40代独身の生命保険

40代独身の生命保険

独身の方は、自分のための生命保険を中心に検討しましょう。お子さまがいるときは、遺族のための死亡保険も検討に加えましょう。

一言で生命保険と言っても、いくつかのジャンルに分かれます。
大きくは、「自分が生きて使うための保険」と、「亡くなったときに遺族にお金を残すための保険」に分けられます。

「自分が生きて使うための保険」は、独身だろうと結婚していようと、子供がいようといまいと、検討したい保険です。

独身者全員にご検討いただきたい保険

まず、「自分が生きて使うための保険」です。お勧め順にあげています。

優先度
病気・ケガの入院保障です。50代以降、病気・ケガによる入院のリスクが高くなります。早めに対策しておきたいです。
優先度
長期間仕事をできなくなったときの、生活費の保障です。
優先度
老後の生活資金などを準備します。現状では利回りが悪く、魅力的ではありません。ただし、保険以外の方法もパッとしません。

もっとも悩ましいのが、老後資金の準備です。個人年金保険をはじめとして、安全性の高い(元本割れしない)貯蓄手段は、軒並み低利回りです。

低金利の時代に、安全性の高い貯蓄方法で、まとまったお金を貯めるには、時間をかける必要があります。
しかし、40代になると、時間的な余裕はあまりありません。

扶養家族がいる人に検討してほしい保険

母子家庭・父子家庭など扶養家族がいる方が、仕事・事業のつながりなどで残された人たちにお金を残したい、ということなら、以下を検討していただきたいです。

優先度
遺族にお金を残すための保険です。目的に合わせて、上の2つを使い分けます。
優先度
自分の葬式代・死後の整理資金(200~500万円くらい)を準備します。預貯金などでまかなえるなら、保険にこだわるだわる必要ありません。

残された家族の生活費を確保するには、収入保障保険をお勧めします。
個人事業主・自営業者などで、保険で事業資金の対策もしたい、といことなら、定期保険をお勧めします。

収入保障保険や定期保険は、ある期間(子供が経済的に自立するまで等)の高額保障には向いています。
逆に言うと、期間の区切られた保障になってしまいます。葬式代・死後の整理資金など、いつ必要になるかわからない資金の準備には向いていません。

葬式代・死後の整理資金などの準備に向いているのは終身保険です。
ただ、200~500万円くらいなら、預貯金で準備できるかもしれません。そのときは、保険にこだわる必要ありません。

50代になると、病気・ケガによる入院のリスクは、目に見えて高くなり始めます。医療保険に興味をお持ちなら、40代のうちに決断しましょう。

医療保険は、入院保障を中心とする保険です。
将来の入院費用の準備、という視点で、要否を判断しましょう。

入院の危険性は、年齢とともに高くなる

病気・ケガで入院する危険性は、年齢とともに高くなります。特に、50代あたりから、目に見えて上がり始めます。

グラフは、厚生労働省『患者調査』(平成26年)をもとに、同世代の中での入院患者の割合を、年代別に表しています。

年代ごとの入院する確率のグラフ

1%を超えるのが、60代になってからです。とは言え、50代頃から、増え方がペースアップしています。医療保険・がん保険に関心をお持ちで、まだ未加入なら、本格的に検討したいです。

また、いずれ加入するなら、少しでも早く加入した方が、おトクです。

以下の2つが、その理由です。

医療保険は、早く加入した方がおトク

医療保険は、何歳で加入しても、生涯に支払う保険料の合計は大きく変わりません。
であれば、早く加入した方が、長い期間保障があるので、おトクです。

アフラックの医療保険で、実際に試算してみました。
男性が85歳まで医療保険を継続するとして、加入年齢ごとに、月々の保険料と、一生涯に支払う保険料の合計を表にまとめました。

加入する年齢 月々の保険料 85歳までの合計
35歳 1,615 969,000
45歳 2,310 1,108,800
55歳 3,495 1,258,200
65歳 5,510 1,322,400

月々の保険料は、加入年齢が若いほど安くなります。
そして、85歳までの保険料累計も、加入年齢が若いほど、低い金額になっています。

また、年齢が高くなるほど、保険料の上がり方も急になっています。

これだったら、早く加入して、長い期間保障を受ける方が、おトクです。月々の保険料は、少しでも安い方が良いですし。

体調が悪くなって医療保険に入ると、保険料が割高になる

生命保険も医療保険も、健康状態が良くないと、保険料が割り増しになり、もっとひどいときは加入を断られてしまいます。
いつかは入るつもりでいるなら、健康なうちに入りましょう。

