三大疾病に医療保険で対策する

三大疾病に医療保険で対策する

三大疾病は、日本人がかかりやすく、死因の上位を占める病気です。

三大疾病というのは「がん(悪性新生物)」「急性心筋梗塞(心疾患の一部)」「脳卒中(脳血管疾患)」の3つです。

日本人がかかりやすい重病で、死因の上位を占めています。

このページでは、医療保険で三大疾病に備えるときに、意識してほしいポイントを解説しています。

三大疾病こんな病気です。

死因の上位

厚生労働省『人口動態統計』(2022年)によると、日本人の死因ランキング・トップ10は、次のようになっています。

赤い棒が三大疾病です。

がん 心疾患 老衰 脳血管疾患 肺炎 誤嚥性肺炎 不慮の事故 腎不全 アルツハ イマー病 認知症 2,000人 4,000人

入院患者数も多い

厚生労働省『患者調査』(2022年)によると、推計入院患者数ランキング・トップ10は、次のようになっています。

赤い棒が三大疾病です。

統合失調症等 脳血管疾患 がん 骨折 心疾患 腎不全等 気分障害 脊柱障害 肺炎 関節症 10万人 20万人

三大疾病は、かかりやすくて、かかったら一生付き合うことになりやすい病気なのですね・・・

医療保険の標準的なプランで、三大疾病にどこまで対策できる?

三大疾病の治療上の特徴

医療保険を検討する上で、押さえておきたい三大疾病の特徴を、下表にまとめした。

がん
  • 通院のほうが多いが、入院数も他と比べると多い。
  • 入院は平均で3週間。
  • 通院は数ヶ月単位。年単位の治療もある。
  • 転移・再発のリスクがある。
  • 治療法の研究開発が盛ん。
急性心筋梗塞
  • 通院のほうが多い。
  • 入院は平均で1〜2週間。
  • 通院は数ヶ月単位。
  • 再発のリスクがある。
  • 治療法の研究開発が盛ん。
脳卒中
  • 入院が多い。
  • 入院は平均で2ヶ月超。
  • 通院はリハビリの状況による。
  • 再発しやすい。
  • 治療法の研究開発が盛ん。

三大疾病に適している保障とは

上の表をもとに、三大疾病に適している保障を整理しました。

がん
  • 入院はもちろん、通院でもしっかり保障を受けられる。
  • 1回の入院保障は短くてもいいが、複数回入院でも保障を受けられる。
  • 治療法が進歩しても、劣化しにくい保障が望ましい。
急性心筋梗塞
脳卒中
  • 数ヶ月の長期入院に対応できる入院保障が望ましい。
  • 複数回入院でも、保障を受けたい。
  • 治療法が進歩しても、劣化しにくい保障が望ましい。

治療費用の全額またはほとんどを医療保険でカバーしたいときは、上のすべての条件を充たす医療保険が必要になります。

しかし、下でも説明しているように、すべての費用を医療保険で用意することが、必ずしもベストではありません。

医療保険の標準プランで、三大疾病にどこまで対策できる?

人気があるアフラックの医療保険『新しい形の医療保険 REASON』を例に、医療保険の標準の保障で、三大疾病の治療をどのくらいカバーできるか、シミュレーションしました。

『新しい形の医療保険 REASON』の基本保障(最低限の保障)は次のとおりです。

【治療給付金】 入院、手術、放射線治療のときに、それぞれ 10万円の給付金が出る 【入院給付金】 入院1日につき5,000円給付される。 ただし入院1回につき60日が限度。

このプランで、三大疾病の治療費をどのくらいカバーできるか、以下でシミュレーションします。

がん

がんには、三大治療と呼ばれる、よくおこなわれる治療があります。手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つです。

手術は入院して、放射線治療と抗がん剤治療は通院にて実施されることが多いようです。

手術
  • 入院して手術を受ける場合、治療給付金20万円
  • 入院給付金は入院日数分もらえる。
  • がんの入院期間は平均して20日程度なので、全日程をカバーできる。
放射線治療
  • 1ヶ月半通院して治療を受ける場合、治療給付金10万円
抗がん剤治療
  • 通院でおこなうときは、医療保険の対象外。

入院費用(手術代を含む)放射線治療は、高額療養費制度を使えば、治療費の全額または大部分を医療保険でカバーできそうです。

抗がん剤治療は、医療保険の対象外です。

急性心筋梗塞

一般的には、再灌流療法(手術)手術後のケア(集中治療室)薬物療法リハビリという流れになるようです。

なお退院後の薬物療法は、原則として生涯続きます。

手術
  • 入院して手術を受ける場合、治療給付金20万円
  • 入院給付金は入院日数分もらえる。
  • 入院期間は1〜2週間程度なので、全日程をカバーできる。
手術後のケア&リハビリ
  • 入院給付金は入院日数分もらえる。
  • 入院期間は1〜2週間程度なので、全日程をカバーできる。
薬物療法
  • 退院後の通院費用・薬代は医療保険の対象外。

