ソニー生命『メディカル・ベネフィット リターン』

ソニー生命『メディカル・ベネフィット リターン』

ソニー生命の医療保険『メディカル・ベネフィット リターン』を、徹底分析しました。

ソニー生命は、世界的エレクトロニクス企業ソニー・グループの生命保険会社です。

ソニー生命は3つの医療保険を販売していますが、このページでは『メディカル・ベネフィット リターン』について解説します。

なお、ベーシックな医療保険『メディカル・ベネフィット』に、健康還付給付金を追加したのがこの商品です。

そこで、このページでは健康還付給付金について重点的に解説します。それ以外の機能は、お手数ですが『メディカル・ベネフィット』をご覧ください。

『メディカル・ベネフィット リターン』の、保険料がもどる仕組みについて解説します。

『メディカル・ベネフィット リターン』の概要

この医療保険の仕組みを図にすると、次のようになります。

疾病入院給付金 災害入院給付金 主契約 三疾病入院給付金 主契約 手術給付金 主契約 放射線治療給付金 主契約 骨髄移植給付金 骨髄ドナー給付金 主契約 死亡給付金 主契約 健康還付給付金 主契約 保険料払込免除 特約 特定疾病診断給付金 特約 入院一時給付金 特約 三疾病入院給付金(上乗せ) 特約 女性特定手術給付金 特約 先進医療給付金 特約 抗がん剤治療給付金 特約

『メディカル・ベネフィット』との違いは、健康還付給付金の有無です。

健康還付給付金の仕組み

加入後、所定の年齢(加入するときに、50~80歳の間で5歳刻みで指定)にたっすると、それまで払い込んだ主契約の保険料全額が、健康還付給付金としてもどってきます。

ただし、その年齢までに給付金を受け取っている場合は、その金額が健康還付給付金から差し引かれます。

主契約 所定の年齢 保険料 保険料 保険料 保険料 保険料 健康還付 給付金

保険料の払込期間は終身のみです。ですから、健康還付給付金を受け取った後も、保険料を払い続けます。

健康還付給付金は、「掛け捨て」に抵抗がある方には好評ですが、一般的な医療保険と比べて、1回あたりの保険料はかなり高額になります。

健康還付給付金以外の保障については、お手数ですが『メディカル・ベネフィット』をご覧ください。

『メディカル・ベネフィット リターン』は、いろいろな使い方ができます。

健康還付給付金受け取り後もそのまま継続

保険料は終身払込なので、健康還付給付金受け取り後も、保険料払込は一生続きます。

たとえば、35歳の男性が、この保険に月々の保険料4,610円で加入し、65歳のときに健康還付給付金を受け取るとします。65歳まで保険を使わなかったとすると、主契約の収支は下のようになります。

年齢 払った
保険料累計
実質の
保険料累計
45歳 553,200円 553,200円
55歳 1,106,400円 1,106,400円
65歳 1,659,600円 0円
85歳 2,766,000円 1,106,400円

65歳で健康還付給付金を受け取るので、実質の保険料負担累計は0円になります。

その後、仮に85歳まで保険を継続したなら、実質の保険料累計は1,106,400円になります。

このように健康還付給付金受け取り後も保険料払込は続くので、長生きすれば保険料累計はそれなりの金額になります。

平均寿命くらいまで生きるとすると、たいていは、健康還付給付金がある医療保険の方が、実質の保険料累計は安くなります。

1回あたりの保険料は高くなりますが、累計額をおさえられるところが、健康還付給付金がある医療保険の魅力です。

健康還付給付金をその後の保険料に当てる

上の例ですと、健康還付給付金は30年分の保険料累計と同額です。

ですから、健康還付給付金全額をその後の保険料に当てるとしたら、95歳までの保障をカバーできます。

主契約 65歳 95歳 保険料 保険料 保険料 保険料 健康還付 給付金

男性の平均寿命は81歳(2021年)なので、65歳より後の保険料全額をまかなえる可能性が高いです。

健康還付給付金を受け取って保険を解約

健康還付給付金を受け取る30年後は、金利が今より高くなって、貯蓄や投資で安全・有利に増やせるかもしれません。

もしそうなっていたら、医療保険は解約して、受け取った健康還付給付金を医療費の財源として、保険以外で運用することも考えられます。

主契約 65歳 保険料 保険料 保険料 保険料 ⚔解約 健康還付 給付金 貯蓄や 投資へ!

この方法には、想定外に医療費がかさむ大病になったり、投資に失敗するなどして、資金不足になるリスクがあります。

健康還付給付金を受け取る時点で、金銭的な余裕がないときは、慎重にご判断ください。

『メディカル・ベネフィット リターン』は、幅広くお勧めできる保険ではありません。

健康還付給付金は、使い方によっては有用な仕組みです。しかし、だからと言って、『メディカル・ベネフィット リターン』を幅広くお勧めすることはできません。

この商品のベースとなっている『メディカル・ベネフィット』にも言えることですが、主契約の給付金が多少盛りすぎで、必要性が低い保障に入ってしまう危険があります。

詳しいことは、以下のページで解説しています。