ご参考までに、アフラックの医療保険で、実際に試算してみました。
健康な人と、健康状態が良くない人の保険料を、加入年齢ごとに表にまとめました。また、85歳まで保険を続けるときの、一生涯に支払う保険料の合計も計算しました。

《 健康な人 》

加入する年齢 月々の保険料 85歳までの合計
45歳 2,662 1,277,760
55歳 3,495 1,258,200

《 健康状態が良くない人 》

加入する年齢 月々の保険料 85歳までの合計
45歳 4,478 2,149,440
55歳 4,846 1,744,560

上下の表を見比べると、1ヵ月あたり1,000以上の差。85歳までの累計では、数十万円もの差になります。
健康なうちに加入しておきたいです。

医療保険に加入するなら、基本の保障を手厚く

40代以降は、加入する年齢が高くなるほど、保険料の上がり方も急になります。
だから、できるだけ早く加入した方が良いのですが、そうは言っても、保障内容をしっかり検討してください。

せっかくスピーディに加入を決めても、数年後に不安になって、新たに入り直すことになっては、元も子もありません。
このことは、医療保険やがん保険に限ったことではありません。とは言え、医療保険やがん保険の分野こそ、強く意識していただきたいです。

医療保険、がん保険は、商品改定が多い

なぜかと言うと、医療保険やがん保険は、商品内容の改定ペースが速いからです。
背景に医療技術の進歩があり、それに歩調を合わせて、医療保険・がん保険も商品改定されます。

それに踊らされて、保険の見直しを重ねると、保険料負担はどんどん大きくなり、いつまでも支払い続けることになります。

長く続けるためのチェックポイント

そうならないためには、こまごまとした特約などに気をとられるより、基本の保障の充実に目を向けてください。
具体的には、以下のことを検討してください。

  • 入院給付金日額(入院1日あたりの給付金額)を厚くする。
  • 入院1回あたりの、保障日数を長くする。
  • 手術給付金が厚い医療保険(またはプラン)を選ぶ。
  • 入院一時金特約、がん診断一時金特約を付加する。

基本の保障がしっかりとしていたら、年数が経過しても、そうそう古くなりません。


医療保険についての、より詳しい説明はあなたに医療保険は必要?をご覧ください。

これから医療保険に入るなら、がん保険は必須ではありません。一方、すでに医療保険に入っている人が、がん保険を検討する余地はあります。

がんは、1981年(昭和56年)以来、日本人の死因のトップに君臨しています。
下の図は、厚生労働省『人口動態統計』(平成26年)をもとにした、日本人の死因の円グラフです。

医療保険は、がんに対応している

上のグラフからわかるように、がんは、日本人にとって、特別な病気です。それだけに、医療保険は、当然がんに対応しています。
ただし、医療保険の標準の保障(=主契約)だけでは、心細いかもしれません。

医療保険は入院保障がメインなので、標準の保障でも、がんの入院には対応できます。
しかし、それだけでは安心できません。というのは、がんは、入院患者より通院患者の方が多い病気です。

厚生労働省の『患者調査』(平成26年)によると、主ながんの入院患者数と通院患者数は下のようになっています。

入院患者数 通院患者数
129,200人 171,400人

医療保険で、通院費用までカバーしようとすれば、特約を付加する必要があります。

どんな特約かは、商品によって異なりますが、がんと診断されたら一時金が出る特約だったら、ほとんどの医療保険にあります。
一時金は、入院費用にも、通院費用にも、自由に使うことができます。

というように、がんの通院に使える特約を付加すれば、医療保険だけで、十分にがんに備えられます。

昔の医療保険を、がん保険でパワーアップ

すでに医療保険に加入しているけれど、がんの対策を強化したい、という場合、3つの方法があります。

現在加入している医療保険に、がんの特約を追加

現在加入している医療保険に、がんの特約があれば、加入後にその特約を追加できます。
取り扱い方法は、保険会社によって異なるので、ご確認ください。

通常は、書類の手続きだけではなく、健康状態について告知したり、健康診断を受ける必要があります。
もちろん、特約を付加すると、保険料は増えます。

ただし、加入している医療保険が古いと、希望通りの特約が提供されていないかもしれません。

新しい医療保険に入り直す

現在の医療保険を解約し、新しい医療保険に入り直して、がんの特約を付加する、という選択肢もあります。

理屈の上では、こういう選択もあり得ますが、お勧めできません。
新しく保険に入り直すと、現在の保険の満足できている部分も、保険料が再計算されて、高くなります。

現在の医療保険に大きな不満があるならともかく、保険料の面でムダの多い方法です。

がん保険に、新たに加入する

3つ目は、現在の医療保険をそのままにして、新規でがん保険に加入する、という方法です。

この場合注意したいのは、医療保険とがん保険とで、保障の重複を避ける、ということです。

医療保険には、必ず入院給付金があります。一方、がん保険には、入院給付金が必須で付いているものと、付いていないものがあります。
入院給付金の重複に注意しましょう。不用意に重複させるのは、保険料のムダです。

