生命保険会社とは、長い付き合いになります。親切で信用できる会社を選びたいです。

生命保険に加入することは、ある意味、会員制のサービスに入ることと似ています。

商品の保障内容が大事なのはもちろんですが、保障というサービスを、どれだけ誠実に、迅速に、分かりやすく、親切に実施してくれるか、にも注意をはらいたいです。

社会問題になった保険金不払い

かつて、平成17〜20年頃に、大量の保険金不払いが発覚し、社会問題になりました。

金融庁の最終報告によると、生命保険会社37社で、135万件、973億円もの支払い漏れが見つかりました。

多かったのは、以下のようなケースです。

  • 保険会社の見落としにより、支払われるべき保険金が、支払われなかった。
  • 加入者から請求された保険金以外にも、支払可能な保険金があったのに、放置していた。
  • 複数の保険から保険金支払いが可能だったのに、請求された特定の保険からしか支払わなかった。
  • 顧客への案内漏れ、計算ミスなど、保険会社の責任による、支払金額の過少があった。

保険会社の不親切・怠慢が原因のようでが、故意に放置していたケースもあったようです。

親切・誠実も、保険会社を選ぶポイント

この問題以降、金融庁の指導もあって、生保各社は再発防止に努めています。
とは言え、会社によって温度差はあるようです。

保険は仕組みが複雑で、分かりにくいです。しかも、長期間続けるので、加入時点では中身を分かっていても、年数の経過とともに、記憶が薄れてしまいます。

加入者は保険の素人なので、気をつけていても、申請の不備や漏れをやってしまいます。

それを放置したり、そこにつけ込むような保険会社は困ります。
むしろ、加入者の誤解や失念を、フォローするくらいの保険会社に、加入したいです。

生命保険協会が公表している苦情の件数をもとに、生命保険顧客満足度ランキングを作りました。

保険会社の誠実さ・親切さを客観的に把握することは難しいです。しかし、参考にできそうなデータはいくつかあります。

その一つが、生命保険協会が公表している、苦情件数です。

生命保険会社、顧客満足度ランキング

公表されているデータは、生保各社が受け付けた件数と、生命保険協会が受け付けた苦情件数です。
前者も参考にしたいところですが、苦情の判定基準が、保険会社によって異なっているようです。疑わしい数字は、使いたくありません・・・

そこで、生命保険協会に寄せられた苦情件数でランキングを作りました。

平成26〜28年の3年間のデータをもとに、各社の保有契約件数に対する苦情件数の割合を算出し、それをもとに順位をつけました。
苦情が多いほど、順位の数字も大きくなります。

ランキングに加えて、苦情の割合の大小をもとに、6段階評価もしました。
★★★★★は、苦情発生率が業界平均の半分以下で、最も優秀です。
★★★★★が業界平均に近いレベルです。
★★★★★は、苦情発生率が業界平均の倍以上と、不安な保険会社です。

1位 フコクしんらい生命 ★★★★★
2位 みどり生命 ★★★★★
3位 ライフネット生命 ★★★★★
4位 太陽生命 ★★★★
5位 東京海上日動あんしん ★★★★
6位 アフラック ★★★★
7位 アリアンツ生命 ★★★★
8位 三井住友海上あいおい生命 ★★★★
9位 三井住友海上プライマリー生命 ★★★★
10位 損保ジャパン日本興亜ひまわり生命 ★★★★
11位 かんぽ生命 ★★★★
12位 ソニー生命 ★★★★
13位 エヌエヌ生命 ★★★★
14位 プルデンシャル生命 ★★★★★
15位 大同生命 ★★★★★
16位 第一フロンティア生命 ★★★★★
17位 日本生命 ★★★★★
18位 メディケア生命 ★★★★★
19位 ネオファースト生命 ★★★★★
20位 PGF生命 ★★★★★
21位 ジブラルタ生命 ★★★★★
22位 朝日生命 ★★★★★
23位 富国生命 ★★★★★
24位 楽天生命 ★★★★★
25位 アクサ生命 ★★★★★
26位 FWD富士生命 ★★★★★
27位 チューリッヒ生命 ★★★★★
28位 明治安田生命 ★★★★★
29位 第一生命 ★★★★
30位 住友生命 ★★★★
31位 オリックス生命 ★★★★
32位 メットライフ生命 ★★★★
33位 SBI生命 ★★★★
34位 アクサダイレクト ★★★★
35位 ソニーライフ・エイゴン生命 ★★★★★
36位 クレディ・アグリコル生命 ★★★★★
37位 三井生命 ★★★★★
38位 T&Dフィナンシャル生命 ★★★★★
39位 マニュライフ生命 ★★★★★
40位 マスミューチュアル生命 ★★★★★
41位 カーディフ生命 ★★★★★

いくつか補足します。

2位のみどり生命は、「新日本みどり共済会」および「全日本みどり共済会」を通じて保険商品を販売しています。
共済として販売しているため、苦情が生命保険協会に寄せられるとは限りません。実態がつかめません。

7位のアリアンツ生命は、現在、保険を新規で販売をしていません。既存契約の維持・保全に専念しています。新規募集に伴う苦情が発生しないので、苦情件数は小さくなりやすいです。

