住友生命『Wステージ 未来デザイン 1UP』
住友生命の主力商品『Wステージ 未来デザイン 1UP』に、入ってはいけない理由があります。
以下の理由から、住友生命『Wステージ 未来デザイン 1UP』は、入ってはいけない保険です。
- この商品はセット商品です。目的が異なる保険は、別々に加入したいです。
- 全体的に保険料が割高です。
- 主契約の仕組みが分かりにくいです。
各項目について、以下で詳しく説明します。
保険のセット商品には、いろんなデメリットが・・・
『Wステージ 未来デザイン 1UP』に組み込むことのできる保障は、図のようにたくさんあります。
セット商品を購入するメリットは、一般的には、割安なセット料金と、1回の買い物で、必要なものがそろう手軽さ。
これらのことは、生命保険にも、ある程度は当てはまります。
しかし、生命保険のセット商品には、大きなリスクもあります。
セット商品にはリスクがある
もともとわかりにくい生命保険を、一塊(かたまり)にしたところで、わかりやすくなることはありません。むしろ、わかりにくさは何倍にも膨らみます。
その結果、いろいろなリスクを背負うことになります。
『Wステージ 未来デザイン 1UP』の場合、以下の2つの心配があります。
- 割高な保険・特約が、商品パッケージに混入する。
- 更新型の特約が、商品パッケージに混入する。
保険料については、後でご説明するとして、更新型の特約について、補足説明します。
全期型の特約と更新型の特約が混在する
保険料の金額の変化に着目すると、保険商品は全期型と更新型とに分かれます。
全期型は、契約期間中保険料は変化しません。更新型は、更新のたびに保険料が値上がりします。
保険に加入する目的によっては、更新型の方にメリットがあります。しかし、一生涯の保障を準備するときは、更新型をお勧めしにくいです。
更新後の保険料は、必ず高くなります。それも大幅に高くなります。
しかも、更新は10年後、15年後と、忘れた頃にやってきます。家計の計画的な運営の邪魔になりがちです。
つまり、一生続けたい保障なのに、続けられなくなるリスクがあります。
住友生命『Wステージ 未来デザイン 1UP』の場合、医療関係の特約で注意が必要です。全期型も用意されていますが、住友生命の営業職員(セールスレディ)は、更新型を勧めることが多いようです。
更新型は、スタート時点での保険料が安くなります。それで、営業職員(セールスレディ)にとっては、勧めやすいようです。
しかし、更新した後の保険料は大幅に高くなるし、トータルで払い込む金額も、更新型の方が大きくなります。
保険料は、カタカナ生保・損保系生保と比べて割高
そもそも、更新で保険料が上がる心配をする以前に、『Wステージ 未来デザイン 1UP』の保険料は高すぎます。
『Wステージ 未来デザイン 1UP』はいろいろな保険・特約の塊で、仕組みが複雑です。そのままでは、他社と条件をそろえて保険料比較するのが難しいです。
そこで、医療保障の部分を抜き出して、オリックス生命の医療保険『新キュア』と比べました。
35歳の女性が、入院給付金日額5,000円の、ほぼ同じプランに加入したときの、月々の保険料です。
月々の保険料 | |
---|---|
住友生命 災害疾病関係特約 |
3,145円 |
オリックス生命 『新キュア』 |
1,822円 |
ひとつの保険で比べても、これだけの価格差があります。
こういう
割高な保険・特約が塊(かたまり)になって『Wステージ 未来デザイン 1UP』が出来上がっています。
主契約の仕組みが分かりにくい
生命保険は、長期間継続するものです。加入したときに、仕組みを理解できていても、更新する10年後、15年後、あるいは数十年後の保険を使うときに、混乱するようでは困ります。
だから、生命保険の分野では、目新しい仕組みや機能が、しばしば邪魔になります。ちゃんとしたメリットがある目新しさなら良いですが、現実には少ないです。
新終身保険の仕組み
上で『Wステージ 未来デザイン 1UP』の仕組み図をご覧いただきました。あそこから、主契約の部分だけを抜き出して、拡大したのが、次の図です。
図の指定日というのは、保険料の払い込みが終わる60歳と65歳のことです。
この図の主契約は、名前の通り終身保険なのですが、普通の終身保険とは違います。普通の終身保険との比較を図で表すと、以下のようになります。
保険料払込期間中の死亡保障額に違いがあります。
住友生命の新終身保険は、保険料払込額が増えるにつれて、保障額もだんだん高くなっていきます。
普通の終身保険と比べると、死亡保障は薄くなります。しかし、そのぶん、保険料を安くできます。
また、保険料払込期間中は、収入保障特約や生活障害収入保障特約があるので、新終身保険の保障が薄くても、差し支えません。
合理的だけど・・・
合理的な仕組みだと思います。
ただ、特殊な仕組みでもあります。そして、保険の場合、そういうのは、10年後、20年後に見直しをするときに、しばしばトラブルのもとになります。できると思っていたことが、できない・・・みたいな。
住友生命の新終身保険は、保障を不足させることなく保険料を下げられる、良いアイディアだと思います。しかし、どうしても欲しくなる仕組みでしょうか?
