ソニー生命のがん保険『終身がん保険(08)』

ソニー生命のがん保険『終身がん保険(08)』

ソニー生命のがん保険『終身がん保険(08)』を、徹底分析しました。

ソニー生命は、日本を代表するエレクトロニクス企業ソニーグループ系列の生命保険会社です。

ソニー生命は3つのがん保険を販売していますが、このページでは定期型の『終身がん保険(08)』を解説します。

ソニー生命の医療保険・がん保険などの評判・人気を、客観的なデータでチェックしました。

商品の評判・人気を判断するときに、もっとも客観性の高い基準は販売実績です。

そこで、ソニー生命の第三分野(医療保険・がん保険・介護保険等)の、過去5年の新規獲得実績を、業界全体と比較しました。

増減を比較しやすいように、前年度に対する%を表示しています。100%(グラフの青い点線)より上の年度は増加しています。

ソニー生命の第三分野の販売実績(新規獲得)の推移

最初の2017年度を除くと、ソニー生命と業界全体の線の動きはかなり近いです。

これをもとに推測すると、ソニー生命の医療保険やがん保険等の評判・人気は、業界内で並レベルと考えられます。

『終身がん保険(08)』をお勧めしにくい理由があります。

『終身がん保険(08)』の概要

このがん保険の仕組みを図にすると、次のようになります。

がん診断給付金 主契約 がん入院給付金 主契約 がん手術給付金 主契約 退院後療養給付金 主契約 がん死亡保険金 主契約 死亡給付金 主契約 特定疾病診断給付金 特約 先進医療給付金 特約 抗がん剤治療給付金 特約 保険料払込免除 特約

「がん診断給付金」は、はじめてがんの診断されたときに一時金が出ます(1回限り)。

また、「がん死亡給付金」と「死亡給付金」の違いは、次の通りです。

  • 「がん死亡給付金」は、がんで亡くなったときに、入院給付金100日分がもらえる。
  • 「死亡給付金」は、がん以外で亡くなったときに、入院給付金10日分がもらえる。

『終身がん保険(08)』をお勧めしにくい理由

がんの治療法の進化により、通院で治療を受ける確率が上昇しています。

下のグラフは、厚生労働省『患者調査(平成29年版)』での、通院患者と入院患者の割合を表しています。

通院のみで治療を受けるケースは増えていますし、さらに増加しそうですが、『終身がん保険(08)』の保障では不安があります。

通院のみの治療に使えそうな給付金はあるにはありますが・・・

  • 「がん診断給付金(主契約)」は通算1回しか出ないので、転移・再発のときは期待薄。
  • 「特定疾病診断給付金特約」も通算1回しか出ないし、保障内容が時代遅れ。
  • 「抗がん剤治療特約」は、他の治療法のときにはお金が出ない。

『終身がん保険(08)』の保障内容は、現時点ですでに貧弱に見えます。一生続ける保険としては心もとないです。

がんは高齢になるほど発症しやすい病気なので、安心して長く続けられるがん保険をお勧めします。

候補に加えていただきたいがん保険と、お勧め保障プランはこちらです。

診断給付金、入院給付金+通院給付金

入院・通院の両方をカバーするために、治療給付金をメインとするがん保険が増えています。たとえば、放射線治療給付金は、入院か通院かに関係なく、放射線治療を受けたら給付金が出ます。

