メットライフ生命『リターンボーナスつき終身医療保険』

メットライフ生命『リターンボーナスつき終身医療保険』

メットライフ生命の医療保険『リターンボーナスつき終身医療保険』を、徹底分析しました。

メットライフ生命は、米国に拠点を置く世界有数の保険グループ、メットライフの日本法人です。

日本での営業は既に50年と、すっかり定着しています。

メットライフ生命は複数の医療保険を販売していますが、このページでは『リターンボーナスつき終身医療保険』について解説します。

メットライフ生命の医療保険・がん保険などの評判・人気を、客観的なデータでチェックしました。

商品の評判・人気を判断するときに、もっとも客観性の高い基準は販売実績です。

そこで、メットライフ生命の第三分野(医療保険・がん保険・介護保険等)の、過去5年の新規獲得実績を、業界全体と比較しました。

増減を比較しやすいように、前年度に対する%を表示しています。100%(グラフの青い点線)より上のときに、売上が増加しています。

メットライフ生命の第三分野の販売実績(新規獲得)の推移

メットライフ生命と業界全体とを比べると、上下動の幅は異なりますが、どちらも5年通してみると増えも減りもしていません。似た傾向です。

これをもとに推測すると、メットライフ生命の医療保険やがん保険等の評判・人気は、業界内で平均的なレベルと考えられます。

『リターンボーナスつき終身医療保険』の、保険料がもどる仕組みについて解説します。

『リターンボーナスつき終身医療保険』の概要

この医療保険の仕組みを図にすると、次のようになります。

入院給付金 主契約 手術給付金 主契約 通院給付金 主契約 退院給付金 主契約 健康祝金 主契約 生存還付給付金 主契約 死亡保険金 主契約 年金支払 特約

治療を受けないのにもらえるのが、健康祝金生存還付給付金です。

  • 健康祝金・・・
    保険料払込期間を5年ごとに区切り、その5年間に入院給付金を受け取らなかったら(連続5日以上の入院が対象)、ボーナスとして健康祝い金が出る。
  • 生存還付給付金・・・
    所定の年齢になったときに、主契約の保険料総額がボーナスとしてもどる。ただし、すでに受け取った給付金や健康祝金の合計額は差し引かれる。

生存還付給付金の仕組みを、下で補足説明します。

『リターンボーナスつき終身医療保険』の最大の特徴である生存還付給付金の具体例をご覧ください。

生存還付給付金の具体例

40歳男性が、60歳まで毎月35,000円の保険料を払い込み、65歳で生存還付給付金を受け取るとします。

なお、生存還付給付金を受け取る65歳まで、病気・ケガで保険を使わないと想定します。

健康祝金(5年毎) 主契約 加入 (40歳) 保険料 払込終了 (60歳) 所定の 年齢 (65歳) 保険料 保険料 保険料 保険料 生存還付 給付金

保険会社に払い込む金額と、受け取る金額は下のようになります(保険料総額=受取額、になります)。

保険料総額 840万円


健康祝金 20万円
生存還付給付金 820万円

健康祝金は、5年毎に入院給付金10日分が出ます。この例だと、45歳、50歳、55歳、60歳のときに5万円ずつです。

『リターンボーナスつき終身医療保険』をお勧めできる人、お勧めできない人。

ライバルは他社のリターン型医療保険

他社にも似たタイプ(=払い込んだ保険料がもどるタイプ)の医療保険はありますが、健康還付給付金と呼ばれるものが多く、仕組みに違いがあります。下表に整理しました。

生存還付給付金 健康還付給付金
保険料払込期間 有期(○○歳まで) 終身
もどる保険料 全額 所定の年齢までの総額
既に受取った金額 生存還付給付金から差し引く 健康還付給付金から差し引く
特約の保険料 生存還付給付金の対象外 健康還付給付金の対象外
その他 『リターンボーナスつき終身医療保険』は主契約の範囲が広い。他社は、通院給付金、健康祝金、死亡保険金を主契約に含まない(=健康還付給付金の対象外になる)ことが多い。
主契約 所定の年齢 保険料 保険料 保険料 保険料 保険料 健康還付 給付金 【健康還付給付金のイメージ】

生存還付給付金は保険料の全額がもどってくるので、その点は健康還付給付金よりうれしいですね!

『リターンボーナスつき終身医療保険』は保険料が高い

『リターンボーナスつき終身医療保険』の保険料を、東京海上日動あんしん生命のリターン型医療保険『メディカルKit R』と比較しました。

30歳男性が加入し、60歳まで保険を使うことなく生存還付給付金(または健康還付給付金)を受け取ることとします。

どちらの商品も、月々の保険料が9,000円前後になる、もっともシンプルな保障プランを作りました。

メットライフ生命 東京海上日動
あんしん生命
保険料払込期間 60歳まで 終身
月々の保険料 8,883円 9,068円
60歳での保険料累計 0円 0円
80歳での保険料累計 0円 2,176,320円
入院給付金日額 3,000円 10,000円
手術給付金 3万円 10万円
その他の保障の違い
  • 通院給付金日額1,500円
  • 退院給付金15,000円
  • 死亡保険金30万円
  • 先進医療給付金
  • 三大疾病保険料払込免除
  • 入院一時金特約(10万円)

東京海上日動あんしん生命の方は、健康還付給付金を受け取った後も保険料払込が続くので、80歳時点での実質的な保険料負担はそれなりの金額になります。この点はあきらかに劣ります。

ただし、メットライフ生命『リターンボーナスつき終身医療保険』の入院給付金は、日額3,000円と心もとないです。月々9,000円前後の保険料では、まともな保障を準備できません。

保障の確保に軸足を置くと、『リターンボーナスつき終身医療保険』は扱いにくいです。

生活資金に余裕がある人にお勧め

安心できるレベルの保障を確保しようとすると、東京海上日動あんしん生命『メディカルKit R』でも、月々の保険料は普通の医療保険よりかなり高くなります。

しかし、それと比べても、『リターンボーナスつき終身医療保険』が保険料はさらに高いです。

『リターンボーナスつき終身医療保険』を検討するにあたっては、次の点を慎重に判断してください。

  • 月々の保険料負担を減らすため、保障を不十分にしたため、実際に入院したときに自腹を切ることにならないか?
  • この保険の保険料を払い込みながら、並行して、老後生活資金を準備(積立、投資など)できるか?

保障重視で考えると、どなたにでもお勧めできる医療保険ではありません。

ただし、メリットははっきりしているので、高い保険料が苦にならない方々にはお勧めです。

保険のプロに相談するなら、中立性が高く、商品を比較できるところを選びましよう。

わかりにくい保険だからこそ、中立な立場で助言してくれるプロに相談したいです。

保険ショップか独立系FP

保険を販売する人たちを、中立性と商品知識の2つの角度から分類したのが下の図です。

商品知識 保険ショップ 独立系FP 銀行窓口 一般の保険代理店 保険会社の直営 店または営業

お勧めしたいのは、赤い文字の「保険ショップ」または「独立系FP」です。「独立系FP」とは、特定の保険会社に所属しないFPのことです。

保険ショップ
  • 取り扱う保険会社数がもっとも多く、中立性は高い。
  • 各社の商品についてよく知っているが、保険・家計の知識は店舗による。
独立系FP
  • 複数の保険会社の商品を取り扱っており、中立性は高い。
  • 各社の商品についてよく知っており、保険・家計の知識もある。

基本から相談したいときにFP保険相談を、入りたい保険がだいたい決まっていて、商品選びをしたいときは保険ショップをお勧めします。

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