アクサダイレクト生命のがん保険『がん終身』

アクサダイレクト生命のがん保険『がん終身』

アクサダイレクト生命のがん保険『がん終身』を、徹底分析しました。

アクサダイレクト生命は、フランスに拠点を置く世界トップクラスの保険グループのネット生保です。

アクサ生命も同じグループですが、別の会社です。商品も異なります。

このページではアクサダイレクト生命のがん保険『がん終身』を解説します。

アクサダイレクト生命の医療保険・がん保険などの評判・人気を、客観的なデータでチェックしました。

商品の評判・人気を判断するときに、もっとも客観性の高い基準は販売実績です。

そこで、アクサダイレクト生命の第三分野(医療保険・がん保険・介護保険等)の、過去5年の新規獲得実績を、業界全体と比較しました。

増減を比較しやすいように、前年度に対する%を表示しています。100%(グラフの青い点線)より上の年度は増加しています。

アクサダイレクト生命の第三分野の販売実績(新規獲得)の推移

業界全体は増えたり減ったりしながら、一定の範囲に収まっています。それに対し、アクサダイレクト生命はすべての年度で100%を超えており、販売好調です。

これをもとに推測すると、アクサダイレクト生命の医療保険やがん保険等は、ライバル商品と比べて好評で人気があると考えられます。

アクサダイレクト生命の売上規模はアフラックの約32分の1で(2021年度)、とても小さいです。

伸び盛りではあるものの、知名度がまだまだ小さいことも事実です。

『がん終身』の保障内容には、3つのリスクがあります。お勧めしにくいです。

『がん終身』の概要

このがん保険の仕組みを図にすると、次のようになります。

がん入院給付金 主契約 がん診断給付金 (給付は1回限り) 主契約 抗がん剤治療給付金 (80歳までの更新型) 特約 がん手術給付金 特約 がん先進医療給付金 (80歳までの更新型) 特約 退院後療養給付金 特約 女性がん入院給付金 特約 がん無事故給付金 (保険を3年使わなければ給付) 特約 保険料払込免除 自動セット

