オリックス生命のがん保険『がん保険Believe(ビリーブ)』
オリックス生命のがん保険『がん保険Believe(ビリーブ)』を、徹底分析しました。
オリックス生命は、金融サービスを多角的に展開しているオリックスグループの生命保険会社です。

オリックス生命は2つのがん保険を販売していますが、このページではオリックス生命のがん保険『がん保険ビリーブ』を解説します。
オリックス生命の医療保険・がん保険などの評判・人気を、客観的なデータでチェックしました。
商品の評判・人気を判断するときに、もっとも客観性の高い基準は販売実績です。
そこで、オリックス生命の第三分野(医療保険・がん保険・介護保険等)の、過去5年の新規獲得実績を、業界全体と比較しました。
増減を比較しやすいように、前年度に対する%を表示しています。100%(グラフの青い点線)より上の年度は増加しています。

業界全体は5年度の内、前年度を上回ったのは3回で、好調とは言えません。とは言え2021年度は盛り返しました。
それに対し、オリックス生命は2020年度まではまずまず良好ですが、直近2021年度の落ち込みが大きいです。
これをもとに推測すると、オリックス生命の医療保険やがん保険等は不評・不人気とまでは言えないものの、急ブレーキの原因は気になります。
『がん保険Believe(ビリーブ)』の保障内容は、かたよった入院費用重視で、幅広くお勧めしにくいです。
『がん保険ビリーブ』の概要
このがん保険の仕組みを図にすると、次のようになります。
主契約はすべて入院がらみです(がんの手術は入院になる可能性が高いです)。ここまで入院重視のがん保険は、最近では珍しいです。
『がん保険ビリーブ』は通院保障が弱い
通院で治療を受ける確率は上昇中
がんの治療法の進化により、通院で治療を受ける確率が上昇しています。
下のグラフは、厚生労働省『患者調査(平成29年版)』での、通院患者と入院患者の割合を表しています。

がんの三大治療は、手術、放射線治療、抗がん剤治療の3つですが、このうち放射線治療と抗がん剤治療は、通院でおこなわれることが多いようです。
『がん保険ビリーブ』の主契約は通院が
この保険の主契約のうち、通院治療に使えるのは・・・
- 通院のみで治療を受けるときはがん初回診断一時金
- 入院前に通院治療を受けるときはがん初回診断一時金
- 入院後に通院治療を受けるときはがん退院一時金
- がんの再発が見つかり、通院のみで治療するときは???
がん初回診断一時金への期待が大きくなりますね。
でも、がん初回診断一時金の給付は1回だけですよね。途中で足りなくならないか、心配です・・・
「がん通院給付金」は将来性に不安
この保険には、がん通院特約が用意されています。しかし、この特約は経年劣化が心配です。
下図は、約款(保険の詳しい説明書)のがん通院給付金の支払い条件の一部です。赤線のような、治療法のしばりや期間のしばりが記載されています。
赤線のしばりは、当然、現在の治療法を前提に決められています。
がんは高齢になるほどかかりやすい病気なので、保険を使うのは30年後、40年後になる可能性が高いです。そのときには時代遅れになって、あまり役に立たないかもしれません。

入院保障重視という特徴を承知の上で、『がん保険ビリーブ』に加入されるのなら問題ありません。
しかし、実際には、がん保険に詳しくないと、通院保障が薄いことにすら気がつかない危険があります。
そう考えると、幅広い方々にお勧めできるがん保険ではありません。
候補に加えていただきたいがん保険はこちらです。
がんは高齢になってからかかりやすい病気です。
下のグラフは、2019年に新たにがんと診断された人の人数を、年代別に表しています(国立がん研究センター調べ)。

