保険料が全額もどる医療保険

ある年齢になると保険料が全額もどる医療保険

加入して、所定の年齢に達すると、それまでに払い込んだ全額が、そっくりそのままもどってくる医療保険があります。

このタイプの医療保険は、近年開発された、新しい仕組みの保険です。この仕組みを採用している商品はまだ少ないです。

  • 東京海上日動あんしん生命『メディカルKit R』
  • メディケア生命『メディフィット リターン』

このタイプの仕組みをわかりやすく整理すると、以下のようになります。

医療保険の健康還付給付金の仕組み
もどる金額 所定の年齢(60~80歳の間で指定できる)までに、払い込んだ保険料の全額。
もどるタイミング 所定の年齢(60~80歳の間で指定できる)。1回きり。
もどった後 健康還付給付金を受け取った後も、保険料の払い込みはこれまで通り続く。
保険を使ったら 健康還付給付金をもらうまでに、保険から給付金を受け取ったら、その分は健康還付給付金から差し引かれる。

結局、健康還付給付金を受け取った後も、保険料の払い込みは続きます。その保険料は、すべて掛け捨てになります。

健康還付給付金がある医療保険は、一般タイプの医療保険と比べて、保険料はかなり高いです。

東京海上日動あんしん生命には、上でご紹介した『メディカルKit R』とは別に、医療保険『メディカルKit NEO』があります。
『メディカルKit NEO』には、健康還付給付金はありません。普通のタイプの医療保険です。

健康還付給付金以外の保障内容を同じにして、『メディカルKit R』と『メディカルKit NEO』の保険料を、比較してみました。

35歳の女性が、お金を受け取る年齢を70歳として『メディカルKit R』に加入した場合と、『メディカルKit NEO』に加入した場合の、月々の保険料は下のとおりです。。

メディカルKit R メディカルKit NEO
月々の
保険料
3,630 1,549

保障内容はほぼ同じですが、月々の保険料は『メディカルKit R』が倍以上高いです。

東京海上日動あんしん生命の商品で例をご覧いただきましたが、メディケア生命の商品でも同じ傾向です。

保険に加入している期間を通算すると、健康還付給付金がある医療保険は、実は割安です。

健康還付給付金のある医療保険は、1回ごとに払い込む保険料は大きいですが、長い目で見ると割安になります。

やはり、東京海上日動あんしん生命の商品で、実例をご覧いただきます。
上でご覧いただいた試算で、60歳まで、70歳まで、87歳(女性の平均寿命)までの、実質的な保険料負担合計は、下のようになります。

メディカルKit R メディカルKit NEO
60歳までの
実質負担
1,089,000 464,700
70歳までの
実質負担
0 650,580
87歳までの
実質負担
740,520 966,576

『メディカルKit R』の方が、保険料が高いので、60歳の時点で、保険料の累計は100万円を超えています。

しかし、70歳になると、それまでに払い込んだ全額(1,524,600円)が、健康還付給付金としてそっくりもどってきます。だから、70歳時点での実質負担は0円です。

『メディカルKit R』では、健康還付給付金を受け取った後も、保険料の払い込みは続きます。それでも、87歳(日本人女性の平均寿命)までの実質負担は、『メディカルKit NEO』より、20万円以上安くなっています。

メディケア生命『メディフィット リターン』なら、健康還付保険金が、保険料総額より多くなるプランも可能です。

メディケア生命『メディフィット リターン』でも、健康還付給付金を受け取る年齢になると、それまでに払い込んだ保険料が100%戻ってきます。
しかも、それだけではありません。

メディケア生命『メディフィット リターン』には、健康還付保険金が、保険料総額より5%増えて、105%になって戻るプランも用意されています。

30歳の男性が、65歳で健康還付給付金を受け取る条件で、入院給付金日額5,000円の保障に加入したときの、保険料の試算をご覧ください。

100%もどるプラン 105%もどるプラン
月々の
保険料
3,665 4,130
60歳までの
実質負担
1,319,400 1,486,800
65歳までの
実質負担
0 -86,730
80歳までの
実質負担
659,700 656,670

80歳(男性の平均寿命)まで続けると、100%のプランでも、105%のプランでも大差ありません。
長く続けるなら、保険料の高い105%のプランを選ぶメリットは乏しいようです。

105%のプランを選ぶなら、65歳で健康還付給付金1,734,600円を受け取って、そのまま解約しても良いでしょう。
医療保険は無くなりますが、かわりに1,734,600円を今後の入院費用として積み立てておきます。

医療保険選びでは、各社の見積もりを比較して、納得して決断しましょう。そのために、保険のプロの活用を、お勧めします。

医療保険は、一生付き合うかもしれない保険です。だからこそ、どれがニーズに合っているか、どれがオトクかを判断するにも、長期的な視点から検討を重ねたいものです。

また、上でご案内したように、各社の商品内容は、似ているようでありながら、具体的な金額にすると、明確な違いがあります。
保険に不慣れな人が、シミュレーションするのはけっこうな負担になります。そして、計算ミス、判断ミスの心配があります。

保険の専門家を上手に活用することをオススメします。そのための手軽で安心な方法は、
賢い生命保険の入り方
をご覧ください。