ただし、わざと重複させてがんの入院保障を厚くする、というのは"あり"です。


がん保険についての、より詳しい説明はがん保険は必要か!?をご覧ください。

就労不能保険は、病気・ケガで仕事ができなくなったときの、収入の不足を補う保険です。近年、注目されています。

医療技術の発展により、がんのような重い病気にかかっても、治療を受けながら、社会生活を営むことができるようになりました。

しかし、病気のために仕事が制限されて、収入が減少したり、無くなってしまうかもしれません。
そうした不安に対策できるのが、就労不能保険です。

名称の似た保険が多いので、要注意

就業不能保険は、わりと新しい保険のジャンルです。そのため、商品名や保障内容が、保険会社によって異なります。

特に、名称が似ているけれど、内容が異なる商品に、注意していただきたいです。

  • 収入保障保険(保険をかけられている人が亡くなったときに、遺族の生活費を保障)
  • 所得補償保険(就労不能保険と似た仕組みの、損保会社が販売する更新型の保険)

収入保障保険は、就業不能保険とは、目的が異なります。別種の保険です。

所得補償保険は、就業不能保険と同じ目的の保険で、仕組みも近いです。損保会社が、経営者・士業・自営業者などに昔から販売してきた、歴史のある保険です。

所得補償保険は、短期タイプと長期タイプがあって、多くの損保会社が販売しているのは短期タイプです。1~2年で更新を迎え、年齢が高くなるにつれて、保険料は高くなります。

就業不能保険に興味をお持ちなら、所得補償保険もターゲットになります。

主な就業不能保険

就業不能保険は、他の保険より見つけにくいので、2018年1月現在で、市販されている主な商品を、ご案内します。

  • アクサ生命『就業不能保障プラン』
  • 朝日生命『収入サポート』
  • アフラック『給与サポート保険』
  • 住友生命『1UP(ワンナップ)』
  • チューリッヒ生命『くらすプラス』
  • 東京海上日動あんしん生命『家計保障定期保険』
  • ライフネット生命『就業不能保険』

条件付きの"就業不能保険もどき"は要注意

上の他に、就労不能になったときに、条件付きで、保険金が出る保険や特約がいくつかあります。

たとえば、三大疾病(がん、急性心筋梗塞、脳卒中)を原因とする就業不能に限り保険金が出る、というような保険です。

病気・ケガで働けなくなったときに、保険の助けが必要なのだったら、どんな場合でも、保険金が出るようにしたいです。

条件付きの就労不能保障でもムダではありませんが、できれば避けたいです。。

40代から老後生活資金を準備するのに、個人年金保険は、有力な選択肢ではありません。

低金利が長く続いています。生命保険会社の、個人年金保険などの貯蓄性商品も、例外ではありません。

つまり、安全性の高い(=元本保証)方法で、短い期間にお金を殖やすことが難しくなっています。
安全な方法でお金を殖やすためには、時間をかける必要があります。

40代になると、老後までの年数に時間的な余裕はありません。個人年金保険を使えなくはありませんが、利回りは厳しいです。

個人年金保険の利回りは低い

保険を使っての、老後生活資金準備と言えば、個人年金保険が思い浮かびます。

どのくらいの利回りになるのか、明治安田生命『年金かけはし』を例に、ご覧いただきます。

40歳男性が、65歳まで毎月12,000円の保険料払い込んで、65歳から10年間にわたって、年間37万円の年金を受け取るとします。

このときの利回りは、下のようになります。

保険料累計 360万円
年金受取額累計 約370万円
年金受取率 103%
年利回り 0.16%

年金受取率は、単純に、保険料の累計と年金の累計を比較した数字です。上表の例では、3%増えることになります。

年金受取率は生命保険独自の数字なので、銀行の金利などとは比較できません。
そこで、このサイト独自で、年利回りに換算したところ、0.16%になりました。パッとしない数字です・・・

銀行の定期預金より有利

明治安田生命『年金かけはし』と利回りを比べるために、5年定期預金金利を、以下にまとめました。

  • 大手都市銀行(0.01%)
  • ゆうちょ銀行(0.01%)
  • じぶん銀行(0.20%)
  • オリックス銀行(0.30%)
  • 関西アーバン銀行(0.15%)

