チューリッヒ生命『終身ガン治療保険プレミアム』

チューリッヒ生命『終身ガン治療保険プレミアム』

チューリッヒ生命のがん保険『終身ガン治療保険プレミアムZ』を、徹底分析しました。

チューリッヒ生命は、スイスに拠点を置く世界有数の保険グループの日本法人です。

日本での営業は25年を超えたところで、業界の中では比較的若い会社です。

そのせいか、他社とは一味違う、特徴的な商品が少なくありません。

そんなチューリッヒ生命のがん保険『終身ガン治療保険プレミアムZ』を解説します。

チューリッヒ生命の医療保険・がん保険などの評判・人気を、客観的なデータでチェックしました。

商品の評判・人気を判断するときに、もっとも客観性の高い基準は販売実績です。

そこで、チューリッヒ生命の第三分野(医療保険・がん保険・介護保険等)の、過去5年の新規獲得実績を、業界全体と比較しました。

増減を比較しやすいように、前年度に対する%を表示しています。100%(グラフの青い点線)より上のときに、売上が増加しています。

チューリッヒ生命の第三分野の販売実績(新規獲得)の推移

業界全体は増えたり減ったりしながら、一定の範囲に収まっています。それに対し、チューリッヒ生命はどんどん売上が落ちています。

これをもとに推測すると、チューリッヒ生命の医療保険やがん保険等は、ライバル商品と比べて不評・不人気と考えられます。

『終身ガン治療保険プレミアムZ』を、おすすめできない理由を解説します。

『終身ガン治療保険プレミアムZ』の概要

このがん保険の仕組みを図にすると、次のようになります。ピンクの枠は、セット扱いの給付金です。

抗がん剤治療給付金 自由診療抗がん剤治療給付金 主契約 ホルモン剤治療給付金 自由診療ホルモン剤治療給付金 特約 ガン緩和療養給付金 特約 ガン治療関連給付金 特約 ガン手術給付金 ガン特定手術給付金 特約 ガン放射線治療給付金 特約 ガン入院給付金 特約 ガン先進医療給付金 ガン先進医療支援給付金 特約 保険料払込免除 特約 ガン通院給付金 特約 ストレス性疾病給付金 特約 ガン診断給付金 特約

主契約のみではあきらかに保障が不足するため、特約での補強が必須です。しかし、特約が大量にあるため、一般消費者は迷ってしまいそうです。

自由診療とは、公的医療保険の対象外の治療法です。

日本では未承認だけど、欧米で承認され世界保健機関に登録されている治療法(薬剤)が想定されています。

『終身ガン治療保険プレミアムZ』の問題点

『終身ガン治療保険プレミアムZ』には、次のような重大な問題点があります。

  • 不適切な保障プランで加入するリスクが大きい。
  • 現在の治療法への依存度が高く、将来劣化するリスクが大きい。

補足説明します。

不適切な保障プランで加入するリスクが大きい

このがん保険は、治療給付金(個々の治療法に対応した給付金)メインの仕組みです。

治療給付金メインのがん保険は、治療法についての知識が多少はないと、保障プランを適切に作れません。難易度高めです。

だからこそ、せめて、誰にでも必要になりそうな給付金を主契約に集約してほしいのですが、チューリッヒ生命はそれをやっていません。

意味不明な不親切さです。

現在、手術・放射線治療・抗がん剤治療の3つが三大治療とされていますが、このがん保険では、なぜか主契約で抗がん剤治療しかカバーしていません。

将来劣化するリスクが大きい

このがん保険のような治療給付金メインのがん保険は、将来劣化するリスクが大きいです。

なぜなら、国民病であるがんの治療法の進化はとても速いです。そして治療法が変わると、治療給付金は劣化しやすいです。

治療法が発展しても劣化しにくいのは診断給付金、入院給付金、通院給付金を柱とした保険です。

診断給付金 入院給付金 通院給付金 手術 給付金 放射線治 療給付金 抗癌剤治 療給付金 〔給付金の守備範囲〕

候補に加えていただきたいがん保険はこちらです。

商品名と、それぞれのおすすめプランをご案内します。

FWD生命「FWDがんベスト・ゴールド」

中国系のFWD生命のがん保険です。旧富士生命時代の人気商品をベースにした、プロの間で評価の高い保険です。

  • お勧めプラン
    主契約のがん診断給付金のみ。
  • 留意点など
    特約には治療給付金が多いのでお勧めしません。

SOMPOひまわり生命「勇気のお守り がん診断給付型」

国内2位の大手損保、損保ジャパン系列のSOMPOひまわり生命が販売するがん保険です。

「がん治療給付型」と「がん診断給付型」の2つがあります。お勧めは「がん診断給付型」です。

  • お勧めプラン
    「がん診断給付金」のみ、または「がん診断給付金+がん外来治療給付特約+がん入院特約」。
  • 留意点など
    保険料に非喫煙者割引があり、割安感があります。

このがん保険の通院特約(=がん外来治療給付特約)は、他社と比べて優秀です。

将来新しい治療法が登場しても、高い確率で対応できそうです。

三井住友海上あいおい生命「&LIFE ガン保険スマート」

大手損保グループ系列の三井住友海上あいおい生命が販売するがん保険です。

  • お勧めプラン
    主契約(入院給付金、手術給付金)にガン診断給付特約とガン治療通院給付特約を付加。
  • 留意点など
    他の特約は治療給付金が多いので、お勧めしません。

このがん保険の通院特約(=ガン治療通院給付特約)も、他社と比べて守備範囲が広いです。

なないろ生命「なないろ がん一時金保険」

なないろ生命は朝日生命グループの若い保険会社で、保険ショップなどに保険料の安い商品を供給しています。

なないろ生命は、「なないろ がん治療保険 極」という商品も販売していますが、こちらはお勧め対象外です。

  • お勧めプラン
    主契約のがん診断一時金のみ(診断一時金と診断給付金は同等)。
  • 留意点など
    特約には治療給付金が多いのでお勧めしません。

保険のプロに相談するなら、中立性が高く、商品を比較できるところを選びましよう。

わかりにくい保険だからこそ、中立な立場で助言してくれるプロに相談したいです。

保険ショップか独立系FP

保険を販売する人たちを、中立性と商品知識の2つの角度から分類したのが下の図です。

商品知識 保険ショップ 独立系FP 銀行窓口 一般の保険代理店 保険会社の直営 店または営業

お勧めしたいのは、赤い文字の「保険ショップ」または「独立系FP」です。ここでの「保険ショップ」は、全国チェーンかそれに近い規模のものを指します。

保険ショップ
  • 取り扱う保険会社数がもっとも多く、中立性は高い。
  • 各社の商品についてよく知っているが、保険・家計の知識は店舗による。
独立系FP
  • 複数の保険会社の商品を取り扱うので、中立性はそこそこ高い。
  • 各社の商品についてよく知っており、保険・家計の知識もある。

担当の人が公正な人柄で、勉強熱心であっても、こちらに勧めてくるのは自分が販売できる商品です。結局はかたよってしまいます。

また、販売できない商品については、保障プラン設計や見積作成の機会がないので、商品知識が深まりません。

できるだけ多くの保険会社の商品を取り扱えるプロに相談するのが無難です。

お勧めしたい保険のプロはこちら

保険ショップ・チェーンには、凄腕の営業マンだった人が設立した、営業色の強いチェーンが多いです。

そんな中、「保険見直し本舗」は、やみくもに店舗を増やすのではなく、サービスネットワークを丁寧に拡大させています。

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