カタカナ生保・損保系生保の保険商品なら、分かりやすい仕組みのままで、もっともっと保険料を安くできます。
住友生命『Wステージ 未来デザイン 1UP』に加入されているか、ご検討中なら、以下の見直しをおこなうことで、大幅に節約できます。
見直しのポイントは、次の通りです。
- 『Wステージ 未来デザイン 1UP』のそれぞれの特約を、カタカナ生保・損保系生保の個々の保険商品に置き換える。
- カタカナ生保・損保系生保の見積もりを比較して、最もニーズに合う保険商品を選ぶ。
- 保険期間は、できるだけ全期型(更新が無く、保険料が上がらないタイプ)を選ぶ。
カタカナ生保・損保系生保というのは、上で保険料例をご覧いただいたオリックス生命のような、新しい保険会社です。保険料が割安です。
他に、アフラック、ソニー損保、メットライフ生命、東京海上日動あんしん生命、SOMPOひまわり生命、三井住友海上あいおい生命などがあります。
以下に補足説明します。
『Wステージ 未来デザイン 1UP』のそれぞれの特約を、置き換える
『Wステージ 未来デザイン 1UP』は、以下のような仕組みになっています。
必要な保険の一つ一つを、カタカナ生保・損保系生保の、単体の保険商品に置き換えます。
ただし、置き換える対象が分かりにくいものがあるので、具体例をお示しします。
生活障害収入保障特約 |
|
---|---|
収入保障特約 | 収入保障保険(家計保障保険)という名称で販売されている保険商品。多数あります。 |
特定重度生活習慣病保障特約 (LiVガード) |
|
主契約 | 終身保険、個人年金保険など。ほとんどの保険会社が販売。 |
『Wステージ 未来デザイン 1UP』は大部分が掛け捨て保険なので、解約しても損にならない
もちろん、『Wステージ 未来デザイン 1UP』はやめます。
すでに加入されている場合、生命保険を途中でやめるのは、損に思えるかもしれません。実際、終身保険のような全期型・終身保障の保険に限ると、損になるかもしれません。
しかし、保険料大の部分を占めるのは、掛け捨て保険です。よって、『Wステージ 未来デザイン 1UP』全体で見ると、解約しても損になりません。
『Wステージ 未来デザイン 1UP』はもともと保険料が割高だし、更新時期になったら、ドンと保険料が上がります。
また、他社に乗り換えるなら、その時期が遅くなるほど、年齢が進んで保険料は高くなります。
というわけで、解約を先延ばしして、トクになることはありません。
保険料は確かに安くできそうですね。でも、けっこう手間が・・・
調査会社による大規模なアンケート調査によると、サービスの品質は悪くも良くもない、並みレベル?
大変に立派な実績と規模を持つ住友生命ですが、かんじんなのは、わたしたち消費者に対するサービスの品質です。
顧客満足度は、ムラのある結果
住友生命の評判を、中立的な調査会社によるアンケート調査の結果で、確認しましょう。
米国の調査会社J.D.パワーの調査結果をご覧いただきます。
同社は、米国で設立された、顧客の意識・行動・満足度を調査するプロフェッショナルです。毎年、生命保険に対する顧客満足度調査を実施しています。
2016年の調査結果が最新です。「契約時の満足度」「保全手続きの満足度」「保険金請求の満足度」の3部門に分かれています。
住友生命のランキング順位は、以下の通りでした。
契約満足度 | 20位 |
---|---|
保全手続満足度 | 9位 |
保険金請求対応満足度 | 8位 |
41社ある生命保険会社の中での順位です。
「契約満足度」は、あまり良くありません。41社中では真ん中あたりですが、知名度のある生保会社の中では物足りない順位です。
一方、残る2部門の順位は良好です。
ランキングの対象となる3つの項目は、それぞれ担当部署が異なります。部署によって、品質にムラがありそうです。
支払い漏れと苦情の状況は、あまり良くないかも
生命保険各社の支払い漏れと苦情の件数が、生命保険協会のWebサイトで公表されています。これらも、生命保険会社のサービスの品質を知るうえで、参考になります。
なお、支払い漏れや苦情の件数そのもので比較すると、保有する契約件数が少ない会社の方が有利になってしまいます。そこで、それぞれの会社が保有している契約の件数と、支払い漏れと苦情の件数との割合を、比較しました。
少ない順にランキングしたときの、住友生命の順位は下のようになりました。
2015年の支払い漏れ | 全41社中、15番目に少ない。 |
---|---|
2016年上半期の苦情件数 | 全41社中、30番目に少ない。 |
支払い漏れの方は、なかなか良好(=少ない)です。一方、苦情の発生率はけっこう高い(多い)です。
上のJ.D.パワーのランキングにしても、支払い漏れ・苦情のランキングにしても、良い項目と悪い項目があります。こういうときは、悪い方に目を向けざるを得ません。
有名企業では、何もかもが悪い、ということはめったにありません。全体としてはまずまずだけど、大きな組織のどこかに弱いところがある、というのがほとんどです。
住友生命は、まさにこのパターンに当てはまりそうです。
ことさらに不安がることは無いのでしょうけど、ちょっと気になりますね。
保険のプロに相談するなら、中立性が高く、商品を比較できるところを選びましよう。
わかりにくい保険だからこそ、中立な立場で助言してくれるプロに相談したいです。
保険ショップか独立系FP
保険を販売する人たちを、中立性と商品知識の2つの角度から分類したのが下の図です。
お勧めしたいのは、赤い文字の「保険ショップ」または「独立系FP」です。「独立系FP」とは、特定の保険会社に所属しないFPのことです。
保険ショップ |
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独立系FP |
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基本から相談したいときにFP保険相談を、入りたい保険がだいたい決まっていて、商品選びをしたいときは保険ショップをお勧めします。
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そんな中、「保険見直し本舗」は、やみくもに店舗を増やすのではなく、サービスネットワークを丁寧に拡大させています。
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