高額療養費制度を使えば、入院の治療費は、全額または大部分を医療保険でカバーできそうです。

退院後の薬物療法は、医療保険の対象外です。退院後のリハビリも、通いの場合は対象外です。

脳卒中

脳卒中には、脳梗塞脳出血くも膜下出血の3がありますが、いずれにしても、入院した上で、症状に合わせて手術と薬物療法を使い分けるようです。

脳の損傷しだいで、さまざまな後遺症が起きるため、手術後にリハビリをするリスクが高いようです。

手術
  • 入院して手術を受ける場合、治療給付金20万円
  • 入院給付金は入院日数分もらえる。
入院中のリハビリ
  • 入院給付金は入院日数分もらえる。
  • 上の手術入院の期間と通算すると、入院日数が医療保険の上限である60日を超えることが多い。
退院後のリハビリ
  • 別の医療機関に入院したときは、医療保険の対象になる。通いのリハビリは医療保険の対象外。

入院期間が国民平均以上だと、入院日数が医療保険の上限である60日を超過してしまいます。

脳卒中については、医療保険の標準プランでは不安です。

医療保険の三大疾病対策を強化する、お勧めの方法

そもそもすべてをカバーしなくてよい

まず大前提として、医療保険で、医療費のすべてをカバーすることはこだわるべきではないです。理由は次の2つです。

  • そもそも、医療保険はまとまった出費への対策が目的なので、できないことがいろいろある。
  • 特約の保障は、たいてい使う可能性が低い。特約を追加するほど、損になるリスクも高くなる。

ここでは、上の2点を踏まえた三大疾病対策をご案内します。

〔対策1〕入院給付金日額を増やす

入院給付金日額を増やすとしても、3割負担の人で、日額7,000〜8,000円くらいにすれば、たいていは足ります。

それをわかった上で、日額を10,000円以上に(=予算が許す範囲でできるだけ高く)指定し、余ったお金を退院後の治療費に回します。

メリット
  • 症状が重いケースで、重点的に保障を強化できる。
  • 三大疾病以外でも、もらえる給付金が増える。
デメリット
  • 保険料が高くなりやすい。
  • 入院給付金は、もらえるタイミングが遅い(退院後になる)。
  • 通院のみの治療では、給付金が出ない。

まとまった出費になりやすいのは入院なので、それへの対策を重視する、という考え方です。

通院のみの治療は切り捨てる(=医療保険でカバーしない)と、割り切る必要があります。

〔対策2〕三大疾病一時金特約

所定の条件をクリアすると、50万円とか100万円といった一時金が出る特約があります。

メリット
  • 他の給付金より早いタイミングでもらえる。
  • もらったお金を、わりと自由に使える。
デメリット
  • 保険料が高くなりやすい。
  • もらえる条件は多少限定される。
  • 急性心筋梗塞と脳卒中は、商品によって支払条件に差がある。
  • もらえる金額は、加入時に決めた金額。

たとえば、アフラックの医療保険では、一時金の支払条件は、➊がんは「診断の確定」、➋急性心筋梗塞と脳卒中は「手術」または「10日以上の入院」となっています。

ということは、急性心筋梗塞と脳卒中は、実質的に入院の保障になります。

お勧めではない三大疾病対策

医療保険での三大疾病対策として、お勧めしにくいものもあります。

  • 入院保障を日数無制限とする特約
  • 通院特約
  • 支払条件が厳しい○○治療給付金特約

通院特約は使えるケースが限られるため、ありがたみが乏しいです。

また、個々の治療法にリンクした治療給付金は、治療技術の進歩に取り残される恐れがあります。

ここでご案内した方法は、市販されているほとんどの医療保険でできます!

ただし、細かな保障内容や保険料は違いので、しっかり比較してください。

保険のプロに相談するなら、中立性が高く、商品を比較できるところを選びましよう。

わかりにくい保険だからこそ、中立な立場で助言してくれるプロに相談したいです。

保険ショップか独立系FP

保険を販売する人たちを、中立性と商品知識の2つの角度から分類したのが下の図です。

商品知識 保険ショップ 独立系FP 銀行窓口 一般の保険代理店 保険会社の直営 店または営業

お勧めしたいのは、赤い文字の「保険ショップ」または「独立系FP」です。「独立系FP」とは、特定の保険会社に所属しないFPのことです。

保険ショップ
  • 取り扱う保険会社数がもっとも多く、中立性は高い。
  • 各社の商品についてよく知っているが、保険・家計の知識は店舗による。
独立系FP
  • 複数の保険会社の商品を取り扱っており、中立性は高い。
  • 各社の商品についてよく知っており、保険・家計の知識もある。

基本から相談したいときにFP保険相談を、入りたい保険がだいたい決まっていて、商品選びをしたいときは保険ショップをお勧めします。

お勧めしたい保険のプロはこちら

保険ショップ・チェーンには、凄腕の営業マンだった人が設立した、営業色の強いチェーンが多いです。

そんな中、「保険見直し本舗」は、やみくもに店舗を増やすのではなく、サービスネットワークを丁寧に拡大させています。

FPを無料で紹介するサービス

家計のプロを認定する公共性の高い資格が、FP技能士(国家資格)やAFP、CFPです。そして、そんな家計のプロを無料で紹介してくれるのが、FP紹介サービスです。

このサイトでは「保険マンモス」をお勧めしています。

開始から20年に満たない若い業界ですが、「保険マンモス」はもっとも早くスタートしたサービスの一つで、実績を積み重ねています。