アフラック『「生きる」を創るがん保険 WINGS』
アフラックのがん保険『「生きる」を創るがん保険 WINGS』を、徹底分析しました。
アフラックは、2021年度末の医療保険とがん保険の保有契約件数は約2074万件で、国内No.1です。

『「生きる」を創るがん保険 WINGS』は、そんなアフラックが2022年8月に新発売した、最新のがん保険です。
アフラックの医療保険・がん保険などの評判・人気を、客観的なデータでチェックしました。
商品の評判・人気を判断するときに、もっとも客観性の高い基準は販売実績です。
そこで、アフラックの第三分野(医療保険・がん保険・介護保険等)の、過去5年の新規獲得実績を、業界全体と比較しました。
増減がわかりやすいように、初めの年度の実績を100%とし、その後の推移を%で表示しました。

次のことが言えそうです。
- グラフの形は似ているけれど、アフラックの方が全体的に下がり方が大きい。
- 2017年度と2021年度とを比べると、業界全体が約20%ダウンに対し、アフラックは40%以上ダウンしている。
これをもとに推測すると、アフラックの医療保険やがん保険等は、ライバル商品より不評・不人気と考えられます。
当然のことながら、ご覧いただいた販売実績に、『「生きる」を創るがん保険 WINGS』は反映されていません。
というか、人気回復のための、新商品投入なのかもしれません。
『「生きる」を創るがん保険 WINGS』を、おすすめできない理由を解説します。
『「生きる」を創るがん保険 WINGS』の概要
『「生きる」を創るがん保険 WINGS』は、新商品と言いながらも、実質的には『生きるためのがん保険 Days1 ALLin』のバージョンアップです。
更新された給付金(UPDATEと記載)、新規に追加された給付金(NEWと記載)、そのまま引き継がれた給付金を、下図に整理しました。
新商品になって追加された機能のほとんどは、健康保険等の適用外の治療(治療費は10割負担)のための給付金です。
- 特定保険外診療給付金
- がんゲノムプロファイリング検査給付金
- がん先進医療・患者申出療養給付金
- がん先進医療・患者申出療養一時金
- がん要精検後精密検査給付金
これらの治療や検査は、欧米では承認されていても、日本国内では有効性や安全性が公式に認められていません。リスクはあります。
また、適切に検査・治療を実施できる医療機関は限られます。慎重に選ばなければなりません。
これらの給付金を有用と感じるかは、それぞれの方のご判断になります。もっともすべて特約なので、嫌なら選ばなければよいだけですが・・・
『「生きる」を創るがん保険 WINGS』の弱点は低い将来性
現代の最新の検査・治療をすばやくキャッチアップした『「生きる」を創るがん保険 WINGS』ですが、実は、まったく新しい治療法が将来登場したときに、それをカバーできないリスクが大きいです。
通院給付金は柔軟性が低い
費用がかかる治療はたいてい入院か通院でおこなわれます。だから、『「生きる」を創るがん保険 WINGS』の主契約に、入院給付金と通院給付金が組み込まれていることには納得できます。
ところが、約款(詳しい説明書)で確認すると、この通院給付金にはいろいろと制約が設けられています(下図の赤枠)。
こうした通院給付金の支払い条件は、現在の治療法に基づいており、20年後、30年後にも通用するかは未知数です。
治療給付金も変化に弱い
『「生きる」を創るがん保険 WINGS』には、がんの主要な治療をカバーする治療給付金(がん治療保障特約)があります。通院給付金が弱くても、これで補えるかもしれません。
下が、約款に記載されている治療給付金の支払い条件です。こちらにも、通院給付金と同様にいろいろと制約が設けられています。
現時点の治療法を前提とするなら行き届いています。短期間で風化することはないでしょう。
しかし、これまでと異なる発想の治療法が登場したら、手も足も出なくなるリスクがあります。
がん治療が将来どうなるかを、正確に予想できる人はいないと思います。そういう意味で、すべてのがん保険に、年月とともに劣化する恐れがあります。
ただ、アフラックの約款の細々とした記載を読んでいると、新発想の治療法が登場する可能性を1mmも考慮していないように見えます。
候補に加えていただきたいがん保険はこちらです。
わかりやすくて一生使えるがん保険
将来劣化しやすいがん保険は、上でご覧いただいた『「生きる」を創るがん保険 WINGS』のように、➀主契約の支払い条件でやたらと治療名が列挙されていたり、あるいは➁主契約の中に治療給付金が含まれています。
治療給付金とは、放射線治療給付金、抗がん剤治療給付金、ホルモン剤治療給付金など、特定の治療法に直結する給付金です。
治療給付金は、治療についての知識がないと要否の判断が難しく、しかも治療法が変わると劣化しやすいです。
望ましいのは、特定の治療法に左右されにくい、診断給付金、入院給付金、通院給付金を柱とした保険です。
候補に加えたいがん保険
商品名と、それぞれのおすすめプランをご案内します。
FWD生命「FWDがんベスト・ゴールド」
中国系のFWD生命のがん保険です。旧富士生命時代の人気商品をベースにした、プロの間で評価の高い保険です。

