アフラック『生きるためのがん保険Days1』
アフラックのがん保険『生きるためのがん保険Days1』を、このサイトの視点で、徹底分析しました。

アフラックのがん保険『生きるためのがん保険Days1』は、契約件数No.1の、もっとも売れているがん保険です。
そんな『生きるためのがん保険Days1』を、このサイトの視点で客観的に分析しました。
『生きるためのがん保険Days1』は、医療・介護関連の保険を日本でもっとも多く販売している、アフラックのがん保険です。
アフラックは、医療・介護関連の保険(特約を含む)を日本でもっとも多く販売している保険会社です。
アフラックは、販売実績で首位を走る
2016年度の、医療・介護関連保険の売上高(新契約年換算保険料)のトップ10は次の通りでした。
1位 | アフラック | 667億円 |
---|---|---|
2位 | エヌエヌ生命 | 495億円 |
3位 | 第一生命 | 475億円 |
4位 | メットライフ | 440億円 |
5位 | かんぽ生命 | 411億円 |
6位 | 日本生命 | 411億円 |
7位 | 住友生命 | 359億円 |
8位 | 明治安田生命 | 326億円 |
9位 | 東京海上日動あんしん生命 | 219億円 |
10位 | アクサ生命 | 177億円 |
アフラックは、2位以下を大きく離して、トップの座にいます。
アフラックを支える巨大な販売網
売れ行き好調のアフラックですが、商品が優れているから売れている、という単純なことではありません。
特にがん保険については、以下の2点を考慮する必要があります。
- 医療保険に比べて、がん保険を販売している保険会社は少ない。
- 郵便局に加えて、かんぽ生命、大同生命、第一生命が、アフラックのがん保険を売っている。
医療保険は、ほとんどの保険会社が、自社商品を販売しています。それに比べて、がん保険を単体で販売している保険会社は、少ないです。
アフラックは、そうした会社のいくつかと提携して、自社のがん保険を販売してもらっています。
この他に、みずほ銀行、三菱東京UFJ銀行、三井住友銀行などの金融機関でも、アフラックのがん保険を販売しています。
全部をひっくるめると、がん保険の販売網としては、国内最大規模になります。
3つのがん保険
そんなアフラックは、3つのがん保険を、販売しています。
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生きるためのがん保険Days1 性別に関係なく、病気・ケガに備えるがん保険。 |
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生きるためのがん保険Days1レディースプラン 「Days1」の女性向けの保障プラン。ただし、独自にロゴがあります。 |
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生きるためのがん保険 寄りそうDays がんを経験したことがある人のためのがん保険。 |
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生きるためのがん保険Days1プラス アフラックのがん保険(旧商品)に入っている人が、保障を補強するための商品。 |
『生きるためのがん保険Days1レディースプラン』は、独立した商品ではありません。『生きるためのがん保険Days1』に、いくつかの特約を付加したら、同じものが出来上がります。
しかしアフラックは、レディースプランに独自のロゴマークを設けています。同社の、女性を重視する戦略が伝わってきます。
2018年4月に商品改定
上のがん保険のうち、『生きるためのがん保険Days1』(『生きるためのがん保険Days1レディースプラン』を含む)と『生きるためのがん保険Days1プラス』が新商品です。
生きるためのがん保険Days1

2018年3月までの、がん保険の主力商品は『新・生きるためのがん保険Days』でした。
新商品の『生きるためのがん保険Days1』は、旧商品をバージョンアップしたがん保険です。
基本の仕組みを引き継ぎつつ、さまざまな強化を実施しています。
- 4つの特約を新設した。「特定診断給付金特約」「特定保険料払込免除特約」「緩和療養特約」「外見ケア特約」の4つです。
- 3つの給付金の支払い条件を拡大した。「通院給付金」「手術治療給付金」「診断給付金複数回支払特約」の3つです。
- “特別保険料率”を新たに設けた。肝臓、腎臓、肺の慢性疾患があっても、保険料を割り増しして払えば、加入できるようになった。
この中で、特に大きな変更と思えるのが、一番下の特別保険料率の新設です。
アフラックは、過去にがんにかかったことがある人向けに『生きるためのがん保険 寄りそうDays』を販売しています。
特別保険料率はこれとは違って、がんではないけれど、がんの予備軍とされる、肝臓・腎臓・肺の慢性疾患の人を、がん保険に加入できるようにしました。
生きるためのがん保険Days1プラス

