各社のがん診断一時金特約をチェック
がんの診断一時金特約に求められる機能を整理しました。
がんでは、通院で通院に取り組む可能性がそれなりに高いです。三大治療のうちの2つ、放射線治療と抗がん剤治療は、通院で治療を受けることが一般的になっています。
ところが、医療保険の標準の保障(標準で組み込まれている保障)では、こうした通院治療に対応できません。特約をつけて、保障を厚くする必要があります。
医療保険には、がんのための特約がいろいろと用意されていますが、通院治療に備えるには、診断一時金特約がもっともお勧めです。
がんの診断一時金特約は、ほとんどの医療保険で用意されています。基本の仕組みは、どれも似通っていますが、じっくりと比較すると、意外と大きな違いがあります。
保険各社のがん診断一時金特約を検討する前に、そもそもこの特約に求めたい機能を整理しておきましょう。
がんになったときに、確実に一時金が出ること
保険から保険金や給付金がでるためには、保険契約に定められた条件をみたす必要があります。この条件が厳しすぎて、保険金や給付金が出る場合が、せまく限定されるようでは困ります。
どの医療保険も、複数回一時金が出るようになっています。そして、初めて一時金を受け取るときは、がんの診断確定(医師によって病名が確定的に判断されること)で、一時金が出ます。
診断確定で一時金がもらえるのは安心です。
各社の医療保険に違いがあるとしたら、上皮内がんの取り扱いでしょう。
ただ、上皮内がんの取り扱いの違いは、医療保険の選択を左右するような大きなことではありません。
一時金の金額を、幅広く指定できること
がんは、一生付き合うことになりかねない病気です。
実際に、一時金の金額をいくらに設定するかは、加入者によって判断が分かれるでしょう。預貯金や収入や社会的な立場等によって、異なるはずです。
とは言え、保険商品の仕組みとしては、必要とあらば100万円以上の金額を、受け取れるようになっていて欲しいです。
再発、転移に幅広く対応できること
がんの恐ろしいところは、再発や転移が、高い確率で起きることです。
再発や転移が見つかるのは、5年後かもしれないし、10年後かもしれません。また、治療を再開するとして、入院するかもしれないし、通院で治療に取り組むかもしれません。
どういうことになっても、2度目、3度目の一時金がスムーズに出てくれることが大切です。
それぞれの医療保険の、診断一時金特約の中身をチェックしましょう。似ているようでありながら、大事なところで差があります。
上にあげた3つの基準を元に、販売されている各社の医療保険の中身をチェックしていきます。
それぞれのがん診断一時金の、金額、回数制限、支払い条件をまとめました。
評価が○なのは、3つの基準を充たしているものです。△は、不十分だけど、ほぼ充たしているものです。
医療保険 | 診断一時金の内容 | 評価 |
---|---|---|
アフラック
『医療保険EVER Prime』 |
|
- |
FWD生命
『FWD医療』 |
がんの診断一時金は、用意されていない(同社のがん保険にて対応)。 | - |
オリックス生命
『CURE Next(キュア・ネクスト)』 |
|
- |
SOMPOひまわり生命
『健康のお守り』 |
|
○ |
チューリッヒ生命
『終身医療保険プレミアムDX』 |
|
- |
東京海上日動あんしん生命
『メディカルKitシリーズ』 |
|
○ |
三井住友海上あいおい生命
『&LIFE 新医療保険Aプレミア』 |
|
- |
メディケア生命
『メディフィットA』 |
|
- |
メットライフ生命
『マイ フレキシィ』 |
|
△ |
というわけで、がんに対応できる医療保険として、お勧めできるのは、評価のところに○か△がついている、3つの商品になります。意外と少ないです・・・
△のメットライフ生命『マイ フレキシィ』は、1回あたりの金額が50万円であること、給付の回数が5回に制限されていることは、他より見劣りする点です。
ただし、年1回の給付が可能なので、1回あたりの金額の低さを、多少は補えるかもしれません。
表の通り、2回目以降の一時金の給付条件が「入院」となっている医療保険が過半数を占めています。これは大きな欠陥です。
がんの再発・転移が見つかった場合、症状や患者の体力低下などから、入院しての手術ではなく、通院治療を選ぶことは、よくあることです。
そういうケースで役に立たないようでは、困ってしまいます。
医療保険で、がん治療にしっかり対応するには、見積もりをとって比較しましょう。
上で、○と△にした(オススメにした)医療保険を、あらためてご覧いただきます。
- SOMPOひまわり生命『健康のお守り』
- 東京海上日動あんしん生命『メディカルKitシリーズ』
- メットライフ生命『マイ フレキシィ』
医療保険一本でがんに対応するとき、お勧めできる保険商品です。
もちろん、それだけで医療保険を選ぶわけにはいきません。みなさんの、医療保険に対するニーズを加えた上で、見積もりを比較して、選んでください。
しかし、多数の医療保険を、保障内容などの条件をそろえて比較するのは、意外とやっかいです。おおまかな仕組みは似ているものの、細かいところはけっこう異なっています。
保険の専門家を上手に活用することをオススメします。そのための手軽で安心な方法は、
賢い生命保険の入り方
をご覧ください。