メディケア生命『新メディフィット リターン』
メディケア生命の医療保険『新メディフィット リターン』を、徹底分析しました。
メディケア生命は、大手生保住友生命系列の生命保険会社で、金融機関や保険代理店等を通じて保険料の安い保険商品を提供しています。
メディケア生命は複数の医療保険を販売していますが、このページでは『新メディフィット リターン』について解説します。
ところで、ベーシックな医療保険『新メディフィットA』に、健康還付給付金を追加したのがこの商品です(他にも細かな変更点があります)。
そこで、このページでは健康還付給付金について重点的に解説します。それ以外の機能は、お手数ですが『新メディフィットA』をご覧ください。
『新メディフィット リターン』の、保険料がもどる仕組みについて解説します。
『新メディフィット リターン』の概要
この医療保険の仕組みを図にすると、次のようになります。
『新メディフィットA』とのとくに重要な違いは、健康還付給付金の有無です。
健康還付給付金の仕組み
加入後、所定の年齢(加入するときに、60歳~80歳の中から5歳刻みで指定)にたっすると、それまで払い込んだ主契約の保険料全額が、健康還付給付金としてもどってきます。
ただし、その年齢までに給付金を受け取っている場合は、その金額が健康還付給付金から差し引かれます。
保険料の払込期間は終身のみです。ですから、健康還付給付金を受け取った後も、保険料を払い続けます。
健康還付給付金は、「掛け捨て」に抵抗がある方には好評ですが、一般的な医療保険と比べて、1回あたりの保険料はかなり高額になります。
他社の健康還付給付金と差別化
健康還付給付金を持つ医療保険は、少数ですが他社も販売しており、ほとんど同じ仕組みです。
ただし、『新メディフィット リターン』には、他社と差別化できるポイントがあります。
健康還付給付金が5%上乗せされる(それまでに払い込んだ保険料累計の105%がもどる)プランもあります。
健康還付給付金以外の保障については、お手数ですが『新メディフィットA』をご覧ください。
『新メディフィット リターン』は、いろいろな使い方ができます。
健康還付給付金受け取り後もそのまま継続
保険料は終身払込なので、健康還付給付金受け取り後も、保険料払込は一生続きます。
たとえば、30歳の男性が、この保険に月々の保険料3,430円で加入し、65歳のときに健康還付給付金を受け取るとします。65歳まで保険を使わなかったとすると、主契約の収支は下のようになります(健康還付給付金105%のプラン)。
年齢 | 払った 保険料累計 |
実質の 保険料累計 |
---|---|---|
45歳 | 617,400円 | 617,400円 |
55歳 | 1,029,000円 | 1,029,000円 |
65歳 | 1,440,600円 | -72,030円 |
85歳 | 2,263,800円 | 751,170円 |
65歳で健康還付給付金を受け取りますが、5%の上乗せがあるので、実質の累計額はマイナスになります。
その後、仮に85歳まで保険を継続したなら、実質の保険料累計は751,170円になります。
このように健康還付給付金受け取り後も保険料払込は続くので、保険料負担がゼロになるわけではありません。
健康還付給付金をその後の保険料に当てる
上の例ですと、健康還付給付金は35年分の保険料累計と同額です。
ですから、健康還付給付金全額をその後の保険料に当てるとしたら、100歳までの保障をカバーできます。
男性の平均寿命は81歳(2021年)なので、65歳より後の保険料全額をまかなえそうです。
健康還付給付金を受け取って保険を解約
健康還付給付金を受け取る65歳のときは、金利が今より高くなって、貯蓄や投資で安全・有利に増やせるかもしれません。
もしそうなっていたら、医療保険は解約して、受け取った健康還付給付金を医療費の財源として、保険以外で運用することも考えられます。
この方法には、想定外に医療費がかさむ大病になったり、投資に失敗するなどして、資金不足になるリスクがあります。
健康還付給付金を受け取る時点で、金銭的な余裕がないときは、慎重にご判断ください。
『新メディフィット リターン』は悪くない選択肢ですが、メリットをよく見きわめてください。
累計ベースでは保険料節約になるけれど・・・
健康還付給付金がない『新メディフィットA』と、85歳までの実質的な保険料累計を比較しました。
30歳男性が、それぞれの商品の5,000円タイプの同社お勧めプランに加入したとして、85歳までの実質的な保険料累計額を比較しました。
なお、健康還付給付金を受け取る65歳までは保険を使わないという想定です。
商品 | 月々の保険料 | 85歳までの 保険料累計 |
---|---|---|
新メディフィットA | 1,155円 | 762,300円 |
新メディフィット リターン | 3,430円 | 751,170円 |
『新メディフィット リターン』の月々の保険料は約3倍です。しかし、65歳の時に健康還付給付金がもどってきます。それのおかげで、85歳までの累計額は、むしろ安くなっています。
ただし、2つの差は約1万円です。50年かけて1万円の差というのは・・・
使いこなしたい人にお勧め
上の比較結果を見る限り、たんたんと保険を続けるだけなら、『新メディフィット リターン』を選ぶメリットは乏しいです。
となると、『新メディフィット リターン』をお勧めしたいのは、たとえば健康還付給付金を受け取った直後に保険を解約して、受け取ったお金を他の目的に使う(または他の方法で資産運用する)というように、この保険の仕組みを積極的に活かしたい方々です。
保険のプロに相談するなら、中立性が高く、商品を比較できるところを選びましよう。
わかりにくい保険だからこそ、中立な立場で助言してくれるプロに相談したいです。
保険ショップか独立系FP
保険を販売する人たちを、中立性と商品知識の2つの角度から分類したのが下の図です。
お勧めしたいのは、赤い文字の「保険ショップ」または「独立系FP」です。「独立系FP」とは、特定の保険会社に所属しないFPのことです。
保険ショップ |
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独立系FP |
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基本から相談したいときにFP保険相談を、入りたい保険がだいたい決まっていて、商品選びをしたいときは保険ショップをお勧めします。
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