三大疾病で一時金が出る特約

三大疾病で一時金が出る特約

三大疾病で一時金が出る特約があります。保険料は高くなりますが、一時金の使い道は自由です。

ほとんどの医療保険で、三大疾病で50万円とか100万円とかの一時金をもらえる特約が用意されています。

一時金特約は、使い勝手が良い

一時金特約には、入院給付金と比べたとき、2つのメリットがあります。

  • 一時金特約は、条件を充たせば、入院中や入院前でも請求できる。現金が早く手に入ることを期待できる。
  • お金の使い方を、自由に決めることができる。通院費用や治療費以外に回すこともできる。

もちろん、デメリットもあります。

  • 一時金の金額は、加入するときに決めた金額に固定される。
  • 保険料が高くなりやすい。
  • 一時金の金額が出るための、細々とした条件が設けられている。

デメリットについて、補足説明します。

一時金の金額は、加入するときに決めた金額に固定

入院給付金は、入院日数に応じて金額が決まります。病気がこじれて入院が長引けば、医療保険から出る入院給付金額も増えます。

一時金の場合、医療保険に加入する時点で、受取額を決めます。だいたいは50万円か100万円です。
病状に関係なく、医療保険から出る金額は固定されています。

なお、ほとんどの三大疾病一時金特約は、一時金が複数回出る仕組みになっています。いくつかの制約はありますが(通算の回数とか、前回からの期間とか)、三大疾病の再発・転移には対処できます。

三大疾病一時金の保険料は高い

35歳の女性が、入院給付金日額5,000円、1入院60日限度、終身払込の条件で、アフラック『医療保険EVER Prime』に加入すると、月々の保険料は1,685円になります。

この女性が、50万円の三大疾病一時金特約を付加すると、月々の保険料は1,160円アップします。
一時金100万円だと、保険料は2,320円アップします。値上がりする金額が、もとの医療保険本体の保険料より高くなってしまいます。

ただし、保険料が高いということは、使う可能性が高い特約である、とも言えます。保険会社は、保険金や給付金を出す可能性が高いものほど、保険料を高くしますから。

一時金を受け取るには、細々とした条件がある

お金が出るための、細々とした条件があるのは、三大疾病の一時金特約に限ったことではありません。ただし、三大疾病の一時金特約の、一時金が出る条件には、注意が必要です。

よく見かけるのは、以下のような条件です。

がん 診断の確定。
急性心筋梗塞
  • 入院 または
  • 20日以上の入院 または
  • 手術
脳血管疾患

がんは、診断確定が条件なので、入院しなくても、つまり通院治療だけでも一時金が出ます。

他の2つは、入院か手術が条件になっています。つまり、受け取った一時金を通院費用に回すとしても、退院後の通院に限定されます。

このように、病気によって取り扱いが異なっています。

三大疾病の一時金の特約は、保険料が高く、しかも各社の医療保険ごとに、保険料が大きく違います。

三大疾病の一時金の特約は、ほとんどの医療保険で用意されています。

加入を検討するときに気をつけていただきたいのは、特約単体の保険料が高い上に、各社の医療保険によって、価格設定に大きな開きがあることです。

医療保険によって保険料が大きく異なる

医療保険によって、どのくらい保険料に差があるのか。実際の商品を見積もりして、まとめました。

40歳女性が、一時金を50万円に指定したときの、一時金特約単体の保険料と保障内容の表です。

月々の保険料
(特約単体)
保障内容の特徴
アフラック 1,345
  • がんは診断確定が条件。
  • その他は手術または20日以上入院が条件。
  • 2年に1回の支払い限度。
オリックス生命 1,210
  • がんは診断確定が条件。
  • 入院が条件。
  • 1年に1回の支払い限度。
東京海上日動
あんしん生命
2,973
  • 三大疾病を含む六疾病を対象。
  • がんは診断確定が条件。
  • その他は入院か治療開始が条件。
  • 1年に1回の支払い限度。
チューリッヒ生命 1,305
  • がんは診断確定が条件。
  • その他は入院が条件。
  • 2年に1回の支払い限度。
メットライフ生命 1,210
  • がんは診断確定が条件。
  • その他は手術または20日以上入院が条件。
  • 1年に1回の支払い限度。
メディケア生命 725
  • がんは診断確定が条件。
  • その他は手術が条件。
  • 支払いは通算して1回のみ。
三井住友海上
あいおい生命
851
  • がんは診断確定が条件。
  • その他は入院が条件。
  • 2年に1回の支払い限度。

最も安いメディケア生命と、最も高い東京海上日動あんしん生命とでは、保険料は4倍違います。ただし、保障の厚みにも、かなりの差があります。

見積もりを作成する時点で、この特約を保障内容に含める

もしこの特約に興味があるなら、医療保険の検討を始める時点から、この特約を含めて見積もりをしましょう。

三大疾病の一時金特約のように、保険料が大きい特約を、検討の途中から付け加えると、それまでの検討が時間のムダになってしまいます。

主契約だけなら一番割安な医療保険が、三大疾病の一時金特約を付加することで、割高になってしまう危険があるからです。

三大疾病への準備を検討し、適切に商品やサービスを選ぶには、家計や保険の専門家を上手に活用しましょう。

三大疾病対策として、何を重視し、そのためにどういう手段をとるのか。

的確な判断をするためには、三大疾病の治療の実態、健康保険や高額療養費制度の仕組み、保険の仕組みや各社の商品内容などに、詳しくなければなりません。

その一つ一つを勉強するのは、かなりの時間と能力が必要になります。また、勉強したからといって、適切に判断できるとは限りません。

そこで、家計や保険の専門家を上手に活用することをオススメします。そのための手軽で安心な方法は、
賢い生命保険の入り方
をご覧ください。