がんに強い医療保険

がんに強い医療保険

医療保険には、がんに使える特約がいろいろとあるようですね。

医療保険だけでも、がんに備えられますか?

医療保険だけでも、十分に対策できます。

というか、がんに使える特約が多いので、選ぶときの注意点を、このページでご説明します。

医療保険の標準の保障だけでは、通院でできる治療に対処しきれません。特約で補強しましょう。

医療保険のメインの保障は、通常は入院給付金と手術給付金です。この2つはほとんどの商品の主契約に組み込まれています。

標準の入院給付金で、がんの入院に対策できる

厚生労働省『患者調査』(平成29年)によると、がんの入院1回あたりの在院日数は16.1日です。これは、すべての病気・ケガの平均より短い期間です。

がんは怖い病気ですが、こと入院日数に関しては、むしろ軽い病気です。

高額療養費制度を利用することが前提になりますが、医療保険の入院給付金日額を10,000円にしておけば、健康保険が適用される医療費分だったら、十分にまかなえるでしょう。

がんの入院を日数無制限で保障する医療保険が、たくさんあります。

あって邪魔にはなりませんが、必要性は低いです。

通院治療への対策が、検討のポイント

医療技術の進歩により、がんは入院しなくても治療できる病気になりつつあります。

厚生労働省『患者調査』(平成29年)によると、がんの通院患者数は、入院患者数の1.46倍になります。

放射線治療など一部の治療を除くと、通院費用は、短期間のまとまった出費になりにくいです。

ですから、通院費用は預貯金から支出する(=保険では対策しない)と割り切っても良いと思います。

逆に、通院費用も保険で用意するなら、主契約だけでは足りないので、特約を付加しましょう。

がんだけ?三大疾病?七大生活習慣病?

当然ながら、特約の品ぞろえは、医療保険によって異なります。おおざっぱに、次の3タイプに分かれます。

  • がん専用の特約がある。
  • がんを含めた三大疾病の特約がある(がん以外は、急性心筋梗塞、脳卒中)。
  • 三大疾病を含めた、7大○○病、8大○○病の特約がある(各社工夫しています)。

どのタイプを選んでも、がんに関しては同程度の保障を受けられます。

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通院費用は診断給付金か通院給付金で対策

がんの通院費用の対策としておすすめなのは、次の2つの給付金です。

診断給付金(診断一時金)

がんの診断が確定したら、まとまった金額の一時金が出ます。

給付金の金額を200万円、300万円に設定したら、この給付金だけで治療費用のすべてをカバーできるかもしれません。

逆に50万円くらいに設定して、他の給付金と組み合わせることもできます。

診断の確定が給付の条件なので、早い時点で、その後の治療の進め方にかかわりなく、まとまったお金が手に入ります。

ただし、給付金の金額と、実際にかかる費用とが、かけ離れやすいです。

なお、診断給付金は、ほぼすべての医療保険で提供されています。

がん通院給付金

がん通院給付金の多くは、入院することが前提になっていて、その前後の一定期間の通院費用を保障する仕組みです。

入院せず、通院だけで治療するときに使える通院給付金は少ないです。

選択肢が少ないと、「通院給付金は希望通りだけど、他の部分が希望に合わない・・・」となるリスクがあります。

よって、現時点で、がん通院給付金は、決め手になりません

具体的な治療法にリンクした給付金は×

最近、治療法にリンクした給付金が増えています。たとえば、次のような給付金です。

  • 治療給付金
  • 手術給付金
  • 放射線治療給付金
  • 抗がん剤治療給付金
  • ホルモン剤治療給付金

これらの給付金は、地雷になる恐れがあります。

なぜなら、治療法は時代とともに変化するからです。5年、10年で大きく変わることはないかもしれませんが、20年後30年後のことはわかりません。

医療保険やがん保険は一生続けるものなので、治療法にリンクした給付金は避けたいです

つまり、治療法にリンクした給付金を避けながら、診断給付金(診断一時金)で対策をするのがおすすめ、ということですよね!?