都市銀行より金利が高い、主なネット銀行も調べましたが、個人年金保険の0.16%は、オリックス銀行、じぶん銀行に次ぐ数字で、まずまずです(2018年1月)。

もっとも、個人年金保険の場合、加入して数年後に世の中に金利が上昇しても、金利は加入時点の水準のままです。そういうリスクを考えると、0.16%程度の利回りは、物足りないかもしれません。

ちなみに、個人年金保険の保険料は、税制上の優遇(個人年金保険料控除)を受けることができます。
たとえば、所得税率20%の人が、上の個人年金保険に加入して、満額で生命保険控除を受けることが出来たら、毎年8,000円の所得税を節約できます。

単純に、保険料が年に8,000円安くなったと考えると、実質的な年利回りは0.48%に上がります。これなら、オリックス銀行より高い利回りです。

なお、個人年金保険料控除は、所得や、他の生命保険の加入状況に左右されます。ご自分の条件で、節税額を確認してください。

個人年金保険の利回りを、少しでも上げる方法

保障内容のプランを変更することで、多少は利回りを上げることができます。

大きく上がるわけではありません。また、デメリットがあるので、手放しでお勧めするものではありません。

保険料払込期間を長くする

保険料払込期間を長くすれば、保険会社にとっては運用できる期間が長くなります。その分は、利回りが良くなります。

上図の例では65歳から年金開始でしたが、これを後ろにずらしたら(70歳とか、75歳とか)、利回りは少し良くなります。

ただ、年金開始を後ろにずらせるかは、それぞれの世帯の老後資金の見通しによります。

「据置期間」を設定する

販売されているほとんどの個人年金保険で、「据置期間」を設定できます。
「据置期間」とは、保険料払込終了から年金開始までの、数年の待機期間です。

個人年金保険の据置期間のイメージ

待機期間とは言え、「据置期間」中も保険会社は資金運用するので、その分は年金額が増えます。つまり、利回りが少し上昇します。

「据置期間」を設定すると、年金開始時期や年金額に影響します。メリットばかりではありませんので、慎重に検討してください。

ご自分が亡くなったときに、残された人たちにお金を残すなら、子供向けには収入保障保険、それ以外には定期保険があります。

母子世帯・父子世帯のようなお子さまがいる世帯や、事業をやっているケースでは、亡くなったときに、まとまったお金を残したいことがあります。

子供のためなら、収入保障保険

遺族となった子供のために、養育費・教育費を残すなら、収入保障保険が向いています。

収入保障保険は、残された子供が経済的に自立するまでの間、毎月決まった保険金を受け取ることのできる保険です。

収入保障保険の仕組み

子供の成長に自動的に連動するので、ムダがありません。子供のための保険という意味では、次にご案内する定期保険より、合理的です。

子供以外にまとまったお金を残すなら、定期保険

定期保険は、保険契約の期間内に亡くなったら、あらかじめ決められている金額を、一時金でもらえる保険です。

収入保障保険の仕組みだと、亡くなるタイミングが遅くなるほど、子供の経済的自立が近くなるので、もらえる保険金の総額は少なくなります。

自分が亡くなったときに、経営している会社のためにお金を残したい、というようなケースだと、収入保障保険は適合しません。
そのときどきの経営状態や事業環境によって、残したい金額は変動しますから、保険から出る金額が、自動的に減っては困ります。

定期保険と収入保障保険の仕組みの比較

よって、定期保険を選んで、必要な保険金額が大幅に変動したら、その都度保険契約の内容を変更しましょう。


収入保障保険についての、より詳しい説明は収入保障保険の必要性と仕組みをご覧ください。
定期保険についての、より詳しい説明は定期保険を選ぶポイントをご覧ください。

老後生活資金を見通して、葬式代・死後の整理資金・相続税対策などが必要なら、終身保険を検討しましょう。

終身保険は、収入保障保険や定期保険と同じ死亡保険です。よって、収入保障保険や定期保険で必要保障額を準備できているなら、終身保険が無くても、さしあたっての不都合はありません。

ただし、収入保障保険や定期保険は、保障期間に限りがあります。一生涯の保障ではありません。一生涯の死亡保障が必要なら、終身保険を検討しましょう。

一生涯の死亡保障

一般的な世帯の必要保障額(世帯主が亡くなったときに、受け取りたい保険金額)は、子供が経済的に独立し、配偶者が公的年金を受給できる年齢(60~65歳)になると、ガクンと減ります。