がんを治療するための、医療技術の進化は急速です。がん保険の保障も、それに合わせて、小刻みに変化します。その結果、古いがん保険は、風化しやすいです。
『生きるためのがん保険Days1プラス』は、過去にアフラックのがん保険に加入した人が、昔のがん保険では物足りない部分を、埋め合わせるための商品です。
そのため、通院給付金だけとか、通院給付金+手術治療給付金+放射線治療給付金の3つだけというように、保障内容を柔軟に設計することができます。
昔のがん保険を止めて、新しい保険に入り直すのではなく、昔のものをそのまま続けて、足りない保障だけを新たに追加するので、保険料の上昇は必要最小限です。
『生きるためのがん保険Days1』の新発売に合わせて、『新・生きるためのがん保険Daysプラス』も『生きるためのがん保険Days1プラス』にバージョンアップされました。
『生きるためのがん保険Days1』は、医療保険には加入せず、がん保険だけ加入したい人に向いています。
がん保険は、さほど複雑ではありません。少なくとも、医療保険に比べると、シンプルです。
ただし、商品による、保障内容の違いが大きいです。
がん保険は、大きく2つのタイプに分かれる
各社のがん保険を比べると、いろいろな特色がありますが、大きく2つのグループに分けることができます。
- 医療保険と組み合わせやすいがん保険。
- 医療保険と保障が重複してしまうがん保険。
その違いは、入院給付金の取り扱い方に表れます。
医療保険の主契約には、ほぼ例外なく、入院給付金(入院日数分の給付金が出る)が組み込まれています。つまり、必須の保障です。
一方、がん保険では、入院給付金が必須になっているものと、特約として付けるかを選べるもの、の2つのタイプがあります。
どちらかが優れている、ということはありません。
ただ、入院給付金が必須のがん保険を、医療保険と組み合わせると、入院給付金が重複して、ムダが発生します。
がんの入院は、医療保険の入院給付金で十分
がんは怖い病気ですが、だからと言って、医療保険とがん保険で、入院給付金を二重に準備する必要はありません。
がんは、1日あたりの医療費は平均より高いものの、1回あたりの入院期間は平均以下です。健康保険の高額療養費制度を使えば、入院1回あたりの費用は、そんなに大きくなりません。
また、近年、がんの治療に通院で取り組む患者数が、大きく増えています。入院給付金を二重にするくらいなら、通院への保障を手厚くしたいです。
『生きるためのがん保険Days1』は、医療保険と組み合わせにくい
アフラック『生きるためのがん保険Days1』の主契約には、入院給付金が組み込まれています。ということは、この保険に加入したら、必ず入院給付金がついてきます。
よって、この商品を医療保険と組み合わせると、入院給付金が重複します。
というわけで、『生きるためのがん保険Days1』は・・・
『生きるためのがん保険Days1』の通院保障は、けっこう手厚いです。ただし、長く続けるには不安があります。
医療技術の進歩にともない、入院1回あたりの、がんの入院日数は短くなっています。
厚生労働省『患者調査』(平成26年)によると、がんの平均入院日数は19.9日で、全病気・ケガの31.9日より、12日も短縮されています。
反面、通院でがん治療に取り組む患者数は、年々増加しています。
がん保険には、通院保障も求められる時代に
厚生労働省『患者調査』(平成26年)によると、通院でがん治療に取り組む患者数は、急速に増えています。