- お勧めプラン
主契約のがん診断給付金のみ。 - 留意点など
特約には治療給付金が多いのでお勧めしません。
SOMPOひまわり生命「勇気のお守り がん診断給付型」
国内2位の大手損保、損保ジャパン系列のSOMPOひまわり生命が販売するがん保険です。

「がん治療給付型」と「がん診断給付型」の2つがあります。お勧めは「がん診断給付型」です。
- お勧めプラン
「がん診断給付金」のみ、または「がん診断給付金+がん外来治療給付特約+がん入院特約」。 - 留意点など
保険料に非喫煙者割引があり、割安感があります。
このがん保険の通院特約(=がん外来治療給付特約)は、他社と比べて優秀です。
将来新しい治療法が登場しても、高い確率で対応できそうです。
三井住友海上あいおい生命「&LIFE ガン保険スマート」
大手損保グループ系列の三井住友海上あいおい生命が販売するがん保険です。

- お勧めプラン
主契約(入院給付金、手術給付金)にガン診断給付特約とガン治療通院給付特約を付加。 - 留意点など
他の特約は治療給付金が多いので、お勧めしません。
このがん保険の通院特約(=ガン治療通院給付特約)も、他社と比べて守備範囲が広いです。
なないろ生命「なないろ がん一時金保険」
なないろ生命は朝日生命グループの若い保険会社で、保険ショップなどに保険料の安い商品を供給しています。

なないろ生命は、「なないろ がん治療保険 極」という商品も販売していますが、こちらはお勧め対象外です。
- お勧めプラン
主契約のがん診断一時金のみ(診断一時金と診断給付金は同等)。 - 留意点など
特約には治療給付金が多いのでお勧めしません。
保険のプロに相談するなら、中立性が高く、商品を比較できるところを選びましよう。
わかりにくい保険だからこそ、中立な立場で助言してくれるプロに相談したいです。
保険ショップか独立系FP
保険を販売する人たちを、中立性と商品知識の2つの角度から分類したのが下の図です。
お勧めしたいのは、赤い文字の「保険ショップ」または「独立系FP」です。ここでの「保険ショップ」は、全国チェーンかそれに近い規模のものを指します。
保険ショップ |
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独立系FP |
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担当の人が公正な人柄で、勉強熱心であっても、こちらに勧めてくるのは自分が販売できる商品です。結局はかたよってしまいます。
また、販売できない商品については、保障プラン設計や見積作成の機会がないので、商品知識が深まりません。
できるだけ多くの保険会社の商品を取り扱えるプロに相談するのが無難です。
お勧めしたい保険のプロはこちら
保険ショップ・チェーンには、凄腕の営業マンだった人が設立した、営業色の強いチェーンが多いです。

そんな中、「保険見直し本舗」は、やみくもに店舗を増やすのではなく、サービスネットワークを丁寧に拡大させています。
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