、主契約(商品の核になる、必須の保障)と特約(加入者が任意で付加できる保障)からできています。
そして、『ガードエックス』の主契約は、治療一時金(メットライフ生命の呼び方は「ガン治療給付金」)です。
『ガードエックス』に加入して、以下の2つの条件のどちらかに当てはまると、50万円または100万円の(加入するときに決めます)、一時金が出ます。
- 健康保険など公的医療保険制度の対象になる、所定の三大治療のいずれかを受けたこと。
- 最上位の進行度を示す病期と診断され、入院または通院をしたこと。
所定の三大治療とは、手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つです。
この3つが、現在のがん治療法の主流であり、病状などに応じて、使い分けたり、組み合わせて実施されるそうです。
つまり、現時点でこの3つの治療法を押さえていれば、がん保険として十分に役に立ちます。
がんの治療法の開発は活発
ところで、がんは、日本人の死因のトップです。
以下は、日本人の死因の割合です。(厚生労働省『人口動態調査』2016年)。

29%ががんで亡くなっています。
これほどの病気だけに、医療技術の進歩は急速です。
いくら研究・開発が活発でも、三大治療のいずれかが、すぐに廃れることは、予想しにくいです。
しかし、三大治療のいずれにも当てはまらない、第四の治療法が誕生する可能性は、それなりにあると思われます。
『ガードエックス』の主契約は、三大治療法以外は不得意
『ガードエックス』の約款(保障内容の詳細な説明書)を見ると、今後新しい治療法が登場しても、それが現在の三大治療のどれかに分類されるなら、保障されます。
たとえば、よく効く抗がん剤が新発売になれば、それは保障の対象になります。
しかし、三大治療のどれにも当てはまらない治療法は、それがどんなに有効でも、普及しても、『ガードエックス』の対象外になってしまいます。
がんは死因のトップです。ということは、がん保険は一生モノと考えて、選びたいです。
今の保険が古くなっても、新たに入り直せるとは限らない
現在のがん保険が古くなったから、新しいタイプの保険に入り直そうとしても、望み通りに加入できるとは限りません。
なぜかと言うと・・・
- 健康状態が悪くなって、加入できないかも。
- 年齢が上がると、保険料も上がります。負担が大き過ぎて、加入できないかも。
というように・・・
がんの対策には、年数が経過しても、劣化しにくい保険商品を選びましょう。
商品の選び方や、保障内容に工夫をすることで、経年劣化の危険を小さくすることはできます。
診断が確定したら、一時金が出る保険
たとえば、アフラック『三大疾病保障プラン』という商品があります。

これはがん保険ではありません。三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)になると、一時金が出る保険商品です。
『三大疾病保障プラン』だと、がんの診断が確定したら、加入するときに決めた100万円以上金額が、一時金でもらえます。
医師による診断の確定が支払い条件なので、その後入院するかどうか、どんな治療を受けるかなどは、無関係です。
これなら、がんという病気が滅びない限り、20年、30年たっても、安心して頼りにできます。
支払条件の柔軟性がポイント
上の診断一時金は、支払条件としてはもっとも柔軟性が高いです。
これにはかなわないまでも、次のような支払条件であれば、年月が経っても、劣化しにくいでしょう。
- 入院することが支払条件(ただし、入院日数の指定が無いこと)。
- 手術を受けることが支払条件
- "公的医療制度(健康保険など)の対象の治療"を受けることが支払条件
経年劣化しにくいがん保険は、こちらです。検討の候補に加えてください。
2つのタイプにわけて、お勧め商品をご案内します。
がんの診断一時金をメインとする保険商品
上で説明したように、診断一時金(がんの診断が確定したら、一時金が出る)は、もっとも経年劣化しにくいです。
ということは・・・
ということになります。
ただし、この方法には、2つの問題点があります。
- がんの治療費がいくらかかるかは、正確に予測できない。
- 一時金の金額を大きくすると、保険料も高くなる。
一時金の金額は、大きいに越したことはありません。一時金が複数回出る保険であれば、少なくとも1回あたり50万円以上にしておきたいです。
この条件を充たす保険商品の中から、以下をお勧めします。
アフラック『三大疾病保障プラン』

上で簡単に紹介した、『三大疾病保障プラン』です。
がんの診断が確定したとき、または急性心筋梗塞か脳卒中が発病し、60日以上重い症状が継続したときに、所定の一時金が出る保険です。
一時金の金額は、100万円から、最大2000万円(ただし年齢による)の範囲で指定できます。
一時金の金額を大きくできるかわりに、他の保障はありません。
オリックス生命『特定疾病保障保険With(ウィズ)』

保障内容は、アフラック『三大疾病保障プラン』と、ほぼ同じですが、以下の点が異なります。
まず、急性心筋梗塞と脳卒中の一時金は、60日以上重い症状が継続した場合の他に、所定の手術を受けたときも、支払われます。
また、いくつかのタイプのうち、低解約返戻金型にすると、貯蓄商品にもなります。
ただし、貯蓄として使うには、解約して、解約返戻金を受け取る必要があります。
一生続けるつもりの人にとっては、余計な機能ですが・・・
SOMPOひまわり生命『特定疾病保障保険』

この商品も、オリックス生命『特定疾病保障保険With(ウィズ)』と同じタイプの保険商品です。
急性心筋梗塞と脳卒中の一時金の支払条件は、オリックス生命と同じで、アフラックより広くなっています。
ただし、低解約返戻金型は設定されていません。
ネオファースト生命『ネオdeとりお』

この商品も、上の3つと同じく、三大疾病で一時金が出ます。
ただし、急性心筋梗塞と脳卒中で支払条件は、30日以上の重い症状の継続か、手術を受けることなので、上の3商品より、幅広くなっています。
非喫煙者割引があるので、タバコを吸わない人にはおトクです。
ネオファースト生命は、知名度は低いですが、大手生保の第一生命の系列会社です。
入院給付金と診断一時金が組み合わさった、標準的ながん保険
続いて、標準タイプのがん保険の中から、経年劣化の危険性が低い商品です。
なお、このタイプは、入院給付金(入院日数分の給付金が出る)が主契約に組み込まれているものが多いです。
すでに医療保険に加入されていると、そちらの入院給付金と重複する危険があります。ご注意ください。
がん保険の検討・見直しは、保険の専門家を上手に活用しましょう。
がん保険自体は、わりと単純な仕組みです。しかし、検討し始めると、上で説明したように、長く続けるための入り方とか、がん保険以外のこととか、考えることはいろいろあります。
また、がんの治療の実態についても、ある程度知っておきたいです。
幅広く検討し、判断を下さなければなりません。迷ってしまいそうです。
迷うだけならまだしも、判断ミスをすると、ダメージは大きくなります。がん保険は、長く続ける可能性が高い保険ですから。
保険の専門家の活用をお勧めします。その具体的な方法は、以下でご案内しています。
を、ご覧ください。