しかし、こうした治療給付金には大きなリスクがあります。個々の治療法と密接であるために、医療技術が進化すると劣化しやすいです。

治療法に左右されにくい診断給付金、入院給付金、通院給付金を活用して、入院・通院にまんべんなく備えることを、お勧めします。

診断給付金 入院給付金 通院給付金 手術 給付金 放射線治 療給付金 抗癌剤治 療給付金 〔給付金の守備範囲〕

お勧め商品と保障プラン

商品名と、それぞれのおすすめプランを簡単にご案内します。

FWD生命「FWDがんベスト・ゴールド」

中国系のFWD生命のがん保険です。旧富士生命時代の人気商品をベースにした、プロの間で評価の高い保険です。

  • お勧めプラン
    主契約のがん診断給付金のみ。
  • 留意点など
    特約には治療給付金が多いのでお勧めしません。

SOMPOひまわり生命「勇気のお守り がん診断給付型」

国内2位の大手損保、損保ジャパン系列のSOMPOひまわり生命が販売するがん保険です。

「がん治療給付型」と「がん診断給付型」の2つがあります。お勧めは「がん診断給付型」です。

  • お勧めプラン
    「がん診断給付金」のみ、または「がん診断給付金+がん外来治療給付特約+がん入院特約」。
  • 留意点など
    保険料に非喫煙者割引があり、割安感があります。

このがん保険の通院特約(=がん外来治療給付特約)は、他社と比べて優秀です。

将来新しい治療法が登場しても、高い確率で対応できそうです。

三井住友海上あいおい生命「&LIFE ガン保険スマート」

大手損保グループ系列の三井住友海上あいおい生命が販売するがん保険です。

  • お勧めプラン
    主契約(入院給付金、手術給付金)にガン診断給付特約とガン治療通院給付特約を付加。
  • 留意点など
    他の特約は治療給付金が多いので、お勧めしません。

このがん保険の通院特約(=ガン治療通院給付特約)も、他社と比べて守備範囲が広いです。

なないろ生命「なないろ がん一時金保険」

なないろ生命は朝日生命グループの若い保険会社で、保険ショップなどに保険料の安い商品を供給しています。

なないろ生命は、「なないろ がん治療保険 極」という商品も販売していますが、こちらはお勧め対象外です。

  • お勧めプラン
    主契約のがん診断一時金のみ(診断一時金と診断給付金は同等)。
  • 留意点など
    特約には治療給付金が多いのでお勧めしません。

保険のプロに相談するなら、中立性が高く、商品を比較できるところを選びましよう。

わかりにくい保険だからこそ、中立な立場で助言してくれるプロに相談したいです。

保険ショップか独立系FP

保険を販売する人たちを、中立性と商品知識の2つの角度から分類したのが下の図です。

商品知識 保険ショップ 独立系FP 銀行窓口 一般の保険代理店 保険会社の直営 店または営業

お勧めしたいのは、赤い文字の「保険ショップ」または「独立系FP」です。ここでの「保険ショップ」は、全国チェーンかそれに近い規模のものを指します。

保険ショップ
  • 取り扱う保険会社数がもっとも多く、中立性は高い。
  • 各社の商品についてよく知っているが、保険・家計の知識は店舗による。
独立系FP
  • 複数の保険会社の商品を取り扱うので、中立性はそこそこ高い。
  • 各社の商品についてよく知っており、保険・家計の知識もある。

担当の人が公正な人柄で、勉強熱心であっても、こちらに勧めてくるのは自分が販売できる商品です。結局はかたよってしまいます。

また、販売できない商品については、保障プラン設計や見積作成の機会がないので、商品知識が深まりません。

できるだけ多くの保険会社の商品を取り扱えるプロに相談するのが無難です。

お勧めしたい保険のプロはこちら

保険ショップ・チェーンには、凄腕の営業マンだった人が設立した、営業色の強いチェーンが多いです。

そんな中、「保険見直し本舗」は、やみくもに店舗を増やすのではなく、サービスネットワークを丁寧に拡大させています。

FPを無料で紹介するサービス

家計のプロを認定する公共性の高い資格が、FP技能士(国家資格)やAFP、CFPです。そして、そんな家計のプロを無料で紹介してくれるのが、FP紹介サービスです。

このサイトでは「保険マンモス」をお勧めしています。

開始から20年に満たない若い業界ですが、「保険マンモス」はもっとも早くスタートしたサービスの一つで、実績を積み重ねています。