ソニー生命『メディカル・ベネフィット リターン』
ソニー生命の医療保険『メディカル・ベネフィット リターン』を、徹底分析しました。
ソニー生命は、世界的エレクトロニクス企業ソニー・グループの生命保険会社です。
ソニー生命は3つの医療保険を販売していますが、このページでは『メディカル・ベネフィット リターン』について解説します。
なお、ベーシックな医療保険『メディカル・ベネフィット』に、健康還付給付金を追加したのがこの商品です。
そこで、このページでは健康還付給付金について重点的に解説します。それ以外の機能は、お手数ですが『メディカル・ベネフィット』をご覧ください。
『メディカル・ベネフィット リターン』の、保険料がもどる仕組みについて解説します。
『メディカル・ベネフィット リターン』の概要
この医療保険の仕組みを図にすると、次のようになります。
『メディカル・ベネフィット』との違いは、健康還付給付金の有無です。
健康還付給付金の仕組み
加入後、所定の年齢(加入するときに、50~80歳の間で5歳刻みで指定)にたっすると、それまで払い込んだ主契約の保険料全額が、健康還付給付金としてもどってきます。
ただし、その年齢までに給付金を受け取っている場合は、その金額が健康還付給付金から差し引かれます。
保険料の払込期間は終身のみです。ですから、健康還付給付金を受け取った後も、保険料を払い続けます。
健康還付給付金は、「掛け捨て」に抵抗がある方には好評ですが、一般的な医療保険と比べて、1回あたりの保険料はかなり高額になります。
健康還付給付金以外の保障については、お手数ですが『メディカル・ベネフィット』をご覧ください。
『メディカル・ベネフィット リターン』は、いろいろな使い方ができます。
健康還付給付金受け取り後もそのまま継続
保険料は終身払込なので、健康還付給付金受け取り後も、保険料払込は一生続きます。
たとえば、35歳の男性が、この保険に月々の保険料4,610円で加入し、65歳のときに健康還付給付金を受け取るとします。65歳まで保険を使わなかったとすると、主契約の収支は下のようになります。
年齢 | 払った 保険料累計 |
実質の 保険料累計 |
---|---|---|
45歳 | 553,200円 | 553,200円 |
55歳 | 1,106,400円 | 1,106,400円 |
65歳 | 1,659,600円 | 0円 |
85歳 | 2,766,000円 | 1,106,400円 |
65歳で健康還付給付金を受け取るので、実質の保険料負担累計は0円になります。
その後、仮に85歳まで保険を継続したなら、実質の保険料累計は1,106,400円になります。
このように健康還付給付金受け取り後も保険料払込は続くので、長生きすれば保険料累計はそれなりの金額になります。
平均寿命くらいまで生きるとすると、たいていは、健康還付給付金がある医療保険の方が、実質の保険料累計は安くなります。
1回あたりの保険料は高くなりますが、累計額をおさえられるところが、健康還付給付金がある医療保険の魅力です。
健康還付給付金をその後の保険料に当てる
上の例ですと、健康還付給付金は30年分の保険料累計と同額です。
ですから、健康還付給付金全額をその後の保険料に当てるとしたら、95歳までの保障をカバーできます。
男性の平均寿命は81歳(2021年)なので、65歳より後の保険料全額をまかなえる可能性が高いです。
健康還付給付金を受け取って保険を解約
健康還付給付金を受け取る30年後は、金利が今より高くなって、貯蓄や投資で安全・有利に増やせるかもしれません。
もしそうなっていたら、医療保険は解約して、受け取った健康還付給付金を医療費の財源として、保険以外で運用することも考えられます。
この方法には、想定外に医療費がかさむ大病になったり、投資に失敗するなどして、資金不足になるリスクがあります。
健康還付給付金を受け取る時点で、金銭的な余裕がないときは、慎重にご判断ください。
『メディカル・ベネフィット リターン』は、幅広くお勧めできる保険ではありません。
健康還付給付金は、使い方によっては有用な仕組みです。しかし、だからと言って、『メディカル・ベネフィット リターン』を幅広くお勧めすることはできません。
この商品のベースとなっている『メディカル・ベネフィット』にも言えることですが、主契約の給付金が多少盛りすぎで、必要性が低い保障に入ってしまう危険があります。
詳しいことは、以下のページで解説しています。