診断給付金(診断一時金)による対策のやり方と、おすすめ商品をご案内します。

もっともおすすめしやすい、医療保険によるがん対策は、診断給付金特約の付加です。

メリットをまとめると、次の通りです。

  • がんの診断が確定したら給付金が出るので、使い勝手が良い(通院にも回せる)。
  • ほとんどの医療保険で提供されているので、商品の選択の幅が広い。

診断給付金(診断一時金)の金額

診断給付金特約を付加するときに、もっとも悩みそうなのが、給付金(一時金)の金額設定です。

がんは、治療法がいろいろあるうえに、再発・転移の恐れがあるため、〇〇万円あれば十分と言いにくい病気です。

がんの治療費用総額は平均115万円

がん保険は必要か!?でご案内した調査によると、がん治療にかかる総費用は平均115万円でした。

そして、300~400万円くらい確保できたら、たいていのケースに対応できそうです。

ただし、入院費用と手術代は、医療保険の主契約から出るので(入院給付金と手術給付金)、診断給付金での準備は不要です。

また、最近の医療保険には、同じように放射線治療給付金が主契約に組み込まれています。これも省けるかもしれません。

治療費総額の平均115万円を基準に考えると、診断給付金100万円くらいあれば、カバーできそうです。

通院に治療のうち、費用の面で一番気になるのは、放射線治療です。

短期間(1ヵ月前後)に集中的に実施されて、まとまった医療費が発生します。

他方、抗がん剤治療やホルモン剤治療は、通常は数ヵ月かけておこなわれるので、まとまった出費にはなりにくいです。

ただし、投与する薬が高価であれば、治療にかかる総額は大きくなります。

複数回給付される診断給付金なら50万円~

ただし、診断給付金特約には、給付金が複数回出るものが増えています。

たとえば、明治安田生命の「がん保障特約」の場合・・・

  • はじめてがんの診断が確定したときに一時金給付。
  • それから2年以上経過して、新たにがんの診断が確定したら、再度給付。
  • 給付回数に制限なし。

という仕様です。

明治安田生命ロゴ

他社でも、これに似た仕様になっています。

このタイプなら、診断給付金の設定は50万円でも何とかなりそうです。

もらえる金額は、再発しなければ50万円、1回再発したら50万円が2回で100万円・・・ということですね。

50万円というのは、あくまでも「最低このくらいは欲しい」という金額です。

通院費用と雑費くらいはカバーできそうな金額、くらいに考え下さい。

より充実度の高い診断給付金(一時金)特約

診断給付金特約は、それほど複雑な保障ではないので、どれを選んでも、決定的な違いはありません。

とは言え、細かい部分での違いはありますし、少しでも充実したものを選んでいただきたいです。

違うとしたら、以下の点です。

  • 指定できる給付金額の範囲。
  • 2回目の給付の条件。
  • 三大疾病の特約の場合は、急性心筋梗塞と脳卒中の給付条件。

各社の医療保険を比較し、優れているものを以下にピックアップしました。

保険商品 メリット
オリックス生命
CURE Next(キュア・ネクスト)
  • 「がん一時金特約」または「重度三疾病一時金特約」
  • がん一時金の2回目以降給付は、1年1回を限度(2年に1回が多数派)。
  • 急性心筋梗塞、脳卒中の給付条件は入院開始(他社は、20日以上入院など)。
FWD生命
医療ベスト・ゴールド
  • 「特定疾病一時金特約」(三大疾病対象)
  • がん一時金の2回目以降給付は、入院(継続入院を含む)、通院とも対象(通院まで含めるのは珍しい)。
SOMPOひまわり生命
健康のお守り
  • 「医療用新がん診断給付特約」
  • がん一時金の2回目以降給付は、1年1回を限度(2年に1回が多数派)。
  • がん一時金の2回目以降給付は、診断確定が条件(他社は、入院などが条件)。
ネオファースト生命
ネオdeいりょう
  • 「がん診断特約」
  • がん一時金の2回目以降給付は、1年1回を限度(2年に1回が多数派)。
三井住友海上あいおい生命
&LIFE新医療保険Aプレミア
  • 「がん診断給付特約」
  • がん一時金の2回目以降給付は、1年1回を限度(2年に1回が多数派)で、新規入院だけでなく継続入院でも対象になる。

再発のしやすさはがんの種類やステージによって異なるそうですが、たとえば日本人に最も多い大腸がんの場合、再発する人の約85%が手術から3年以内に、約95%が5年以内に見つかるそうです。

そう考えると、2回目の給付も気になります。

ほとんどの場合、2年に1回限度で問題なさそうですが、1年に1回の方がより安心ではあります。

1回あたりの給付金額を大きくできないなら(50万円以下とか)、1年に1回の方が安心です。

保険料にも影響するので、見積もりしながらご検討ください。

数ある保険商品の中から、ご自分に合った保険を賢く選択する方法は、こちらをご覧ください。

実際に生命保険を選ぶときは、がん保険の中身だけでなく、ご予算、他に加入している保険、老後に向けての貯蓄計画などを踏まえて判断しなければなりません。

主要な商品の見積もりを入手し、保険の専門家に相談しながらご検討ください。

生命保険を比較して選ぶ、手軽で安心な方法は、
賢い生命保険の入り方
をご覧ください。