つぶれにくい保険会社を見分けるときの、分かりやすい判定基準は、加入者数の多さです。

生命保険会社とは一生の付き合いになります。その長い年月の間に生命保険会社が破綻したら・・・

1年~数年ごとに更新する損害保険と違って、生命保険選びでは、保険会社の見きわめも、大きなポイントになります。

国内で営業するすべての生保会社は、生命保険契約者保護機構に守られる

生命保険会社が破たんすると、外資系であろうと、最近できた会社であろうと、わたしたち加入者は生命保険契約者保護機構の支援を受けることができます。

と言っても、破たん前とまったく同じ保障を受けられるとは限りません。破綻した会社の経営状態や保有契約の内容などが思わしくなければ、当初より保障が小さくなるかもしれません。
投資的な商品や好利回り商品は、特に保護を受けにくいです。

ということですから、破綻しそうにない生命保険会社を選びたいです。

ソルベンシー・マージン比率や企業格付は、意外と使えない

生命保険会社の経営の健全性を評価する基準として、ソルベンシー・マージン比率企業格付があげられます。

確かにその通りなのですが、実際の生命保険選びでは、この2つはイマイチ当てになりません。というのは・・・

  • ソルベンシー・マージン比率では、将来性を見通せない。
  • 格付を知りたい会社の格付が、無いことが多い。

ソルベンシー・マージン比率は、将来を占うには向かない

ソルベンシー・マージン比率は、各保険会社が定期的に公表しますが、1年くらいでもかなり上下します。保険会社間の優劣も、頻繁に入れかわります。
現時点で危ない保険会社を見つけるには役に立ちますが、将来を占うには向いていません。

格付けの無い保険会社がちょいちょいある

格付というのは、企業評価を専門にしている格付会社による、保険会社のランク付けです。

格付会社は民間企業で、複数あります。依頼のあった保険会社をランク付けします。
ランク付けには、初期の費用に加えて、毎年の更新料がかかります。

そういう仕組みのサービスなので、格付けの無い保険会社も、ちょいちょいあります。それも、歴史の浅い保険会社ほど、無い確率が高いです。そういう保険会社こそ、専門家による評価=格付を知りたいのですが・・・

もっとも、歴史が浅くて、実績らしい実績が乏しい会社だと、格付会社がランク付けしようとしても、判断材料が不足してしまいます。しかたがありません。


というわけで、ソルベンシー・マージン比率も企業格付も、要チェックには違いありませんが、期待ほどには役に立たないです。

なお、より詳しいことは、ソルベンシー・マージン比率企業格付をご覧ください。

加入者数の多い保険会社ほど、保護を受けやすい

法律などで約束されているわけではありませんが、他の金融機関と比べて、生保会社が破たんしたとき、加入者は保護を受けやすいようです。
それには理由があります。

  • 生命保険は、生活を守るための"最後の砦(とりで)"である。
  • 膨大な数の人が、生命保険会社に加入しており、社会全体への影響が大きい。

生命保険会社は民間企業ですが、国や地方公共団体がおこなう社会保障制度を補う役割を果たしています。それだけに、破たんが起こると、社会不安をあおる程度が、他の業種より大きくなりやすいです。

自己責任が重視される米国ですら、2008年にAIGグループ(米国に拠点を置く保険会社)が経営危機に陥ったとき、政府が大規模な支援を行いました。
当時世界有数だったAIGグループと、日本国内の中堅生保を同列に見ることはできません。しかし、生命保険会社をつぶしにくい、という事情は、米国でも日本でも同じことでしょう。

そういう意味では、保有契約件数の多い保険会社、加入者数の多い保険会社に加入することは、企業の経営や会計の知識を持たない一般消費者ができる、現実的な防衛策と言えます。

加入者が300万人以上いる生保会社

加入者数の多い保険会社を選ぶとして、どのくらいの人数を基準とするかが問題になります。

わたしは、加入者数300万人以上を、一つの目安と考えています。
根拠があるわけではありません。ただ、300万人というと、大阪市や名古屋市の人口を上回る数です。それだけの人々が、破たんの影響を受けるとしたら、政府としても業界としても、放置しておけないでしょう。

というわけで、国内で営業する生命保険会社の中で、加入者数が300万人を超える会社を抜き出しました。

会社名 加入者数
アフラック 1,542万人
オリックス生命 334万人
かんぽ生命 1,776万人
ジブラルタ生命 656万人
住友生命 780万人
ソニー生命 345万人
第一生命 822万人
東京海上日動あんしん生命 325万人
日本生命 1,172万人
三井住友海上あいおい生命 303万人
明治安田生命 667万人
メットライフ生命 534万人

