アカウント型保険は、仕組みをちょっと複雑にして、割高な保険料をごまかすための、戦略商品です。

アカウント型保険とは、明治安田生命の「ライフアカウントL.A」、第一生命の「堂々人生」、住友生命の「Wステージ」「ライブワン」、朝日生命「保険王プラス」、三井生命「大樹セレクト」「ベクトルX」などです。

アカウント型保険は割高な保険料をごまかすための戦略商品

アカウント型保険の登場前は、定期付終身保険が国内大手生保の主力商品でした。定期付終身保険は、一般家庭に必要であろう保険をセットにした保険商品です。

定期付き終身保険の仕組み図

この保険は、効率的に保険を売りまくるのに適していました。
しかし、もっと保険を売りたい保険会社とって、定期付終身保険には欠点がありました。セットされている個々の保険の保険料が、消費者の目にわかりやすい点です。

国内大手生保の経営にはとにかくお金がかかるので、保険料はかなり割高です。定期付終身保険の見積書をじっくり比較されると、割高であることはバレバレでした。

定期付終身保険の保険料は、図のように、個々の独立した保険の保険料を合計した金額そのまんま。個々の保険の保険料は、現在も将来も明確です。他社と比べられてしまうと、割高であることが、簡単にバレてしまいます。
こうした定期付終身保険の弱点を解消するために開発されたのが、アカウント型保険です。

ちょっと複雑にすることが狙い

そこで、一つ一つの保険の保険料が見えなくなる保険商品が開発されました。それがアカウント型保険です。

アカウント型保険の仕組み図

アカウント型保険では、図のように、加入者が払い込んだ保険料は、いったんアカウントに入って、その後それぞれの保険に振り分けられます。

払い込んだ保険料の流れに、アカウントという一つのステップが加わっただけですが、それのせいで、現在の保険料の内訳はともかく、将来の保険金額や保険料の予測が、消費者にとって難しくなってしまいました。ちょっとしたことを知るために、いちいち保険会社に問い合わせなければ、わかりません。

このちょっとした違いが、国内大手生保の狙いでした。
定期付終身保険のときは、見積書や設計書をじっくり見れば、メリット・デメリットを見抜くことができました。アカウント型保険では、それをするのが飛躍的に面倒臭くなりました。

わたしのささやかな経験で言いますと、定期付終身保険ですら、加入する方たちの半分近くは、自分が入ろうとしている保険の仕組みを理解し切らないまま、契約していました。セット商品型の保険は、とにかくややこしいですから。
それでも加入されたのは、国内大手生保のブランドだったり、営業担当者の熱意だったり、職場の先輩・同僚が加入している事実だったり・・・

定期付終身保険ですらそんな状態なので、もっとややこしくて、わかりにくいアカウント型保険だったら、より効率的に加入者を増やせそうです。

割高な保険だから、おすすめできません

この保険をお勧めしないのは、単に保険料が割高だからです。

アカウント型保険は、すべて更新型(10年ごとに保険料がアップ)です。現在加入していて、保険料を高く感じていないとしても、数年後には更新後保険料の高い値段にあきれることになるはず。

そして、上でご説明したアカウント=保険の口座による、加入者のメリットは何もありません。
保険料が安くないのはもちろんとして、死亡保障、医療保障などの保障の内容は、それ以前の保険と同じです。

隠れアカウント型保険にご注意を

「アカウント型」のイメージが悪いせいか、パンフレットやホームページで「アカウント」という言葉を使っている商品は、ほとんどありません。

しかし、実質的にアカウント型保険である商品は、まだ複数あります。こうした"隠れ"アカウント型保険にご注意ください。

現在販売されているアカウント型保険は『入ってはいけない生命保険』をご覧ください。

アカウント型保険に加入していたら、すぐにでも他社商品に乗り換えましょう。アカウント型保険は解約です。

他社に乗り換えるにあたって、定期付終身保険の場合は、いくつか温存する方法がありました(参考:『定期付終身保険の見直し方』)。わたしが調べた限り、アカウント型保険では、同じ方法を使えないようです。