このがん保険は、保険料が安いかわりに、上の図の( )内のような制約が設けられています。

そのため、他社のがん保険より機能の面では見劣りします。

『がん終身』の3つのリスク

このがん保険は、以下のような、決して小さくないリスクがあります。

通院のみでの治療が手薄

以下のことが組み合わさった結果、このがん保険は通院のみでの治療が苦手です。

  • 放射線治療給付金がない。
  • 通院給付金がない。
  • 診断給付金は1回しか出ない(転移・再発では出ない)。
  • 抗がん剤治療給付金は80歳まで。

しかし、一般消費者がこのことに気がつくのは難しいと思われます。

抗がん剤治療給付金がショボイ

このがん保険の抗がん剤治療給付金(抗がん剤治療特約)は、次の点で弱いです。

  • 更新型なので、更新のたびに(原則10年毎)保険料が高くなる。
  • 最長で80歳までしか更新できない。80歳は、日本人の平均寿命より年下。

抗がん剤治療はがんの三大治療の一つなので、それの保障が弱いのは重要ポイントですが、一般消費者がそのことに気がつくのは難しいと思われます。

ネット通販の保険にしては不親切

アクサダイレクト生命はネット生保なので、消費者自身が、希望に合わせて保障プランを作成します。

よって、『がん終身』を初めとした同社の商品には、誤解の余地がないくらいのわかりやすさが求められます。

しかし実際には、上で解説したような、一般消費者にはわかりにくい、それでいて小さくないリスクがあります。

候補に加えていただきたいがん保険はこちらです。

がんは高齢になってからかかりやすい病気です。

下のグラフは、2019年に新たにがんと診断された人の人数を、年代別に表しています(国立がん研究センター調べ)。

2019年に新たにがんと診断された人の、年代別人数

がんは高齢になるほどかかりやすい病気なので、現在の治療をカバーできるのはもちろんのこと、数十年たってもしっかり保障してくれないと困ります。

わかりやすくて一生使えるがん保険

数十年後に劣化するリスクがとくに大きいのは、主契約の中に治療給付金が含まれているがん保険です。

治療給付金とは、放射線治療給付金、抗がん剤治療給付金、ホルモン剤治療給付金など、特定の治療法に直結する給付金です。

がんの治療法は絶えず研究開発されています。そのため、治療給付金は劣化しやすいです。

逆に劣化しにくいのは、特定の治療法に左右されにくい診断給付金、入院給付金、通院給付金を柱とした保険です。

診断給付金 入院給付金 通院給付金 手術 給付金 放射線治 療給付金 抗癌剤治 療給付金 〔給付金の守備範囲〕

候補に加えたいがん保険

商品名と、それぞれのおすすめプランをご案内します。

FWD生命「FWDがんベスト・ゴールド」

中国系のFWD生命のがん保険です。旧富士生命時代の人気商品をベースにした、プロの間で評価の高い保険です。

  • お勧めプラン
    主契約のがん診断給付金のみ。
  • 留意点など
    特約には治療給付金が多いのでお勧めしません。

SOMPOひまわり生命「勇気のお守り がん診断給付型」

国内2位の大手損保、損保ジャパン系列のSOMPOひまわり生命が販売するがん保険です。

「がん治療給付型」と「がん診断給付型」の2つがあります。お勧めは「がん診断給付型」です。

  • お勧めプラン
    「がん診断給付金」のみ、または「がん診断給付金+がん外来治療給付特約+がん入院特約」。
  • 留意点など
    保険料に非喫煙者割引があり、割安感があります。

このがん保険の通院特約(=がん外来治療給付特約)は、他社と比べて優秀です。

将来新しい治療法が登場しても、高い確率で対応できそうです。

三井住友海上あいおい生命「&LIFE ガン保険スマート」

大手損保グループ系列の三井住友海上あいおい生命が販売するがん保険です。

  • お勧めプラン
    主契約(入院給付金、手術給付金)にガン診断給付特約とガン治療通院給付特約を付加。
  • 留意点など
    他の特約は治療給付金が多いので、お勧めしません。

このがん保険の通院特約(=ガン治療通院給付特約)も、他社と比べて守備範囲が広いです。

なないろ生命「なないろ がん一時金保険」

なないろ生命は朝日生命グループの若い保険会社で、保険ショップなどに保険料の安い商品を供給しています。

なないろ生命は、「なないろ がん治療保険 極」という商品も販売していますが、こちらはお勧め対象外です。

  • お勧めプラン
    主契約のがん診断一時金のみ(診断一時金と診断給付金は同等)。
  • 留意点など
    特約には治療給付金が多いのでお勧めしません。

保険のプロに相談するなら、中立性が高く、商品を比較できるところを選びましよう。

わかりにくい保険だからこそ、中立な立場で助言してくれるプロに相談したいです。

保険ショップか独立系FP

保険を販売する人たちを、中立性と商品知識の2つの角度から分類したのが下の図です。

商品知識 保険ショップ 独立系FP 銀行窓口 一般の保険代理店 保険会社の直営 店または営業

お勧めしたいのは、赤い文字の「保険ショップ」または「独立系FP」です。ここでの「保険ショップ」は、全国チェーンかそれに近い規模のものを指します。

保険ショップ
  • 取り扱う保険会社数がもっとも多く、中立性は高い。
  • 各社の商品についてよく知っているが、保険・家計の知識は店舗による。
独立系FP
  • 複数の保険会社の商品を取り扱うので、中立性はそこそこ高い。
  • 各社の商品についてよく知っており、保険・家計の知識もある。

担当の人が公正な人柄で、勉強熱心であっても、こちらに勧めてくるのは自分が販売できる商品です。結局はかたよってしまいます。

また、販売できない商品については、保障プラン設計や見積作成の機会がないので、商品知識が深まりません。

できるだけ多くの保険会社の商品を取り扱えるプロに相談するのが無難です。

お勧めしたい保険のプロはこちら

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そんな中、「保険見直し本舗」は、やみくもに店舗を増やすのではなく、サービスネットワークを丁寧に拡大させています。

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