加入者数300万人以上というのは、高いハードルです。それだけに、安定感という意味では、しっかりとした顔ぶれになっています。

もっとも、これらの生保会社は、「つぶれない会社」というより、「つぶれかけても、何とかなりそうな会社」と呼ぶ方が正確かもしれません。

小さくても、歴史が浅くても、バックがしっかりしている生保会社

上の表からは、現時点では保有契約が少ないけれど、バックがしっかりしている生保会社が、抜けています。このような保険会社は数社あります。

できるだけ選択肢を広くしたいので、こうした保険会社も候補に加えましょう。

会社名 コメント
損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 三大損保の一つ損保ジャパン日本興亜の、100%出資のグループ会社です。
第一フロンティア生命 上表に名前のある第一生命の、100%出資のグループ会社です。
ネオファースト生命 上表に名前のある第一生命の、100%出資のグループ会社です。
三井生命 上表に名前のある日本生命の、100%出資の子会社です。
メディケア生命 上表に名前のある住友生命の、100%出資のグループ会社です。

他にも同じような立場の生保会社はありますが、個人向けの保険商品を広く販売している、会社をピックアップしました。


というわけで、上で名前を出した生命保険会社を、あらためてまとめると・・・


  • アフラック
  • オリックス生命
  • かんぽ生命
  • ジブラルタ生命
  • 住友生命
  • ソニー生命
  • 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命
  • 第一生命
  • 第一フロンティア生命
  • 東京海上日動あんしん生命
  • 日本生命
  • ネオファースト生命
  • 三井生命
  • 三井住友海上あいおい生命
  • 明治安田生命
  • メットライフ生命
  • メディケア生命

けっこうな会社数になりました。
ただ、国内で営業している生命保険会社は41社あります(2016年10月現在)。ここに名前があるのは、その半分以下です。

専門家のアドバイスを受けられて、さらに主要各社の見積書がまとめて入手できます。

経営の安定性重視で、生命保険会社を絞り込みました。それでも、けっこうな会社数が残りました。

この後は、各社の商品の保障内容と、保険料とのバランスを見比べて、判断してください。

と言っても、各社の保険商品の見積書・設計書を手元に集めて、商品内容や価格を比較検討するのは、かなりの負担になりそうです。

ここからは、保険の専門家の活用をお勧めします。ただ保険に詳しいだけでは物足りません。上に名前をあげたような保険会社の見積もりを、できるだけ多く入手できる専門家が望ましいです。

生命保険とは、十数年、数十年と長い付き合いになりがちです。専門家の知識・知恵・情報を活用しつつ、最後は納得して決めたいです。

しかし、専門家のアドバイスを受けられて、さらに主要各社の見積書がまとめて入手できるところなんて、あるのでしょうか!?

意外と簡単に、しかも無料で、家計の専門家に相談する方法があります。
詳しいことは

を、ご覧ください。

格付とソルベンシー・マージン比率で、保険会社の経営リスクをチェックしましょう。

われわれ一般人が、生命保険会社の安全性のチェックするための指標は、
格付けソルベンシー・マージン比率(支払い余力)です。

一般に、生命保険会社は、金融監督庁の監視の下、健全で堅実な経営が求められています。そのため、突然に無謀な経営判断をして、経営状態が急変することは考えにくいです。

あるとしたら、経営状況の悪化を、長年にわたって隠していたものが、表面化してしまうケースです。

そのあたりを、格付けやソルベンシー・マージン比率でチェックします。

企業格付

企業の安全性をランキングすることを事業とする、格付会社による評価のことです。格付会社はいくつかあります。ムーディーズ、スタンダード&プアーズ、格付投資情報センター、日本格付研究所などが有名です。

格付け記号の、だいたいの意味

保険会社の経営状態が、アルファベットと数字の組み合わせで評価されます。

評価の表し方は、格付け会社によって微妙に異なりますが、大きな違いはありません。以下のように理解していただければ、判断に迷わないと思います。

格付け
の記号
意味
AAA とても優秀。
AA 優秀。
A まあまあ優秀。
BBB 優良ではあるが、気になる点が無いわけではない。
BB 当面の不安材料はないけれど、今後に注意は必要。
B 不安材料または問題があるので、選べない。
CCC
CC
D