この10年くらいで、通院患者数が入院患者数を追い抜き、その後もグングンと伸びています。
一般論として、通院は、入院に比べて、短期間のまとまった出費にはなりにくいです。
しかし、がんは年単位で取り組む病気なので、チリも積もれば山になります。
また、放射線治療や、高額な薬品を用いた薬物治療になると、通院でも高額の出費になります。
『生きるためのがん保険Days1』の、通院保障はまずまず手厚い
『生きるためのがん保険Days1』の保障のうち、通院費用に使えるものは、以下です。
- 診断給付金
- 診断給付金複数回支払特約
- 特定診断給付金特約
- 通院給付金
- 放射線治療給付金
- 抗がん剤治療給付金/ホルモン剤治療給付金
使える給付金の数は多いですが、中身が大事です。
診断給付金は
がんの診断が確定したら、一時金が出ます。通院か入院かは、関係ありません。
金額は、がんのとき入院給付金の50倍、上皮内新生物のとき入院給付金の5倍です。
診断給付金を受け取るのは1回限りですが、診断給付金複数回支払特約を付加すると、2回目からももらえるようになります。
もっとも、2回目以降は、診断だけでは足りず、入院することが条件になります。
特定診断給付金特約は
診断給付金と同じく一時金ですが、支払い条件が異なります。
以下のいずれかに当てはまると、一時金が出ます。
- 初めてがんと診断確定してから2年以内に、がんによる入院日数と通院日数の合計が、30日になったとき。
- 初めてがんと診断確定してから2年以上経過後に、がんのための所定の入院・通院が継続しているか、再度がんの診断が確定したとき。
なお、特定診断給付金が出るのは、保険期間中に1回だけです。
がんの治療が長引いたときに、追加で一時金が出るのは、ありがたいです。
ただし、支払い条件の中に、30日と日数が具体的に指定されている点は、要注意です。
医療技術の進歩に伴って、こういった日数の重みは将来変動します。
通院給付金は
文字通り通院のための給付金です。
ただし、この給付金を受け取るには、以下の4つの条件のどれか当てはまらなければなりません。
- がん(上皮内新生物を含む)のために、通院で、手術、放射線治療、抗がん剤治療、ホルモン剤治療のいずれかを受ける。
- 上のいずれかの治療を受けてから365日以内の、がん(上皮内新生物を含む)治療のための通院。
- 初めてがんの診断が確定してから365日以内の、がん(上皮内新生物を含む)治療のための通院。
- 入院した場合に、退院から365日以内の、がん(上皮内新生物を含む)治療のための通院。
通院だけの治療にも幅広く対応している点はうれしいです。
しかし、治療法が具体的に限定されているのは、要注意です。
確かに、上の条件にある4つの治療法は、現在では主流です。しかし、20年、30年経過すると、新しい治療法が主流になるかもしれません。
そうなったときに、
放射線治療給付金、抗がん剤治療給付金、ホルモン剤治療給付金も
治療法が限定されている点では、上と同じです。
近い将来、これらの治療法が消滅するとは考えにくいです。しかし、20年後、30年後となると、正確な予測は誰もできません。
『生きるためのがん保険Days1』の保障内容は、長く続けられるものではありません。入ってはいけない保険です。
がんは、日本人にとって最も重要な病気だけに、医療技術の進歩は急速です。
それに歩調を合わせるように、がん保険や医療保険の商品内容は、短い間隔で新しくなっています。
がん保険は、長く続けるつもりで、加入する
がん保険に加入しても、年数がたつと、中身が時代遅れになってしまうかもしれません。
中身が古くなったら、その時点の最新の商品に、加入し直すしかないのでしょうか?
そういう考え方は、お勧めできません。
なぜかと言うと・・・
- 健康状態が悪くなって、加入できないかも。
- 年齢が上がると、保険料も上がります。負担が大き過ぎて、加入できないかも。
- 最新の保険に加入し直しても、いずれは時代遅れになってしまう。
というわけで、将来保険に入り直すという考えは、破たんする危険があります。お勧めできません。
発想を切り替えて
『生きるためのがん保険Days1』は、劣化しやすい保険
上で説明した通り、『生きるためのがん保険Days1』では、給付金の支払い条件に、治療法がいくつも指定されています。こういう商品は、年数の経過で風化しやすい保険の典型です。
特約で指定されているだけなら、避けられます。しかし、この商品では、主契約でいくつも指定されているので、避けて通ることができません。
こうなると
同じようながん保険は、他にも複数ある
実は、『生きるためのがん保険Days1』のような、年数の経過に弱いがん保険は、他にも複数あります。というか、むしろ多数派です。
がん保険は、消費者の関心が高い分野なので、保険会社間の商品開発競争が激しいです。
各保険会社は、自社商品の魅力を高めるために、最新の医療に対応しようとします。その結果、現在主流の治療法や、最新の治療法に合った保障が次々と開発されます。
今は主流でも、最新でも、時代が変われば古びてしまうのですが、そんなことはお構いなしです。
『生きるためのがん保険Days1』をご検討なら、こちらの保険商品をお勧めします。
アフラック『生きるためのがん保険Days1』は、入ってはいけないがん保険です。
もし、この商品をご検討なら、並行して検討していただきたいものがいくつかあります。
アフラック『三大疾病保障プラン』

この商品はがん保険ではありません。
がんの診断が確定したとき、急性心筋梗塞か脳卒中が発病し、60日以上重い症状が継続したときに、所定の一時金が出る保険です。
一時金の金額は、100万円から、最大2000万円(ただし年齢による)の範囲で指定できます。
一時金の金額を大きくできるかわりに、他の保障はありません。
保障も支払い条件もシンプルなので、年数が経過しても、古くなりにくいです。
FWD生命『新がんベスト・ゴールドα』

この商品の主契約は、悪性新生物診断給付金だけです。これは、がんと診断されたときに出る一時金です。
一時金の金額は、50~300万円の範囲で指定できます。主契約はこれだけというシンプルさ。
ただし、特約は7つ用意されていて、先進医療、女性特有のがん、上皮内がん、疼痛緩和(痛みを和らげる)など、いろいろなニーズに応えられるようになっています。
オリックス生命『特定疾病保障保険With(ウィズ)』

この商品の保障内容は、上のアフラック『三大疾病保障プラン』とほとんど同じです。
オリックス生命も、がん保険を販売していますが、やはり支払い条件に治療法が細かく指定されています。
SOMPOひまわり生命『特定疾病保障保険』

この商品の保障内容も、上のアフラック『三大疾病保障プラン』とほとんど同じです。
ただし、急性心筋梗塞と脳卒中で、一時金が支払われる条件は、アフラックやオリックス生命より緩やかになっています。
なお、SOMPOひまわり生命も、がん保険を販売していますが、やはり支払い条件に治療法が細かく指定されています。
がん保険の検討・見直しは、保険の専門家を上手に活用しましょう。
がん保険自体は、わりと単純な仕組みです。しかし、検討し始めると、上で説明したように、医療保険との役割分担とか、長く続けるための入り方とか、考えることはいろいろあります。
重視するポイントによっては、がん保険をやめて、医療保険に一本化するという判断も十分にあり得ます。
というように、がん保険の枠を超えて、幅広く検討し、判断を下さなければなりません。迷ってしまいそうです。
迷うだけならまだしも、判断ミスをすると、ダメージは大きくなります。がん保険は、長く続ける可能性が高い保険ですから。
そこで、保険の専門家の活用をお勧めします。その具体的な方法は、以下でご案内しています。
を、ご覧ください。