★★★★★のうち、ソニーライフ・エイゴン生命、クレディ・アグリコル生命、マスミューチュアル生命は、外貨建ての保険、変額保険、金利連動型保険など、投資性の高い保険を主力商品としています。
他の一般的な生命保険会社に比べて、苦情件数は多くなりやすいものと考えられます。

知名度があって販売件数も多いのに、苦情が多い保険会社がいくつもあります。こういう会社は、要注意です。

上のランキングで気になるのは、★2つ以下の苦情の多い保険会社の中に、知名度があって販売件数の多い会社が、意外と多いことです。

苦情が多いという事実を知らないまま、保険加入を決めている人が、多いようです。

当てはまりそうな保険会社をピックアッブして、それぞれの問題点を詳しくチェックします。

苦情が多い保険会社別、特に多い苦情

生命保険協会は、苦情を30項目以上に分類し、それぞれの件数を集計しています。

★2つ以下の保険会社について、件数が全体の1割以上だった苦情項目を、多い順にピックアップしました。

ただし、売上が少ない会社や投資性の高い商品に特化している会社は、対象から除外しています。

25位 アクサ生命 ★★★★★

  1. 加入時の説明不十分
  2. 入院給付金不払い決定(入院給付金の支払いを請求したが、支払われなかった)

26位 FWD富士生命 ★★★★★

  1. 入院給付金不払い決定(入院給付金の支払いを請求したが、支払われなかった)
  2. 加入時の説明不十分
  3. 入院給付金支払い手続きの不備等

27位 チューリッヒ生命 ★★★★★

  1. 入院給付金不払い決定(入院給付金の支払いを請求したが、支払われなかった)
  2. 加入時の説明不十分
  3. 入院給付金支払い手続きの不備等

28位 明治安田生命 ★★★★★

  1. 入院給付金不払い決定(入院給付金の支払いを請求したが、支払われなかった)
  2. 不適切な募集行為

名門の大手生保として、「不適切な募集行為」の苦情が多いのは、恥ずかしいことです。

29位 第一生命 ★★★★

  1. 加入時の説明不十分
  2. 入院給付金不払い決定(入院給付金の支払いを請求したが、支払われなかった)

歴史のある名門だけに、★1つというのは意外です。

30位 住友生命 ★★★★

  1. 加入時の説明不十分
  2. 入院給付金支払い手続きの不備等
  3. 入院給付金不払い決定(入院給付金の支払いを請求したが、支払われなかった)

歴史のある名門だけに、★1つというのは意外です。

31位 オリックス生命 ★★★★

  1. 入院給付金不払い決定(入院給付金の支払いを請求したが、支払われなかった)
  2. 入院給付金支払い手続きの不備等

魅力的な医療保険、がん保険を販売しているオリックス生命ですが、苦情は多いようです。

32位 メットライフ生命 ★★★★

  1. 入院給付金不払い決定(入院給付金の支払いを請求したが、支払われなかった)
  2. 加入時の説明不十分

外資系生保の中で、有数の販売実績を上げるメットライフ生命ですが、苦情は多いようです。

37位 三井生命 ★★★★★

  1. 加入時の説明不十分
  2. 入院給付金不払い決定(入院給付金の支払いを請求したが、支払われなかった)

日本生命に買収されて、経営基盤は安定しましたが、中身はまだちゃんとしていないようです・・・

39位 マニュライフ生命 ★★★★★

  1. 加入時の説明不十分
  2. 入院給付金不払い決定(入院給付金の支払いを請求したが、支払われなかった)
  3. 不適切な話法
  4. 不適切な募集行為

4項目のうち、3つが新規募集にかかわる苦情です。不正スレスレの販売が横行していそうで、心配になります。

最大の防衛策は、危ない保険会社に近づかないこと

上を見ると、どの会社でも、「入院給付金不払い決定」「入院給付金支払い手続きの不備等」「加入時の説明不十分」の苦情が多いです。

生命保険会社への苦情は、3項目に集まりがち

生命保険・医療保険・がん保険などは、もともと仕組みがややこしい上に、加入から十数年〜数十年経過して、記憶があいまいになった頃に初めて保険を使う、ということがありがちです。

そういうケースでは、保険会社の側に落ち度がなくても、トラブルになってしまいます。
実際、苦情件数が少ない保険会社でも、「入院給付金不払い決定」「入院給付金支払い手続きの不備等」「加入時の説明不十分」の3項目に件数が集まりがちです。

警戒し、できるだけ近づかない

とは言え、苦情の発生率が他社より多いとなると、保険会社側に問題点があると考えられます。従業員の教育が行き届いていないとか、手続きの流れがズサンだとか。

中には、わざと(保険会社にとって都合の良いように)誤解を招きやすい販売方法をとっているところもあるかもしれません。
特に、「不適切な話法」「不適切な募集行為」の項目が多い保険会社は、要警戒です。

誠実に説明しても、何かと誤解を招きやすいのが保険です。不適切な手法で加入を募るような保険会社には、近づかないことを、お勧めします。

 ご注意

統計データや保険の商品内容については、慎重に扱っていますが、古くなっていたり、誤りがあるかもしれません。保険の専門家に相談した上で、最終的に判断を下してください。