アルファベットの記号に+や-が付くことがあります。たとえば、A+となっていたら、Aの中でも優れていることを表します。A-はその反対です。

保険に加入するかの判断においては、BBB以上の保険会社を選びたいです。ちなみに、2017年現在で、BBBより低いのは朝日生命だけです。

格付けは、意外と役に立たない

保険会社を評価するうえで無視できないので、格付けをご案内しました。ただ、実際のところ、保険商品を選ぶときには、格付けは意外と役に立ちません。
というのは・・・

  • 格付けの無い保険会社がちらほら存在する。
  • 生命保険会社の格付けには、目立った差がない。
  • 格付け会社は、過去にやらかしたことがある(リーマンショック等)。

格付で保険会社の優劣を判断するというより、候補にあげている保険会社の格付けを、念のためにチェックしておくというのが、現実的な使い方です。

ソルベンシー・マージン比率(支払い余力)

法律(保険業法)で定められている、生命保険会社の資金の余裕度を表す指標です。生命保険各社は、決算時に自社のソルベンシー・マージン比率を発表します。単位は%で、数値が大きいほど安全と考えられます。

200%が判定基準だけど・・・

公式の判定基準としては、200%より低くなったら危険とされています。しかし、ソルベンシー・マージン比率の公表が義務付けられた後に、200%を超えていた複数の保険会社が経営破綻しました。

そのような経緯から、ソルベンシー・マージン比率の算定方法は、だんだん厳格化されています。

この数値が低いと悪い評判が立ちます。現状で、各保険会社は、それなりに良い数字を並べています(下の表を参照願います)。
ソルベンシー・マージン比率が悪い数字の保険会社があるとしたら、体裁を取りつくろえないくらいにひどくなっている、ということです。

各社のソルベンシー・マージン比率

以下は2016年3月末のソルベンシー・マージン比率のランキングです。各社の決算資料から引用しました。

1 ネオファースト生命 9,969.9%
2 みどり生命 7,805.6%
3 アリアンツ生命 5,115.6%
4 メディケア生命 3,863.6%
5 東京海上日動あんしん生命 3,378.1%
6 クレディ・アグリコル生命 3,325.0%
7 アクサダイレクト生命 3,025.4%
8 ライフネット生命 2,805.5%
9 ソニー生命 2,722.8%
10 オリックス生命 1,975.1%
11 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 1,771.4%
12 三井住友海上あいおい生命 1,598.4%
13 チューリッヒ生命 1,596.9%
14 かんぽ生命 1,568.1%
17 楽天生命 1,523.5%
18 大同生命 1,341.9%
19 富国生命 1,321.8%
21 SBI生命 1,299.3%
20 T&Dフィナンシャル生命 1,260.7%
21 ソニーライフ・エイゴン生命 1,111.7%
22 FWD富士生命 1,009.2%
23 三井住友海上プライマリー生命 985.5%
24 マニュライフ生命 960.9%
25 明治安田生命 938.5%
26 エヌエヌ保険 919.9%
27 日本生命 903.7%
28 第一生命 900.8%
29 太陽生命 890.6%
30 ジブラルタ生命 890.0%
31 メットライフ生命 870.0%
32 三井生命 854.8%
33 アフラック 848.2%
34 住友生命 835.4%
35 プルデンシャル生命 810.5%
36 PGF生命 784.1%
37 アクサ生命 761.2%
38 マスミューチュアル生命 734.9%
39 朝日生命 691.5%
40 フコクしんらい生命 677.0%
41 カーディフ生命 653.4%
42 第一フロンティア生命 522.9%

最下位の保険会社でも500%を超えています。200%を危険水域とみなすなら、現時点ですぐに具合が悪くなりそうな会社は無い、ということになります。

ソルベンシー・マージン比率の注意点

ソルベンシー・マージン比率が大きいほど、その会社の保険金支払い能力は高いということになり、それだけ安心です。

ただし、この数値は、1年で数百%の範囲で変動することが、ザラにあります。だから、1年分だけで他社との上下関係を比較することに、さほどの意味はありません。

また、設立されて間もない会社や、営業形態を変更した会社は、ソルベンシー・マージン比率が大きな数字になりがちです。上位にある会社の方が安心、とは限りません。

結論としては、候補にあげている会社のソルベンシー・マージン比率が、極端に低くないか(200%に近づいていないか)をチェックする、という使い方をお勧めします。

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。

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