よって、あっさり解約してしまいましょう。

アカウント型保険には、いずれ更新の時期がやってきます。そのときが、生命保険を見直すタイミングとして、ありがちです。
ただし、それはギリギリ最後のチャンスです。更新の時期まで待たず、思い立ったときに実行すべきです。
なぜなら、

  • 年齢とともに、月々の保険料は高くなります。早く手を打つほど、保険料は安くなります。
  • 新しい保険に早く加入した方が、生涯に支払う保険料の合計額も、少なくなります。
  • 健康状態によって、生命保険に入れなかったり、保険料が割増されることがあります。健康なうちに、いい条件で加入しましょう。

なお、新しい生命保険の契約手続きが完了するまでは、古い契約には手をつけないでください。
何かの理由で、新しい生命保険に加入できないことがあるので。

他社への乗り換え方

以下のような手順で、他社への乗換えを進めてください。

1.他社乗り換えの期限を確認

他社への乗り換えを計画的に進める上で、以下の3つの期限が考えられます。

  • 現在加入している生命保険の更新日
  • 次の誕生日
  • 現在加入している生命保険の、保険料引き落とし日

現在の生命保険の更新日が来ると、保険料が大幅に上がってしまいます。その前に、他社への乗換えを終える必要があります。

保険料が安いカタカナ系生保・損保系生保では、誕生日を迎えると契約年齢が一つ上がって、保険料が少し高くなります。保険料を下げるために生命保険を見直すのなら、次の誕生日までに、他社への乗換えを終えたいです。

そして、他社への乗換えを決めた後で、古い保険に保険料を何回も払い込むのは、すっきりしません。どうせなら、保険料引き落とし前に、乗り換えと解約を終えたいです。
ただし、引き落とし日を意識するあまり、新しい保険の検討がいい加減になっては本末転倒ですが。

この3つの期日を確認することが、第一歩です。

2.現時点での、必要な保障と保障額を調べる

保障を一新するわけですから、現時点での、必要な保障と保障額の見通しを立てます。
このあたりから、保険ショップやファイナンシャル・プランナーの活用をお考えください。

3.新しく加入する保険を決めて、実際に加入する

新しく加入する保険の選定に当たっては、このサイトの『おすすめする生命保険の入り方』以下の各ページを参考にしていただければ幸いです。

いずれにしても、今後保険の抜本的な見直しをしなくてもいいように、保険のプロのご活用をお勧めします。

4.アカウント型保険を解約する

健康状態に問題があって新しい保険への加入を断られたり、期待通りの生命保険が見つからない可能性があります。
よって、念のために、新しい保険のすべての手続きが終わった後に、古い方の生命保険を解約してください。
保険証券と契約したときの印鑑があれば、簡単に手続きできるはずです。

解約を事前(新しい保険に加入する前)に、アカウント型保険の保険会社に通知する必要はありません。引き止められたりして、面倒なだけかもしれかもしれません。
ただし、解約返戻金(解約してもどってくるお金)の金額を先に知っておきたいとか、解約の書類を先に入手しておきたいなどの事情があるときは、早めに動いても支障ありません。

生命保険の見直しは、保険のプロに相談しましょう。

保険を見直すときは、保険のプロに相談しましょう。
ただし、保険にかかわる職業なら誰でも良いわけではありません。少なくとも、次の2つの条件をみたせる人に相談したいです。

  • 保険の見積書、設計書を、ふだんからたくさん作成している。
  • 多数のカタカナ生保・損保系生保の保険商品を取り扱っている。

保険の見積書、設計書を作りなれていれば、保険料の相場がわかっているし、保険料を下げるポイントを短時間で見抜くことができます。
また、今後は見直さなくてもいいように、主要なカタカナ生保・損保系生保の保険商品を、一通り比較して選びたいですよね。

しかし、どうすれば保険のプロに相談できるのでしようか!?

意外と簡単に、しかも無料で、保険のプロに相談する方法があります。
詳しいことは

を、ご覧ください。

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

  • FP(ファイナンシャル・プランナー)は、保険を含む、資産・家計・税務知識の公的資格保有者。
  • 保険商品知識中心の保険外交員、保険ショップ店員とは一味違います。
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