三大疾病の通院費用を準備する
三大疾病では、通院で治療に取り組む患者が多くなっています。もはや、三大疾病=入院、とは言えなくなっています。
三大疾病は、どれも命にかかわる重病です。だからと言って、必ず入院で治療に取り組むとは限りません。
日本人にとって重要な病気だけに、医療技術の進歩は目覚ましく、今や多くの人が、通院でこれらの病気に取り組んでいます。
がんと心疾患は、通院で治療する患者の方が多い
三大疾病の総患者数と通院患者数を、厚生労働省の『患者調査』(平成26年)をもとに、調べました。
病名 | 総患者数 | 通院患者数 | 通院率 |
---|---|---|---|
がん(悪性新生物) | 300,800人 | 171,400人 | 57.0% |
心疾患 | 193,900人 | 133,900人 | 69.1% |
脳血管疾患 | 253,400人 | 94,000人 | 37.0% |
ご覧の通り、がんと心疾患は、通院で治療に取り組む患者数の方が、入院より多くなっています。
脳血管疾患は、割合は低いですが、通院患者数は少なくありません。
退院後、過半数は通院を続ける
厚生労働省『患者調査』(平成26年)より、三大疾病の退院後の行き先をまとめたグラフです。

3つの病気とも、ほとんどの患者は、退院後も何らかの形で治療を続けています。がんと心疾患は、退院した人の90%前後が通院を続けます。
脳血管疾患では、むしろ退院後に通院に移行できれば、運が良い方と言えそうです。3割以上は、別の病院や施設に転院しています。
以上のような現状なので、三大疾病の対策を検討するとき、通院治療にも意識を向ける必要がありそうです。
三大疾病のうち、がんの通院費用は、高額になる傾向が強いようです。
一般的には、通院は、入院のように、短期間のうちにまとまった出費が生ずるわけではありません。とは言え、上で説明したように、七大生活習慣病は長く付き合う病気ばかりです。積もり積もって治療費は大きくなりそうです。
というわけで、それぞれの病気の、通院費用総額を知りたいところです。しかし、そのような(信頼できそうな)統計は見つけられませんでした。
通院は、患者が治療を中断したり、途中で病院を変えたりなどがあるので、もともと正確にはつかみにくいのかもしれません。
三大疾病の通院費用
そこで、厚生労働省『医療給付実態調査』(平成26年)をもとに、三大疾病の、通院1回あたりの医療費と自己負担額(3割負担の場合)を調べました。
病名 | 通院1件あたりの医療費 | 自己負担額(3割) |
---|---|---|
がん | 45,090 | 13,527 |
心疾患 | 17,253 | 5,176 |
脳血管疾患 | 16,406 | 4,922 |
全病気・ケガの平均 | 13,656 | 4,097 |
この表を見たところ、がんの治療費が、飛び抜けて高いようです。
一方、虚血性心疾患と脳梗塞は、全病気・ケガの平均よりやや高い程度、にとどまっています。
がんを中心に対策を検討する
がんには三大治療と呼ばれる、主流の治療法があります。外科手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つです。
このうち、放射線治療と抗がん剤治療は、通院でおこなわれる機会が増えています。
通院とは言え、高価な装置や薬が使われますから、それなりの費用が発生します。
それに対して、心疾患や脳血管疾患の通院治療は、退院後の経過を診たり、予防や再発防止のための薬物治療や生活指導等をおこなうのが、メインのようです。
予防や再発防止ということは、通院期間は長引きそうですが、1回あたりの費用は高額になりにくいし、(通院治療と比べると)通院の頻度は低くなりやすいようです。
というわけで、三大疾病の通院費用の準備をするなら、がん優先で検討を進めるのがよさそうです。
多くの医療保険が、通院特約を用意していますが、三大疾病の通院では、あまり頼りにできません。
通院特約を用意している医療保険は、少なからずあります。しかし、制約が多くて、三大疾病の通院では、あまり頼りにできません。
医療保険の通院特約は、以下のタイプのどれかに当てはまります。
- 通院特約を使える 期間が限定されている。
- 通院特約を使える 病気が限定されている。
入院前後の数ヵ月間しか使えない通院特約
通院特約の多くがこのパターンです。たとえば、退院後の6ヵ月以内の通院費用を保障というように。
年単位になることが少なくない三大疾病の通院では、頼りにできません。
がんの通院のみ、長期間の通院を保障する
がんに限って、年単位の通院を保障する、という通院特約ならあります。
もっとも、医療保険によって、こまごまとした制限が設けられています。
たとえば、オリックス生命は、がんの治療法を限定しています。
メディケア生命は、退院後5年間のがんの通院費用を保障します。つまり入院することが前提条件になっています。
上でご説明したように、三大疾病の中では、がんの通院費用が、もっとも気になります。がんの通院特約を医療保険に付加することで、その不安を取り除くことができます。
ただし、心疾患と脳血管疾患の通院費用は、別に考える必要があります(医療保険以外の方法を含めて)。
三大疾病への準備を検討し、適切に商品やサービスを選ぶには、家計や保険の専門家を上手に活用しましょう。
三大疾病対策として、何を重視し、そのためにどういう手段をとるのか。
的確な判断をするためには、三大疾病の治療の実態、健康保険や高額療養費制度の仕組み、保険の仕組みや各社の商品内容などに、詳しくなければなりません。
その一つ一つを勉強するのは、かなりの時間と能力が必要になります。また、勉強したからといって、適切に判断できるとは限りません。
そこで、家計や保険の専門家を上手に活用することをオススメします。そのための手軽で安心な方法は、
賢い生命保険の入り方
をご覧ください。