死亡保険の必要保障額は、下図のようなイメージで変化します。

一般的な世帯の必要保障額(世帯主が亡くなったときに、受け取りたい保険金額)の変化。

老後(退職後)に、死亡保険で準備する必要があるとすれば、以下のようなものが対象になります。

  • 葬式代、墓代
  • 相続税対策
  • その他の整理資金(清掃、廃品回収など)

相続税対策を除くと、200~500万円くらいが目安です。
このくらいの金額であれば、生命保険に加入しなくても、用意できるかもしれません。よくご検討下さい。

残念ながら、低解約返戻金型の貯蓄機能は、期待薄

終身保険の中には、低解約返戻金型と呼ばれる、貯蓄性を高めたタイプの商品があります。

保険料払込期間終了後に解約すると、それまでに払い込んだ保険料累計より、大きな金額の解約返戻金がもどってきます。

ただし、加入年齢が高くなるにつれて、利回りは悪くなります。そして、40代は、利益が出るかでないかの境目です。

たとえば、45歳男性が、死亡保険金300万円の、オリックス生命『終身保険RISE(ライズ)』に加入するとします。

保険料を65歳までの20年間払い込むとします。このプランで、保険料払込が終了した時点で解約すると、解約返戻金は2,680,740円になります。

20年間に払い込んだ保険料の総額は、2,671,200円です。
増加したのはたったの9,540円です。割合にして、0.3%しか増えていません。
解約の時期をもっと遅くすると、解約返戻金は多くなりますが、貯蓄と呼ぶには寂しいです。

このように、40代になってしまうと、終身保険の貯蓄性の恩恵を、期待しにくくなります。

ただし、終身保険への加入を迷っている人にとっては、好都合かもしれません。65歳を過ぎたときに、保障が不要だったら、気軽に解約できます。

生命保険に加入するときは、老後になる前に、保険料の払い込みを終えておきたいです。

老後になっても、それなりの金額の生命保険料を払い込んでいる人は、意外と多いようです。

下図は、生命保険文化センターの平成27年度「生命保険に関する全国実態調査」をもとに、世帯あたりの毎月の生命保険料を、年代ごとに整理したグラフです。

世帯あたりの毎月の生命保険料を、年代ごとに整理したグラフ

50代がピークで、60歳以降は減少に転じています。しかし、70歳以上でも30代前半より高くなっています。

世帯によっては、やむを得ない事情があるのかもしれませんが、老後には生命保険料を払わなくてよいように、計画的に生命保険に加入したいです。

有期払込の保険に、できるだけ早く加入する

生命保険に加入する年齢が高くなると、1回あたりの保険料が高くなります。

終身払込(保険料を生涯払い込む)を選ぶと、保険料を安くすることができます。しかし、保険料の払い込みは一生続きます。悪循環です。

20代とか30代くらいで加入すれば、この悪循環から逃れられます。
若いから、有期払込(60歳まで、65歳まで等)にしても、保険料はそんなに高くなりません。
有期払込にすれば、老後の保険料払込はゼロになります。

後回しにしないで、早め早めに手を打つのが鉄則です。

また、上で、医療保険と終身保険の保険料例をご覧いただきましたが、早く加入することで、生涯の保険料累計まで低く抑えることができます。

損をしないために、避けたい2つのこと

せっかく急いで生命保険に加入しても、次の2つのことをやってしまうと、台無しになってしまいます。

  • 更新型の生命保険に加入する。
  • 加入後に、保障を見直しする(新しい商品に乗り換える)。

更新型の保険に加入すると、一定の年数(10年、15年・・・)ごとに、保険料が更新時の年齢をもとに再計算されます。つまり値上がりします。

「保障の見直し」(新しい商品に乗り換える)も同様です。見直すということは、新しくやり直すことです。
保障を新しくする必要があるなら、新しくしたい機能の分だけを新規で加入し、不要になった機能だけを一部解約(または減額)しましょう。

ご自分にあった保険の組み合わせ方を検討し、数ある商品の中から最適でおトクな保険商品を選ぶ方法は、こちらをご覧ください。

年代や世帯の状況に応じた生活設計や、そこでの生命保険の活かし方などは、家計や生命保険の専門家たちの、最も得意な分野です。
このような専門家たちを有効活用して、納得しながら検討を勧めましょう。

また、生命保険会社は40社以上あります。家計や保険の方針が決まっても、それに合ったおトクな商品を見つけ出すのは、一苦労です。

主だった生命保険会社の商品を一通り取り扱うことのできる、生命保険の専門家を使って、要領よく選択しましょう。

そのための手軽で安心な方法は、
賢い生命保険の入り方
をご覧ください。