三大疾病に医療保険で対策する
三大疾病は、日本人がかかりやすく、死因の上位を占める病気です。
医療保険では、三大疾病という言葉がよく出てきます。保険会社によって、この言葉が示す病気の範囲は少しずつ異なるようです。
よく見かけるのが「がん(悪性新生物)」「急性心筋梗塞(心疾患の一部)」「脳卒中(脳血管疾患)」の3つです。
医療の世界では、三大疾病は公式に使われている言葉ではないようです。たとえば、厚生労働省のホームページには、三大疾病という単語は登場しません。
ただし、厚生労働省のホームページで、三大死因という言葉は見つかりました。悪性新生物、心疾患、脳血管疾患の3つです。これに含まれる病気の範囲は、上の三大疾病より広くなりますが、大部分は重なります。
三大疾病は、日本人の死因の1位、2位、4位と、上位を占めています。

厚生労働省『人口動態統計』(平成26年)から、日本人の死因ランキングを円グラフにしました。
1位、2位、4位が三大疾病です。
3位に肺炎が入っています。この病気自体は、そこまで重たい病気ではありません。
ただ、抵抗力の衰えたお年寄りがかかりやすく、死因としては上位になっています。
警戒すべき病気ではありますが、三大疾病のコワさとは、意味合いが少し異なります。
三大疾病は、日本人がかかりやすい病気の6〜7位を占めています。
厚生労働省『患者調査』(平成26年度)から、日本人がかかりやすい病気の上位15をランキングし、その患者数を抜き出したのが、下の表です。
青字が三大疾病です。
順位 | 病名 | 患者数 |
---|---|---|
1位 | 高血圧性疾患 | 10,108,000人 |
2位 | 歯肉炎・歯周病 | 3,315,000人 |
3位 | 糖尿病 | 3,166,000人 |
4位 | 高脂血症 | 2,062,000人 |
5位 | う蝕(虫歯) | 1,846,000人 |
6位 | 心疾患 | 1,729,000人 |
7位 | がん(悪性新生物) | 1,626,000人 |
8位 | 脳血管疾患 | 1,179,000人 |
9位 | 喘息 | 1,177,000人 |
10位 | 気分(感情)障害 | 1,116,000人 |
11位 | 統合失調症など | 773,000人 |
12位 | 骨折 | 580,000人 |
13位 | アルツハイマー病 | 534,000人 |
14位 | 慢性腎不全 | 296,000人 |
15位 | 肝疾患 | 251,000人 |
三大疾病は、6~8位にズラリと並んでいます。う蝕(虫歯)の後ろに続いているわけですから、日本人がかかりやすい病気といって、まちがいないでしょう。
三大疾病の予防を心がけつつも、いざというときのために、治療費用の備えをしましょう。
ご覧いただいたように、三大疾病は死因の上位を占めています。しかも、日本人にとってかかりやすい病気に数えられます。
まずは予防に努めたいですが、三大疾病にかかったときの備えをしておくことも大切です。
健康保険の高額療養費制度がある
三大疾病の治療費準備の柱となるのは、健康保険の高額療養費制度です。
健康保険などの公的医療保険に加入していれば、治療を受けるにあたって、わたしたちの自己負担は、実際にかかった医療費の1~3割にとどまります。
しかし、三大疾病の治療では、それでも過重な負担になる恐れがあります。
たとえば、三大疾病のひとつ、脳血管疾患の治療費の実費は260万円を超えます。3割の自己負担でも、78万円になります。
そこで、健康保険などの公的医療保険には、高額療養費制度が設けられています。この制度を活用すると、脳血管疾患の入院費用78万円の自己負担が、25~6万円くらいに圧縮されます(平均的な収入の現役世代)。
三大疾病は再発・転移する病気
高額療養費制度を活用したときの負担額(25~6万円)を見て、「このくらいの金額なら、預貯金でまかなえそう」と感じる方はいらっしゃるでしょう。
ただ、三大疾病は、1回の入院治療で、完治するとは限りません。再発や転移の可能性が高いです。
三大疾病は、日本人の死因ランキングの1位、2位、4位を占めていました。一度発症したら一生付き合うかもしれない、という想定で、準備をした方がいいです。
そういう想定で、資金面で不安を感じるなら、医療保険を検討しましょう。
三大疾病への準備を検討し、適切に商品やサービスを選ぶには、家計や保険の専門家を上手に活用しましょう。
三大疾病の治療費を準備をするには、三大疾病の治療の実態、健康保険や高額療養費制度の仕組み、保険の仕組みや各社の商品内容などに、詳しくなければなりません。
その一つ一つを勉強するのに、かなりの時間と能力が必要になります。また、勉強したからといって、適切に判断できるとは限りません。
そこで、家計や保険の専門家を上手に活用することをオススメします。そのための手軽で安心な方法は、
賢い生命保険の入り方
をご覧ください。