がんは高齢になるほどかかりやすい病気なので、現在の治療をカバーできるのはもちろんのこと、数十年たってもしっかり保障してくれないと困ります。
次の3つの視点から、お勧めのがん保険を選定しました。
- 入院はもちろん、通院のみでの治療もある程度カバーできる。
- 転移・再発による、2度目、3度目の治療にも対応できる。
- 30年後、40年後になっても保障の劣化が少ない。
経年劣化しにくいがん保険とは?
数十年後に劣化するリスクがとくに大きいのは、主契約の中に治療給付金が含まれているがん保険です。
治療給付金とは、放射線治療給付金、抗がん剤治療給付金、ホルモン剤治療給付金など、特定の治療法に直結する給付金です。
がんの治療法は絶えず研究開発されています。そのため、治療給付金は劣化しやすいです。
逆に劣化しにくいのは、特定の治療法に左右されにくい診断給付金、入院給付金、通院給付金を柱とした保険です。
候補に加えたいがん保険
商品名と、それぞれのおすすめプランをご案内します。
FWD生命「FWDがんベスト・ゴールド」
中国系のFWD生命のがん保険です。旧富士生命時代の人気商品をベースにした、プロの間で評価の高い保険です。

- お勧めプラン
主契約のがん診断給付金のみ。 - 留意点など
特約には治療給付金が多いのでお勧めしません。
SOMPOひまわり生命「勇気のお守り がん診断給付型」
国内2位の大手損保、損保ジャパン系列のSOMPOひまわり生命が販売するがん保険です。

「がん治療給付型」と「がん診断給付型」の2つがあります。お勧めは「がん診断給付型」です。
- お勧めプラン
「がん診断給付金」のみ、または「がん診断給付金+がん外来治療給付特約+がん入院特約」。 - 留意点など
保険料に非喫煙者割引があり、割安感があります。
このがん保険の通院特約(=がん外来治療給付特約)は、他社と比べて優秀です。
将来新しい治療法が登場しても、高い確率で対応できそうです。
三井住友海上あいおい生命「&LIFE ガン保険スマート」
大手損保グループ系列の三井住友海上あいおい生命が販売するがん保険です。

- お勧めプラン
主契約(入院給付金、手術給付金)にガン診断給付特約とガン治療通院給付特約を付加。 - 留意点など
他の特約は治療給付金が多いので、お勧めしません。
このがん保険の通院特約(=ガン治療通院給付特約)も、他社と比べて守備範囲が広いです。
なないろ生命「なないろ がん一時金保険」
なないろ生命は朝日生命グループの若い保険会社で、保険ショップなどに保険料の安い商品を供給しています。

なないろ生命は、「なないろ がん治療保険 極」という商品も販売していますが、こちらはお勧め対象外です。
- お勧めプラン
主契約のがん診断一時金のみ(診断一時金と診断給付金は同等)。 - 留意点など
特約には治療給付金が多いのでお勧めしません。
保険のプロに相談するなら、中立性が高く、商品を比較できるところを選びましよう。
わかりにくい保険だからこそ、中立な立場で助言してくれるプロに相談したいです。
保険ショップか独立系FP
保険を販売する人たちを、中立性と商品知識の2つの角度から分類したのが下の図です。
お勧めしたいのは、赤い文字の「保険ショップ」または「独立系FP」です。ここでの「保険ショップ」は、全国チェーンかそれに近い規模のものを指します。
保険ショップ |
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独立系FP |
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担当の人が公正な人柄で、勉強熱心であっても、こちらに勧めてくるのは自分が販売できる商品です。結局はかたよってしまいます。
また、販売できない商品については、保障プラン設計や見積作成の機会がないので、商品知識が深まりません。
できるだけ多くの保険会社の商品を取り扱えるプロに相談するのが無難です。
お勧めしたい保険のプロはこちら
保険ショップ・チェーンには、凄腕の営業マンだった人が設立した、営業色の強いチェーンが多いです。

そんな中、「保険見直し本舗」は、やみくもに店舗を増やすのではなく、サービスネットワークを丁寧に拡大させています。
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